カテゴリー別アーカイブ: 生活習慣病

一夫多妻で冠動脈疾患リスクが4倍超に

5月だというのに、真夏のような暑さですね。まだ、湿度が低いのが救いですが・・・・・

以前から独身男性に比べ、既婚男性は健康状態が良好で寿命も長いとのエビデンスがあります。では、妻が複数いればさらに健康になるのでしょうか?

こんな疑問に答える前向き観察研究が、一夫多妻制のあるサウジアラビアとアラブ首長国連邦で実施されたそうです。

複数の妻がいる男性では妻が一人の男性に比べて、冠動脈疾患のリスクが4倍超高いことが明なになりました。さらに冠動脈疾患のリスクは妻の人数が増える毎に上昇していたのです。

この研究を行った先生は、複数の妻の住居を確保し、生活を維持するための経済的負担や精神面での負担、全ての妻たちを公平かつ平等に扱わなければならないことから生じるストレスなどがあるのではないかと指摘しています。

過ぎたるは及ばざるが如し・・・・でしょうかね。

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「一杯のコーヒーから・・・・♪」

9万人超の日本人を対象とした前向きコホート研究で、コーヒーを1日3-4杯飲む人は、ほとんど飲まない人より、死亡リスクが24%低下することが報告されました。

かなりインパクトのある研究だと思います。重要な点としては、

1.対象が9万人超と大規模である。
2.対象が日本人である。
3.前向きコホート研究である。

などがあげられると思います。

人数が多いので、確率的な変動で結果が振れにくい上に、日本人のデータであるので皆さんにも効果がある可能性が高くなるのです。その上、前向き(コホート)研究であるので、後ろ向き研究で良くある、「コーヒーを飲んだから長生きした」または「コーヒーを飲み続けられた人が長生きした」(コーヒーを飲み続けられない人は早期に死んでしまう?!)のか判断が出来ない事態が回避されているのです。

死亡原因別に見ると、心疾患による死亡リスクは36%、脳血管疾患による死亡リスクは43%、呼吸器疾患による死亡リスクは40%低下していたとのことです。ただ残念なことに、癌による死亡リスクは変化が無かったようです。

「一杯のコーヒーから・・・・♪」健康になれるかもしれませんね。


スタチンによる糖尿病リスク(5)

朝は寒い感じがしますが、日が高くなるにつれ汗ばむような暖かさです。温暖の差が激しいこの時期は以外と疲れ易く風邪や胃腸炎で受診される方が増えております。お気をつけ下さい。

さて、前回の最後に書きました「何とも奇妙な曲線」について書きたいと思います。

そのグラフは、時間経過とともに糖尿病を発症した人の数を積み上げたグラフで、曲線が下にあるほど発症が少ないことを表している医学論文ではよくあるグラフでした。

確かにスタチンを服用した群の曲線が、スタチンを飲んでいない群の曲線を終始上回っていました。ところが、このグラフに表されている4年間のフォローアップ期間で、ちょうど2年目と4年目にスタチンを飲んでいない群の曲線が急上昇して、スタチン群の曲線に追いついているのです。

多分この研究では、2年目と4年目に、糖尿病発症の評価を必ずするように決められているが、間は担当医が任意に糖尿病発症の評価をするように決められていたのだと思います。

スタチンを服用されていない場合には、定期的な投薬がないため決められた日(2年目と4年目)にしか来院されず、任意の糖尿病発症評価が全くされていない人が多数含まれていたと考えられるのです。糖尿病発症の評価がされない限り、「糖尿病を発症した」とはいえないため、見かけ上スタチンを服用していない人の糖尿病発症が少なくなのです。

上記の理由で、この様なグラフを解析に用いられるカプランマイヤー法で有意差がでるのは頷けますが、2年目と4年目の数値を取ってみると有意差は無いと判断できます。

その他の試験を総べて見たわけではないですが、「 糖尿病に良いはずのスタチンが糖尿病の発症を増やしてしまう矛盾」は、「研究の方法」や「人為的な影響」といった妖怪のせいかもしれません。

・・・・・ウィスパーに聞いてみなくちゃ!!

