カテゴリー別アーカイブ: 糖尿病

「糖尿病」の名称変更?

いきなりですが大変興味深い記事がネットに上がっていたので、紹介しますね。

「日本糖尿病協会は7日、「糖尿病」という名称の変更を検討する方針を明らかにした。患者の大半が不快感を抱いていることなどを踏まえたもので、今後1、2年のうちに新たな病名を提案したい考えだ。」

病名を新たにしても本質は変わらないのに・・・・と思ってしまうのですが、いかがでしょうか?

本質が変わらないのに名前だけ変えるのは、最近話題の某宗教団体を彷彿とさせますね。

名称変更するのなら、より病態の本質を明確にできる名前を付けてもらいたいものです。

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痩せは糖尿病のリスク?

1日の気温の変動が大きく、なんだか疲れ気味の方が多いようです。熱中症や「春ばて」にお気をつけくださいね。

さて、順天堂が医学の研究チームが意外な研究結果を発表しました。糖尿病=肥満というイメージがあるのですが、糖尿病の発症リスクは痩せている方が高く、特に痩せた50〜60代の女性で耐糖能異状(糖尿病の前段階)の割合が多かったとのことです。

痩せていると糖を蓄えることができる筋肉の量が少なくなり、高齢になって膵臓からのインスリン分泌が減ると、高血糖になりやすくなるというのです。

高齢女性には、骨粗鬆症の危険性も高いので、日頃から運動をして骨密度や筋肉量を保つことが大切ですね。

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血糖値スパイク2

最近テレビの健康番組でも取り上げられている「血糖値スパイク」、お聞きになった方も多いと思いますがいかがですしょうか?(以前にこのブログでも取り上げましたね。)

NHKのホームページでは、

『健康診断では「正常」なあなたの血液に、放置すると怖い“万病の種”が潜んでいる!?それは「血糖値スパイク」。いま日本人に急速に蔓延している可能性が明らかになってきた。』 (http://www.nhk.or.jp/special/kettouchi/より)

と衝撃的な説明が踊って言います。

「空腹時血糖は食事を食べず10時間経っても、膵臓が血糖値を下げることができていない状態なので、上昇し始めたら膵臓がかなり傷んでいると考えられるのです。」と診察でよく患者さんに説明します。

一方、「血糖値スパイク」は食後の急激な血糖値上昇ですので、空腹時血糖に先立って上昇すると考えられています。この「血糖値スパイク」を見つけることで、膵臓の痛みが少ない早期から糖尿病の治療が可能となり、重症化を防ぐことができるのです。

「血糖値スパイク」を見つけるためには何度も血糖値を測定する必要があり、これまでの方法では困難であったのですが、新しい血糖値測定センサーが開発され24時間1分ごとに血糖値を測定し15分ごとに記録することが可能となりました。

「血糖値スパイク」を知りたい方は、当医院にお問い合わせくださいね。

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新しい高血圧の定義

昨日・一昨日と厳しい寒さが続きましたが、今朝は何となく寒さが緩んでいる感じですね。

さて、米国心臓協会(AHA)と米国心臓病学会(ACC)が、高血圧のガイドラインを改定しました。

新しいガイドラインによると、これまでは最高血圧140mmHg/最低血圧90mmHg以上でステージ1の高血圧だったのですが、最高血圧130mmHg/最低血圧80mmHg以上で高血圧となり厳格化されています。

これに伴い、ステージ2(高度)の高血圧の基準も、最高血圧140mmHg/最低血圧90mmHgに変更されており、アメリカにおける高血圧の人の割合は32%から46%に上昇するようです。

最初にガイドラインを見たときには、「もしかして製薬会社の陰謀か?」と訝ったのですが、さにあらず新しいガイドラインでは、高血圧ステージ1の大部分の人には非薬物療法が推奨され、早期から高血圧を認識してライフスタイルの変更などの非薬物療法を行う重要性を強調していました。

新たらしいガイドラインが、「薬を飲んでいないから病気じゃない!大丈夫!」は見当外れだよという持論の後ろ盾になってくれているように感じるのは、我田引水でしょうかねぇ。

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スロージョギング

インフルエンザの流行で、学級閉鎖になる所がちらほらと出ている様で、十分な睡眠とうがい、手洗いでインフルエンザウィルスを寄せつけない様にしましょう。

さて、11月14日は「世界糖尿病デー」であることはご存知でしょうか?日本各地で青色の光(ブルーライト)が点灯され、糖尿病の予防や治療、療養の重要性を啓発しました。

JR東京駅の周辺では、近年糖尿病の予防や治療に効果が高いと注目されている「スロージョギング」のイベントが行われて、約100人が参加されたそうです。

当医院でも以前から「スロージョギング」ならぬ「早足歩行」を推奨しています。(ジョギングだと走るイメージがあり高齢者の膝に負担がかかるかもしれないと心配だからです。)

診察では「早足歩行」をするのに最適な場所を患者さんにお教えするのですが、今回は特別みなさんにお教えしますね。

「早足歩行」をするのに良い場所は「ショッピングモール」なのです。空調も効いていて、段差でつまづく危険も少なく、万が一気分が悪くなっても誰かに助けを求めることができるのです。ウィンドウショッピングを楽しみながら、移動は早足で30分から90分ほどが目安です。

そうそう、大切なことを書き忘れました。モールに「早足歩行」しに行くときには、財布とクレジットカードは家に置いていきましょう。(いらない買い物をしない様に・・・・・・)帰りの交通費を忘れずお持ちくださいね。

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緩い坂道のすごい効果

ここ数日間、日中は汗ばむような天気で本格的な夏に向けた前哨戦のようですね。

さて、興味ある研究発表がなされました。

(以下引用)

