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笑い(わらい)にガン改善効果?

本日は、大阪らしい話題を一席!

大阪国際がんセンターが関西に拠点を置く芸能事務所の松竹芸能、米朝事務所、吉本興業と協力して、研究を行い研究成果は国際学術雑誌に公表する予定なのだそうです。

具体的には、

———————————————-(以下引用)

研究に参加するのは、がんで通院中の患者70人と看護師ら。

5月から4カ月間、2週間ごとに同センター内のホールで桂文枝さんや桂ざこばさんの落語、オール阪神・巨人さん、海原はるか・かなたさんの漫才など計8回の公演を楽しんでもらう。

期間中に血液検査を5回行い、白血球の数やストレスの程度を示す数値の変化を調べる。また、QOLを調べるアンケートも実施する。

研究では、患者を前半4回の公演だけを見るグループ、後半4回だけのグループ、全8回を見るグループに分け、血液検査でどのような数値の違いが出るのかも調べる。

———————————————-(ここまで)

なのだそうです。

笑いで健康になるとの話題は以前から言われているが、実際にガン改善効果があるか医学的に調べるのは面白いですね。

協力した芸人さん達も国際学術雑誌に発表する論文に、名前が並ぶのでしょうかね。そんな論文なら読んでみたいと思いませんか?

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1mmの線虫がガンを見つける!

春なのか初夏なのかわからない天気が続いていますね。気温の変化で、体調を崩している方が多いようですのでお気をつけくださいね。北海道では季節外れのインフルエンザA型が猛威をふるっているようです。インフルエンザ予防接種の効果も薄れてくる時期なので、心配です。

さて、今回は2年ほど前にブログ(尿1滴からがん検出)で取り上げた話題の続報が入りましたので、そのことについて書きたいと思います。

九州大学大学院理学研究院助教の廣津崇亮先生は「線虫博士」と呼ばれるほど、線虫の嗅覚について研究してこられた先生だそうです。

2013年に佐賀県の伊万里有田共立病院で外科部長をしている園田英人先生からこんな相談を受けたそうです。

「胃痛で来院した患者の胃にアニキサスという線虫が食いついていたため摘出手術をされたところ、そのアニサキスの食い付いている部分に早期胃がんが見付かりました。線虫の専門家としてこの現象をどう思われますか?」

線虫は1mmと小さいながらも、犬の1.5倍の1200もの嗅覚受容体(匂いを受け取る分子)を持っているので、ガンを嗅ぎ分けている可能性があると考え、研究を開始したとのことです。

その結果以前のブログに書いたように、ガンを尿一滴で安価に検査できるシステムを考えつき、あと数年で実用化できる目処がついたとのことです。

医学と他の分野が上手く連携すると素晴らしい成果が出るのですね。

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ガン細胞と体内時計

花見の季節なのにパッとしない天気で、例年に比べてブルーシートの数も少ないような気がします。

国際電気通信基礎技術研究所(京都府精華町)から興味深い論文が出されました。

マウスに悪性の乳がん細胞を移植して、様々な遺伝子の変化を調べたとのことです。移植されたガンが広がる3日前から1週間後にかけて、体内時計の維持に重要な役割を果たすNr1d1遺伝子が肝臓で働かなくなり、様々な遺伝子の働きが乱されることがあきらかになったとのことです。

リズムの乱れた遺伝子には、酸化ストレスを除去するものや正常な細胞分裂に欠かせないものが含まれており、酸化ストレスでマウスの肝臓には肥大が認められました。

これまでガン細胞は、直接的に正常臓器を破壊するとかんがえられてきたのですが、新たな臓器障害のメカニズムがわかり、ガン患者さんの生活の質を改善する方法につながるかもしれないと報告しています。

睡眠覚醒リズムなどの体内リズムの乱れが、高血圧や糖尿病に影響を及ぼすことは以前から知られていますが、ガンの進行にも影響を重干しているのかもしれませんね。

やっぱり「快食・快眠・快便」は健康にとって大切なものでしたね。

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喫煙で遺伝子変異増加

メッキリ寒くなりましたね。本日は休日明けなので月曜日のような気がして、ブログを書いているのが変な気分です。

さて、日米英韓の研究チームが全世界5000人の癌患者の遺伝子データを解析し、タバコを多く・長く吸った人ほど遺伝子に突然変異が起きていると発表しました。

17種類のがん患者5243人を対象に調べたところ、様々な癌で遺伝子の突然変異が喫煙者で多く、最も多い肺癌では毎日20本を1年間吸うと約150個の突然変異が蓄積するとのことです。