ここまで考えて、やっと悩ましさのモヤモヤは霧散しました。

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スタチンによる糖尿病リスク(4)

前回は、糖尿病発病に対するスタチンの効果が、研究の方法(「無作為割り付け」かどうか)により変わってしまう可能性を書いたのですが、ご理解いただけましたでしょうか?(少し込み入った内容ですみません。)「これにて一件落着!!」と思った所に、無作為割り付け(ランダマイズ)試験でも、スタチンが9%程度糖尿病の発症を増やしているとの論文に行き当たりました。

ビックリして学術部の方にお話をお聞きしたところ、確かにその内容で論文が発表されているとのことでした。お教えいただいた現時点での一般的な考え方としては、「スタチンの種類によっては、若干糖尿病の発症を増加させる可能性がある。」とのことです。

前々回のブログで挙げた考えの一つ「Ⅰ 2001年の研究で使われていたスタチンと違う種類のスタチンが上市され多く使われるようになっている現状から、新しく使われているスタチンが糖尿病発症に良くないかもしれない。」に近い考え方ですね。

「そういう事もあるかもしれないけど・・・・・何だかしっくり来ないなぁ」と呟きながら、資料を見てみると、ある試験における糖尿病発症率のグラフに行き当たりました。

そこには何とも奇妙な曲線が・・・・・・・・・・(次回最終回に続く!)

 

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スタチンによる糖尿病リスク(3)

急に暖かくなって桜が散り始めたかと思ったら、冬のような寒さ・・・・・一体どうなっているのですかねぇ。

さて前回の続きで、糖尿病に良いはずのスタチンが糖尿病の発症を増やしてしまう矛盾(「スタチンによる糖尿病リスク(1)(2)を先にお読みください。)を私がどの様に考えたのかを説明します。

実は今回発表されたフィンランドの試験は、無作為割り付け(ランダマイズ)試験では無いのです。ですので端的に言うと、「スタチンを投薬されたので糖尿病が増えた」のか「スタチンを投薬される状況にある人が糖尿病になり易い」のか判らないのです。

単純化して言えば、スタチンが糖尿病発症を30%抑えたとしても、スタチンを投薬される様な病態(高脂血症)の人が40%糖尿病になり易ければ、見かけ上スタチンの投薬を受けた人は10%糖尿病の発症が多くなってしまうのです。

エビデンスの結果だけでなく、背景を読み解かないと困ったことになるのです。

と書いて、今回のシリーズを終えるつもりだったのですが・・・・・・・・・・・

無作為割り付け(ランダマイズ)試験でも、スタチンが糖尿病の発症を少しですが増やしている報告があったのです!?(フィンランドの研究とは違い9%程度ですが・・・・・)

皆さんに正確な情報をお伝えするため学術部の方にお越しいただき、公式にはどの様に解釈されているのかお教えいただきました。

次回請うご期待!!

 

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スタチンによる糖尿病リスク(2)

先週、桜の開花宣言が出たと思ったら、今日からの雨と風でもう桜が散ってしまうみたいです。儚いのが桜とはいえ、何だか寂しいですね。

さて、高脂血症の治療薬であるスタチン。あらゆる段階の糖尿病の方に投薬が推奨されている一方、フィンランドからスタチンの投薬が糖尿病の発症を46%も増加させるとの報告がなされ、何とも悩ましいと書いた前回でしたが・・・・・・・・・皆さんはどんな説明を考えられましたか?

私もザックリと考えてみたのですが、一見矛盾する両方のエビデンスが正しいとすると、

Ⅰ 2001年の研究で使われていたスタチンと違う種類のスタチンが上市され多く使われるようになっている現状から、新しく使われているスタチンが糖尿病発症に良くないかもしれない。

Ⅱ そもそもスタチン自体が、糖尿病の発症には悪いが糖尿病になった人には良い効果があるのかもしれない。

Ⅲ 研究に参加した人の、年齢・人種・性別などのスタチン以外の要因が強く働いたのかもしれない。

Ⅳ 各研究における「糖尿病」の定義が異なっていて、新しい研究ではより厳しく糖尿病を判定するようになっているかもしれない。

等々、が考えられます。どれもあまりしっくり来ないのですね。

ただⅣ番はスタチンはインスリンの分泌を少なくすることが基礎研究から知られているので、「β細胞の保護」を通して糖尿病の悪化を防ぐ可能性があります。そうなら、スタチンは軽い糖尿病にするが重症化をさせないので、一見矛盾した結果になっている可能性があります。

本当にそうなのでしょうか、もっと納得できる説明はないのでしょうか・・・・・・(つづく)

 

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スタチンによる糖尿病リスク(1)

大阪でも桜の開花宣言がなされました。標準木に選ばれたソメイヨシノに五個以上花が咲くと「開花宣言」となるようです。

麗らかな春が近づいているのに、何とも悩ましい報告がなされましたので書いてみます。

以前のブログで米国糖尿病学会(ADA)が全ての糖尿病患者さんにスタチンの投薬を推奨するとのガイドラインを発表したと書いた(ブログ「糖尿病とスタチン」参照)のですが、今回フィンランドから「スタチン投薬によって糖尿病の発症が増加する。」との発表がなされたのです。

最近、スタチン投薬が糖尿病発症のリスクを上昇させるとの報告が散見されていたのですが、今回は何と!46%も上昇させるとのことなのです。

2001年のWOSCOPS研究のサブ解析はスタチンの投薬によってリスクが30%低下したとの報告があり今回の発表との整合性が取れないため、悩ましいのです。

色々と理由は考えられるのですが、一見矛盾するエビデンスが出て来た時にどの様に考えるか(医師によっても違いますが)、次回から書き連ねてみたいと思います。

(皆さんなら、どの様な説明をおつけになりますか・・・・・・?)

