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DM net ONE学術講演会に参加して

久々の院長ブログです。本日は帝国ホテル大阪で開催された学術講演会に参加して勉強になった話題をご紹介します。
演者は大阪市立総合医療センター循環器内科の点野先生で、不整脈部門のリーダーと座長である同科の成子部長先生より紹介されました。若手でやり手のイケメン医師です。演題名は「心房細動診療の最近の話題」でした。近年増加傾向にある心房細動患者さんですが日本でも2050年には1人/100万人となるようです。心房細動は放置すると高率に大きな脳梗塞を引き起こしてしまうのできちんとした治療が必要です。点野先生の講演で興味深かったのは、従来の心房細動発症部位を熱で焼却する高周波アブレーションよりも有効性、安全性に優れたクラニオバルーンというカテーテル治療です。バルーンを用いて左右の肺静脈を拡張してマイナス40℃の液化亜酸化窒素で凍らせてしまうやり方です。施設間の成績格差も小さく理想的な治療と思われました。今年の10月から全国で使用可能になったようです。適応は発作性心房細動という初期の患者さんに限定されるため、早期発見が重要と言えます。たけ内科クリニックでもこの3ヶ月に10名の初発の心房細動患者さんが来られました。最も重要なのは脳梗塞を予防するための抗凝固療法ですが、症状が強い方、比較的お若い方にはこの治療がお勧めです。
比較的ご高齢の患者さんで、脈が飛んだり動悸を強く感じる方は、隠れている心房細動を見つけるため、一度24時間心電図をつけてみられてはいかがでしょうか?