通常、遺伝子の突然変異は自然に修復されるため、大量に蓄積することはないそうなので、タバコを吸い続けるのは恐ろしいことですね。

今回は、癌に焦点を当てての研究でしたが、循環器に関係の深い動脈硬化(生活習慣病)とタバコの関係はよく知られていますので、遺伝子を調べると大量の突然変異が・・・・・・・・

あるやもしれません。

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がん光治療

先週はお盆で本ブログも休みでしたが、皆さんいかがお過ごしでしたか?
まだまだ暑い日が続いていますが、体調管理をして乗り切りましょう。

さて、がん細胞を免疫の攻撃から守っている仕組みを壊し、がんを治す動物実験に成功したとの報告がなされたので、今回はそれについて書いてみたいと思います。

がん細胞は周囲に「抑制性T細胞」を集め免疫を弱めることにより、生体で増殖し続けるのだそうです。そこで小林久隆・米国立衛生研究所(NIH)主任研究員らの研究チームは、「抑制性T細胞」に結合する抗体に近赤外線に反応する物質を付け、がんを発生させたマウスに注射した後近赤外線を当てる実験をしました。

光を当てた10分後から化学反応により「抑制性T細胞」が大幅に減少し、がん細胞への免疫細胞攻撃が始まったため、約1日でがんが消滅したというのです。(すごいですね。)

さらに驚いたことには、一匹のネズミに複数箇所のがんを発症させた場合、どれか一カ所に光を当てると他のがんも縮小するというのです。がんを異物として認識したリンパ球が血流に乗って全身のがん細胞を攻撃しているのでしょう。

全身の「抑制性T細胞」を破壊してしまうと、「自己免疫反応」がおきてしまい障害が起こる可能性があるので、がん細胞の周りの「抑制性T細胞」だけを破壊する今回の方法は他の臓器をリンパ球が攻撃せず「自己免疫反応」を起こしにくい特徴があるのです。

また、光を当てた部分だけでなく全身でがんに対する免疫を活性化できるので、転移先のがん細胞を効率的に破壊できるようになるかもしれません。

医療は治る手助けをしますが、最後に頼るべきは自分の免疫力(生命力)!! ですね。

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がん検診が「陽性」だったら

先週は、休日でブログも休みでしたので2週間ぶりのお目見えです。連休の疲れで午前中からあくびの連発してませんか?

さて、今回はがん検診で「陽性」と判定された場合について書いてみたいと思います。

多くの人の場合、がん検診で「陽性」(癌の疑いあり)と診断されると多くの人は「自分は癌なんだ」と理解すると思いますが、がん検診で「陽性」と診断された人の中で「癌でない人」がどれ位含まれているのかご存じですか?

単にがん検診で「陽性」が出た場合では、癌が存在しない(!)確率はおおよそ99%になります。(詰まり癌がある確率はたったの1%なのです。)

「でもがん検診の感度が70−90%じゃないんですか?」との声が聞こえてきそうですね。

実はがん検診で「陽性」と判定される場合には二通りあるのです。

①実際に癌があって、健診で「陽性」とされる場合。
②実際に癌は無くて、健診で「陽性」とされる場合。

健診で70−90%と言われているのは①の場合のみを考えた時の数字なのです。①の場合何らかの症状や変化があることが多いので、そのような物があれば要注意です。

しかし、がん検診で「陽性」と判定される人の多くが②の場合になります。実際に胃癌のレントゲン検査では、①782人 ②39,953人の割合です。(胃癌の検診は比較的感度が高いといわれています。)

さらに、癌があるのにがん検診で「陰性」とされる場合もあり、がん検診は受ければ白黒ハッキリする類のものでは無いのです。

何か体調異常があった場合に、放置せず受診をすることが大切なのです。

 