 

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サウナで長生き?

もう2月も終わりですが、寒い日が続きますね。今回は、寒さの厳しいフィンランドからの話題です。

北国のフィンランドでは、良好な健康状態とくつろぎをもたらすと考えられ サウナ通いは広く行われています。これまでの研究で、サウナの入浴は血行改善との関係があると発表されてきましたが、今回、東フィンランド大学の発表では、同国の中高年(40−60歳)の男性2315人を対象とした調査で、サウナ通いと突然死の減少に関係が認められたとのことです。(追跡期間の中央値は21年ですので、信憑性は高いかも・・・・・)

内容を簡単に表にまとめると

回数          突然死         心疾患       心臓死         全死亡
週1回         —                —             —              —
週2-3回    23%減少    23%減少    27%減少    24%減少
週4-7回    63%減少    48%減少    50%減少  50%減少
(各群週1回の群と比較しての増減)

となり、すごい効果です。また、サウナ室に19分以上継続してはいる人は、11分以下の人に比べて、より改善効果が高かったとのことです。

この結果から推測すると、サウナ通いと寿命に関係があるのは確かなようです。

「じゃ今日からスポーツジムに入会して毎日サウナに入るぞ!!」と思われた方、

「チョット待って! チョット待って! お兄さん」

(今回の研究は男性が対象で女性に効果があるか分かりませんので、「お兄さん」と書いております。)

エビデンスの考え方からすると、今回の結果では「サウナに入ったから寿命が延びた」のか「サウナに頻回入れるだけの体力を持った人が長生き」なのかは判らないのです。

でも「サウナ通いに寿命延長効果の可能性」魅力的ですよね・・・・・・・・・・・・・

 

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玄米で糖尿病予防

一旦減ってきたと思っていたら、インフルエンザと胃腸炎で来院される方が増えています。うがい、手洗いなど感染予防にお気をつけ下さい。

さて、琉球大学から注目の研究結果が発表されました。「玄米で糖尿病予防」出来るとの報告です。
玄米に豊富に含まれる「γオリザノール」が膵臓でインスリンを分泌している「β細胞」の機能を改善するとのことです。

以前から、「糖尿病の治療は血糖コントロールではなく『膵臓のβ細胞』保護!」とこのブログに書いてきた私には、見逃せない内容ですね。

この琉球大学のグループは2012年にも玄米を食べると、「γオリザノール」が脳に作用し高脂肪食を摂取する欲求を抑える効果があるという研究成果を発表していました。

まさに玄米恐るべしです。

このブログを読んで、「今日から玄米を沢山食べるぞ!!」と思われた方、玄米を沢山摂取するとカロリーが増えて糖尿病になりますよ!

過ぎたるは及ばざるが如しとはよく言ったものですね。

 

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倹約的遺伝子

今年に入って、何だか木曜日と金曜日の雨が多いような気がしませんか? 今日は気温も低く東京では雪が降っていた様です。交通麻痺など起きなければ良いのですが・・・・・

日本病態栄養学界は、ユネスコ無形文化遺産にも登録された「和食」の科学的エビデンスを国内外に発信することを目指す「京都和食宣言2015」を採択しました。

内容は、

1. 我が国における食を評価する
2. 和食のすぐれた点を見直す
3. 和食に関するエビデンスの蓄積を進める
4. 健康に資する和食を次世代に継承する

とのことです。

私が感心したのは「京都和食宣言2015」そのものではなく、この宣言を紹介した記事の中に「(和食は)倹約的遺伝子を持つ日本人に合理的」との記述なのです。(日本栄養学界の先生方ゴメンナサイ。)

この「倹約的遺伝子」というフレーズを使えば、「倹約的遺伝子を持つ日本人は、欧米的な高カロリー・高脂質食に耐えられない。」と生活習慣病について、分かり易く説明出来るなぁと膝をポンと打ちました。

しばらく「倹約的遺伝子」はマイブームになるかもしれません。

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