日別アーカイブ: 2015年3月10日

メンタルヘルス対策(その8)

皆様、こんにちは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「メンタルヘルス対策」の8回目です。引き続き、メンタルヘルスについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】企業はメンタルヘルス対策として、何よりもまず顕在化しているメンタルヘルス不調者メンタルヘルスケアを優先すべきといえるが、メンタルヘルス不調になることを未然に防ぐことも大事です。この予防的なメンタルヘルスケアは時間がかかるうえに成果がすぐに目に見えるものではないため、これまではメンタルヘルス不調者に対するメンタルヘルスケアに留まる企業が多かったです。しかしここ最近は、メンタルヘルス不調者の対応に一段落ついた企業を中心として社内広報誌やWEBページなどを利用し、メンタルヘルスの基本的な知識を提供したり、管理監督者に対してリスクマネジメントの研修を行ったりするなどの教育活動を行うケースが増えています。また、ワークライフバランスの概念を普及させ、休日労働や有給休暇の取得を促したり、個人の働き方の多様性を認めたりしていこうとする動きも活発化してきました。
最近では、ストレスの高い環境でもある程度順応できるようになればメンタルヘルス不調に陥る確率を減らせるという見方から、ストレス耐性を高める教育プログラムを提供するメンタルヘルス事業者が登場しています。逆に、誰もがいきいきと仕事をし、働く意義や喜びを見いだせる職場環境が実現できれば、そもそもメンタルヘルス問題に取り組む必要性は少ないという観点から、活性化した職場環境を構築するための研究も始まっています。本来メンタルヘルス対策の根幹は「メンタルヘルス不調者を出さないようにする」ことです。そのためにも今後は、顕在化しているメンタルヘルス不調者メンタルヘルスケアに留まらず、働き方そのものを根本的に見直し、個人がストレスとのつき合い方を学ぶことに焦点を当てたメンタルヘルス対策を企業が行っていくことが重要になりそうです。
以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。