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「忍者」ブランドと「アスピリン」

突然ですが愛知県が応募した「忍者募集」に、海外からの応募が殺到しているとの記事を見かけました。200件以上の応募の内、80%が海外からのものだったそうです。

オーディションの旅費が自己負担になるため、あきらめた人も多くおられた様ですが、海外での「忍者」ブランドは根強いものがあるなぁと再認識しました。

日本では、「忍者ハットリ君」や「忍たま」などのコミカルなイメージがあるのですが、海外では自己を鍛錬し困難を克服する「クール」な存在だそうです。

以前に読んだ海外のプログラミング教科書でも、「○○○Ninja(忍者)」というタイトルを付けて、初級の忍者が免許皆伝になる体で書かれていました。

「爆買い」も陰りが見えてきそうなので、「忍者」ブランドを活用すると大化けするかもしれませんね。

実は最近医療関係で、大化けしそうな物の一つが「アスピリン」なのです。

海外の大規模前向きコホート研究で13万6000人のデータ追跡の結果、アスピリンが消化管癌のリスクを8.5%低下させた可能性があると報告されたのです。

今後、よりエビデンスレベルの高い臨床研究や詳細な基礎研究が進めば、皆さんもお馴染みの「アスピリン」が、ビックブランドに大化けするかもしれません。

今後の研究成果に大いに期待したいものです。

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ピンクの姫路城

もう10月ですね。毎年思うのですが、お盆休みが終わったらあっという間ですね。
最近、気温の変化が大きくなったせいか、風邪で来院される方が増えています。お気をつけ下さい。
(喉の風邪とお腹にくる風邪が流行っているみたいです。)

さて、いにしえの松田聖子のヒット曲に「ピンクのモーツアルト」がありますが、今回のブログは「ピンクの姫路城」の話です。

ところで姫路城といえば「白亜の城」とか「白鷺城」との別名がついており、白い漆喰が目にまぶしいのが印象的です。加えて今年は平成の大修理を終えて、天守の瓦を止めている漆喰も真新しく白さがいっそう際立っています。

そんな姫路城がピンク色になったのは、ご存じの方も多いでしょうが、昨日10月1日から始まった「乳がん月間」に合わせて、乳がんの早期発見などの大切さを啓発する「ピンクリボン運動」にちなんだ取り組みだそうです。

もちろん城をピンク色に塗ったのではなくピンク色の光でライトアップしたのですが、映画館のスクリーンのように白い大改修直後の姫路城に、ピンク色が鮮烈に映し出されているのがネットの写真でもよく解ります。

来年には漆喰の色も幾分落ち着いてくるので、今年ほどの鮮烈さは望めないだろうなぁと一抹の寂しさを感じるのは歳のせいかもしれません。

この日は、京都の清水寺や東京スカイツリーもピンク色になったそうです。これらの運動を通して、乳がんで悲しむ人が一人でも減ってもらいたいものですね。

 

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検査値の正常値と異常値について(6): 癌マーカー

血液検査を行うときによく「癌のわかる検査もやってください。」と言われることがあります。当然、症状など疑わしい場合には積極的に行いますが、そうでない場合に説明に苦慮することがあります。多くの方が、「癌マーカーを見れば癌があるか無いか分かる。」と考えられているからだと思います。

ところで、最近新聞に書かれた「前立腺癌とPSA検査」についてご存じの方もおられると思います。

 

前立腺がん検査は推奨せず 米政府の作業部会 2011/10/08 12:22 【共同通信】)

【ワシントン共同】前立腺がんを見つけるためのPSA(前立腺特異抗原)検査が死亡率減少に役立つかどうかの検証を進めていた米政府の独立機関、予防医学作業部会は7日、健康な人が検査を受けることを推奨しないとする報告書案を発表した。  

同検査は、日本でもがん検診として実施している一方で、専門家の間でも推進するかどうか賛否が分かれており今後の議論に影響を与えそうだ。  PSA検査は前立腺の異常を示すタンパク質を血液で調べる検査法。作業部会の追跡調査で、検査を受けた人と受けなかった人を比較した場合、死亡率を減らす効果はないか、あってもごくわずかであることが分かった。

 

健康な人つまりリスクの少ない人が、PSA検査を受けても検査が正しい確率が大変低く、癌で亡くなる人を減らせなかったということです。直感には反するのですが、「検査値の正常値と異常値について(4)」で書いたインフルエンザの陽性率と同じ理屈になるわけです。

医療経済を何とか立て直そうとしている米国の発表であること、白人・黒人がメインの解析ですのでそのまま無批判に信じることは出来ませんが、専門家間でも議論になる程、複雑な問題のようです。私が上手に説明できないのも無理ないかなと記事を読みながら、胸をなで下ろしました。

 

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