心療内科と心身症(その13)

皆様、こんばんは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科と心身症」の13回目です。引き続き、心療内科について詳しく触れたいと思います。
【続き→】人間には元々、環境などの変化に上手く適応できるよう、心身にストレスがかかるとダメージが一定の範囲を超えないように自動的に調整して心身を防御する仕組みが備わっています。ストレスがかかれば誰でもストレス反応が生じますが、その内容や程度は人それぞれ異なり、ストレスの受け止め方も当然異なります。ストレスによるダメージが一定の範囲を逸脱し、身体反応が病的に現れたものを心身症と呼びます。
心身症は、特定の症状をもつ疾患の名称ではなく、呼吸器系、消化器系、循環器系、内分泌代謝系、神経系、泌尿器系、皮膚系など、診療対象となる様々な身体疾患の中に含まれるものですから、具体的に心身症の割合がその内のどの程度になるかは、正確には分かっておりません。
しかし、例えば内科の場合は、受診患者様の少なくとも30%程度は、心身症として扱って治療を行わないと治癒しないと言われています。そして残りの70%のうち約半数程度は、心理的な治療を行うことで更に症状が軽くなる可能性があると言われています。
心理社会的ストレスによって病状が変化する、一般的な医学的治療を受けてもなかなか改善しない、などの特性を備えた心身症に対しては、一般的な内科的治療に加えてストレスを軽減し体の恒常性を回復させるための心身医学的な治療法が必要です。抗不安薬抗うつ薬、自律神経調整薬、漢方薬などを組み合わせて使いながら、ストレスの原因となる環境、対人関係、個人のパーソナリティーの問題、ストレスに対する感受性などを考慮に入れた治療法も行われます。
心療内科では『心理社会的要因より生じた心身症についてストレスと病気との心身相関を探り、その治療と対策、予防など人間のこころと体の関係について総合的治療を行う科』といえます。
以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。






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