カテゴリー別アーカイブ: 風邪

コロナ経口治療薬

本日は3月3日桃の節句ですね。当医院でも手作りの可愛いお雛様を受付横に飾っております。

さて経口のコロナ治療薬ですが、家庭内感染の予防効果が認められなかったとの記事がありましたので、紹介します。

(以下引用)

[21日 ロイター] – 米製薬大手メルクは21日、新型コロナ感染症の経口抗ウイルス薬「ラゲブリオ」(一般名モルヌピラビル)について、後期臨床試験で感染者と同居する人々の感染リスクを減らす主要目標を達成できなかったと明らかにした。

約1500人が参加した同試験で、ラゲブリオを14日間服用した被験者は、プラセボ(偽薬)群と比べて23.6%コロナ感染症を発症しにくかった。

米製薬大手ファイザーの新型コロナ経口薬「パクスロビド」も家庭内感染を予防する効果が見られなかった。

(引用ここまで)

治験のデータでは、投薬後にウィルス量は有意に減っているはずなのですが・・・・・・家庭内感染を抑える効果は期待できないようです。

発熱などが辛い人には投薬するのは良いとして、軽症の方にはどうするのか悩ましいところです。

風邪症状を抑えるだけの従来の感冒薬は、病態悪化を示すサインが出現するのを遅らせてしまい、リスクを上げる可能性があるのです。ウィルス量を減らすコロナ治療薬に期待していたのですが・・・・・今一つですね。

「コロナ治療薬よお前もか!!」

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新型コロナウィルス

暖かい年明けでしたが、今日は冷たい雨の日になるとのことです。インフルエンザや胃腸炎で来院される方が増えております。予防の基本は手洗い・うがいですので、心がけてくださいね。

さて中国で新型肺炎による死者が出て、2002年のSARS(サーズ)の再来かと恐れられています。重度の心筋炎などを併発すると重篤化して命にかかわるようです。

肺炎の原因ウィルスは、SARSと同族のコロナウィルスの新型だそうです。中国中部の湖北省武漢市に帰郷していた男性が国内で発症しており、決して海の向こうの話ではないようです。

今の所、人から人への感染力はそれほど強くないとの見方が有力で、SARSで心配されたパンデミック(広域な大量感染)は起こさないとされています。

いずれにせよ罹患しないことに越したことはないので、冒頭に書きました手洗い・うがいに努めることが大切ですね。お気をつけください。

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リンゴ病の流行

今年もとうとう師走ですね。何だか気忙しく感じるのは私だけでしょうか?

さて、以前にブログ(「大人の感冒症状に注意!」)でも書いたリンゴ病ですが、通常約5年毎に大流行があるそうです。

前回の流行が2011年だったので、ブログを書いたこの春の流行はチョット早いなぁと思っていたのですが、最近はそれを上回るペースで患者数が増えているようです。

妊婦さんが罹患した場合は流産の恐れもあるため、手洗いやマスクの着用といった予防策の徹底が必要です。(リンゴ病は症状が出る前から感染するので難儀なのです。)

喉も痛くないのに発熱したり、おかしいなぁと思ったらリンゴ病やインフルエンザかもしれませんので是非受診をしてくださいね。

 

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大人の感冒症状に要注意!

寒暖の差が広がり、風邪で受診される大人の方が増えています。多くの方は普通の風邪なのですが、中に子供がよくかかることで知られている、溶連菌感染症やリンゴ病に大人が罹患していることもあり注意が必要です。

溶連菌感染症になると、のどの痛み、発熱、イチゴ舌(舌に発疹が出てイチゴのようになる)、全身倦怠感、嘔吐、手足に発疹が出たり、発熱や発疹が治まってから手足の皮がむけたりすることがあります。大人がかかると、症状が強く出ることもあり、注意が必要です。

一般の風邪とは異なり、溶連菌感染症では1週間から10日間の抗生物質の投薬がなされます。自覚症状がなくなったからいって抗生物質を飲むのをやめてしまうと、リウマチ熱や急性糸球体腎炎といった合併症になる恐れがあります。

