復職支援(リワーク)(その41)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の41回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●リハビリ期の家族のサポート方法
リハビリ期の患者様は、少しずつ職場復帰に向けてリワークに向けてメンタルヘルス不調から回復の兆しが見えてきます。しかし、その反面、仕事のことが気になり始め、1日でも早く復職早くリワーク)しなければという焦りも生じてくるのです。そのため、些細なことで不安になったり、思うように進まないリワークプログラム復職支援プログラム)にイライラしたりと、気分的に不安定になってしまうことがよくあります。そんなときに一緒に寄り添って、安心感をもたらしてくれる家族の存在は大きなものになるのです。
焦りは禁物
メンタルヘルス不調が改善し、安定した日常生活が送れるようになってくるこの時期は、家族もホッと一安心し、職場復帰を急がせてリワークを急がせて)しまいがちです。長いトンネルの先に、一筋の光を見つけると、出口まで急ぎたくなってしまう気持ちもわかるのですが、この時期にきちんとしたリハビリを行い、メンタルヘルス不調を回復させておかなければ、再休業という長く険しいトンネルに逆戻りしてしまうことになります。もちろん、経済的に家族としては、早く職場復帰をしてもらいたい早くリワークをしてもらいたい)という事情があることはよくわかります。しかし、職場復帰をされるリワークをされる)方にとっては、このリハビリ期での数ヵ月が大切な時期になるので、焦らず、じっくりとこの時期を過ごせるようにサポートをしましょう。
■リハビリには家族のサポートが重要
リワークプログラムを1人で行う復職支援プログラムを1人で行う)にせよ、リワーク施設復職支援施設)のリワークプログラムに参加復職支援プログラムに参加)するにせよ、この時期は患者様のみならず、家族もメンタルヘルス不調から回復を実感することができ、自信が持てるようになります。
また、自分が本当にメンタルヘルス不調から回復しているのか不安なときに「最近、だいぶ元気になってきたね」という一言で安心する場合もあるでしょうし、逆に「少し疲れがたまっているのでは?」という一言がきっかけで適切なタイミングで休養を取ることができる場合もあり、家族の支えがポイントとなってくるのです。
特に、1人でリワークプログラムを行う場合1人で復職支援プログラムを行う場合)には、その日に家族の方が患者様のまとめた内容を一読したり、日記を患者様と一緒に振り返ってみたりと、リワークプログラムの評価復職支援プログラムの評価)に積極的に関与していただくと良いでしょう。それにより、患者様にも1人で職場復帰を目指すリワークを目指す)わけではないという安心感が芽生え、職場復帰にはプラスリワークにはプラス)の影響を及ぼすのです。
このリハビリ期においては、家族の方は健康だったときと同じように患者様に接することが好ましいとされています。患者様に遠慮して、必要な情報を伝えないことは、患者様の職場復帰患者様のリワーク)にはマイナスの材料となりますので、家族の方は自然体で接するように心がけましょう。
希死念慮には注意をする
この時期は職場復帰の段階リワークの段階)が近づいてくるので、それに伴い、職場に対する不安メンタルヘルス疾患の再発への恐怖が生じてきます。うつ病などメンタルヘルス疾患の場合には、最も重度なメンタルヘルス症状よりも少しずつメンタルヘルス不調から回復の兆しが見え始めるころに、自殺傾向が強くなると言われており、この時期に家族は自殺の徴候に注意をする必要があります。もし、心配な様子があれば、家族は緊急に主治医(精神科医・心療内科医)に相談する必要があります。
また、「死にたい」と本人が言うことがあれば責めることはせず、家族はどうしてそう思うのか、じっと聞いてあげることが大切で、「自殺だけはしない」ことを約束するようにしましょう。
『(家族が特に注意すべき自殺の徴候
■自殺をほのめかす        ■実際に自傷行為に及ぶ
■過度に危険な行為に及ぶ     ■アルコールの量が増える
■家族とも顔を合わせたがらない  ■身の回りを整理している
■いつも自分を責めて、マイナスのことばかりをいう        など
◎自殺の兆候が見られたときは……対処法のアドバイス
自殺の兆候が見られたときには、焦らずに対応することが重要です。まずはどうして自殺したいと思うのかを、本人が話し尽くすまで、じっくりと聞いてあげることが重要です。その中で、漠然と自殺をしたいと思っているのか、すでに自殺の方法を考えていたり、そのための具体的な準備をしているのかなども率直に聞いても良いでしょう。
もし、すでに具体的な自殺方法について考えたり準備をしている場合には、本人を1人にせず、できる限り早めにメンタルヘルス専門の医療機関に相談をするようにしましょう。主治医(精神科医師・心療内科医師)の診察の結果、入院治療が選択されることも少なくありません。また、うつ病などメンタルヘルス疾患の方は周囲の方との約束を律義に守るケースが多いので、単に「自殺は良くない」と説教染みたことを言うだけでなく、「私は自殺をしてほしくないと思っている」と自分のメッセージを伝えた上で、「自殺をしない」という約束をすることも有効です。』
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。






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