東京医科歯科大学の藤原武男教授らのグループは、愛知県知多半島に住む高齢者約8900人のデータをもとに、地域の坂道と住人の糖尿病リスクの関連を調べた。その結果、自宅近くにある坂道の平均傾斜が1.48度上がると、比較的症状が重い糖尿病になるリスクは18%低下することが分かった。

(ここまで)

そんなに緩い坂道で、糖尿病の重症化が18%も抑えられるのは、直感に反しますよね。沢山の「???」が外れない方は以前のブログ「体重増加」をお読みいただけると良いかもしれません。

実は我々人類の直感は瞬時の判断に優れているのですが、積みかさなりや統計的な判断は不得意なのです。(トラを前にして、襲われる確率は・・・・・と考えても生存には不利になるだけですよね。自然界では単純にすぐ逃げるほうが良いのです。)

ですので「チリも積もれば山となる」とか「門前の小僧習わぬお経を読む」などの言葉が直感に反しているので面白く(不思議に)感じるのでしょうね。

皆さんはどのように思われますか?

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ソーダ税

今週初めは夏日が続いていましたが、本日から最高気温も落ち着くようですね。10月も後半になってきて、北海道では例年より1週間以上早く雪が降ったそうです。秋を楽しむ余裕があるのかしらん。

さて、本日のブログは「ソーダ税」についてです。WHO(世界保健機構)が「糖分の多い飲料に課税を」するように呼びかけたそうです。課税すれば価格が上がり、糖分の過剰摂取による虫歯や肥満、糖尿病の予防になるというのだ。

コロンビア大学の試算によると、『アメリカ全土で10年間、糖分の多い飲料に約30ml(1オンス)当たり約1円(1セント)を課税するとしたら、計1兆7600億円(170億ドル)以上の医療費が削減でき、年1兆3500億円(130億ドル)の税収がある。』とのこと。

この動きを受けて、ペプシコーラが世界で販売する自社製の飲料に含む砂糖の量を減らすと発表したそうです。

個人の嗜好と医療費の増大の綱引きが世界的に始まっているようです。

(以前のブログ「スティックシュガー50本分」もご参照ください。)

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血糖値スパイク

今週に入ってメッキリ寒くなり、町中でも重ね着の人が多いですね。風邪で受診する人が増えていますので、健康管理お気を付けください。

今年のノーベル文学賞に歌手の「ボブデュラン」さんが選ばれましたね。文学賞と言えば小説などが選考対象だと思っていたのですが、詩歌も文学の一形態ですので今回の受賞もそれ程驚くことはないのかもしれませんね。

その内、ブログやSNSの書き込み(ネット小説等も含めて)にノーベル文学賞が授与されるかも・・・・・・・・・当ブログも選考対象に・・・・・・・・・ならないですね。

さて、NHKスペシャルで「血糖値スパイクが危ない 〜見えた!糖尿病・心筋梗塞の新対策〜」というプログラムを放映していました。現在NHKのホームページ(http://www.nhk.or.jp/special/kettouchi/check/)で血糖値スパイクのセルフチェックが出来るようです。血糖値スパイクは糖尿病・心筋梗塞だけでなく認知症にも影響があるとの内容でした。

番組では触れられていませんでしたが、血糖値スパイクの状況と原因を調べるのには当医院で行っている75g経口糖負荷試験(OGTT)を行うのが良いのです。血糖値だけでなく、膵臓のインスリン分泌を評価することが出来ます。

先ほどのセルフチェックで危険度が高かった方や親類に糖尿病のいる方はリスク評価のため是非に「75g経口糖負荷試験(OGTT)」をお受けください。(大阪から遠方の方は近くの医院・病院に相談してみてくださいね。)

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ピオグリタゾンで膀胱がんリスク上昇しない

糖尿病治療薬であるピオグリタゾンの使用と「膀胱がん」の発症に関連が認められるとの報道が、以前なされた事を覚えておられる方も多いかもしれません。

かかる報道をみて、「薬を代えて貰った」と言われる患者さんが全国的に少なからず居られたとお聞きしております。また、フランスでは投薬禁止の処置まで取られたと記憶しています。

論文発表後も様々な議論が続いているのですが、今回欧州のグループが31万人のデータを解析した所、「ピオグリタゾンと膀胱がんの関連」が認められなかったと発表しました。

発端となった論文を当時読んだのですが、結果のデータを見ても「ピオグリタゾンと膀胱がんの関連」を明らかにしておらず、どちらかと言えば「関連があるように解釈も出来る」程度ではないかと感じておりました。

これまで何度も「関連がない!」との報告がなされる度に、色々な理由でピオグリタゾンを使えなくなってしまった患者さんが被った不利益はどうなるのだろうかと思わざるを得ません。

論文が「真実を追究する」目的で発表されたものであれば救われるのですが、もしかして「大人の事情」が関わっているのではと疑ってしまうのは世間に毒されているのでしょうかねぇ。

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糖尿病患者は喪失歯が二倍

歯の喪失といえば、テレビCMでもお馴染みの「歯周病」がよく知られていますが、アメリカデューク大学の研究によれば、糖尿病も重大な原因になるとの事です。

この研究は、1971年~2012年までの40年にわたる米国民保健栄養調査のデータを解析したもので、糖尿病があると喪失歯の数が二倍になっていたそうです。1971年に比べ歯科衛生環境の改善で近年、喪失歯の数は減少傾向にあるのですが、糖尿病ではやはり二倍の喪失歯があるそうです。

この結果を受け、「脳血管疾患」「失明」「腎不全」などと並んで「歯の喪失」は糖尿病の「第六の合併症」として認識すべきで、糖尿病に歯科的なアプローチが必要不可欠ではないかと研究者らは警鐘を鳴らしています。

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