リンゴ病はパルボウィルス感染症で、子どもでは初めにリンゴのような赤いほほになることから名付けられました。大人の場合頬の赤みは目立ちませんが、体にレース様の赤い斑点がでて、手首や指、膝や腰の痛みが強くなり、ひどいと手の指が曲がりにくくなったり、階段の昇降にも不自由を感じることもあります。

リンゴ病のいろいろな症状は長いと3,4週間も良くなったり、悪くなったりすることがあるため、他の悪い病気と心配される方が多いようですが、時間はかかっても自然に治癒するので心配は要らないようです。

溶連菌感染症もリンゴ病も大流行の兆しがあるようです。お子さんが罹患している方はうつる可能性がありますので、おかしいなぁと思ったら是非受診して下さいね。

 

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デング熱と解熱剤

ここ最近、蚊に刺されて感染する「デング熱」に関する報道が数多くなされていますが、先日『「デング熱」になった時に、安易に解熱剤を飲むと重症化する可能性がある。』との発表がありました。

「デング熱の時にアスピリンなどの解熱剤を飲んではいけない。」と単純に片付けてしまっても良いのですが、もう少し掘り下げてみたいと思います。

デング熱は「急な発熱」や「目の奥の痛み」、「筋肉痛」などを伴って発症する病気ですが、体内からウイルスが消失すると症状が消失する、予後は比較的良好な感染症です。しかし、希に患者の一部に出血症状を発症する(デング出血熱)ことがあり、その場合は適切な治療がなされないと、致死性の病気になります。

では、何故「デング熱」の時にアスピリン等の「解熱剤」がダメなのでしょうか?

市販されているものも含めて多くの「解熱剤」は熱を下げると同時に、腎臓の血流を減らしたり、血小板機能に影響を与えることが知られています。通常の風邪などでは大きな問題にならないのですが、デング熱で血小板が減少している時には、「解熱剤」の血小板に対する影響で血が止まらないなどの大きな問題を引き起こす可能性があるのです。

決して「デング熱」が「解熱剤」を毒に変えているのではありません。

「デング熱」以外の発熱の時でも「解熱剤」は出血の原因になり得ることを知っておかないと、消化管潰瘍のある人が「解熱剤」を飲んだ後に出血してしまうこともあるのです。

「解熱剤」の名誉のために書きますが、「血液サラサラ」(この言い方はあまり好きではありませんが)のために「アスピリン」を服用されている方は、まさにアスピリンの血小板機能抑制効果を期待して投薬されているのです。

「アスピリンは解熱剤なの?血液サラサラ薬なの?」と聞かれそうですが、「アスピリンはアスピリンで、必要な効果だけを取り出して使うことは出来ないのです。」

御自身の飲まれている薬がありましたら、「どんな薬?」と興味を持っていただけるとありがたいものです。

 

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また風邪の季節ですね

気温が寒くなり、空気が乾燥してくると「風邪」が流行ってきますね。当院でも「風邪」で受診される患者さんが増えています。

今回の風邪の特徴としては、喉の痛みや鼻水の症状で始まり、2−3日後に軽い熱感や発熱があり、その後ひどい咳が残る方が居られるようです。そのような方のお話を聞いていると、鼻の奥や喉の奥が「イガイガ・ムズムズ」して咳や鼻水が連続して出るとのことです。中には、頭痛や耳痛が強く難儀することもあるみたいです。

どうやら、喉(扁桃)から始まった炎症が、気管や副鼻腔に広がって上記のような症状を出すのが今回の風邪のようです。抗炎症剤や咳止めを服用していただくのですが、一旦こじらせるとなかなか治らないようです。「風邪かな?」と思ったら早めの対処が良いみたいです。

服薬とともに、部屋の温度や湿度の管理をキチンと管理して、十分に休息を取ることが症状の改善に必要です。

お気を付けくださいね。