月別アーカイブ: 2015年4月

リワーク(復職)支援(その12)

皆様、こんにちは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク (復職)支援」の12回目です。引き続き、リワークについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】●フォローアップの終結
産業保健スタッフが、具体的にいつまで職場復帰後リワーク後)のフォローアップを継続するかは、本人側の事情および職場側の事情によって異なります。多くの例では、就業面の配慮が解除された時点が目安になろうが、本人側の事情として、①再発あるいは再燃の危険が高いと判断された場合、②過去に自殺未遂がみられたか希死念慮が高まったことがある場合、職場側の事情として①(メンタルヘルス不調に陥っていない労働者にとっても)過重労働を強いられる傾向がある場合、②上司や同僚の目が行き届きにくく本人のメンタルヘルス不調の発見が遅れる可能性が高い場合、③職場の再編などによって、本人にとって慣れない職場環境で慣れない業務に従事せざるを得ない場合などでは、フォローアップ期間を少し延ばすことが検討されてよいです。
一方で、産業保健スタッフによるフォローアップが継続している間は、周囲が意識していなくても、本人はまだ自分が以前と同様には見られていないという意識を持ちがちであり、そのためできるだけ早く就業面の配慮が解除になることを望む労働者も多いです。当該労働者が就業面の配慮の解除を訴えた場合、産業保健スタッフは、本人や上司とよく話し合い、訴えの背後に妥当でない焦りがないかどうかを見極めることが望まれます。そのためには、主治医と連絡をとり、意見を入手するのもよいでしょう。
以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


リワーク(復職)支援(その11)

皆様、こんにちは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク (復職)支援」の11回目です。引き続き、リワークについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】●主治医との連絡法
主治医への職場復帰前リワーク前)の情報提供および主治医に対する情報提供依頼は、通常書面を用いて、本人を介する、具体的には本人に受診時などに持参してもらうのが原則です。書面を本人に渡す際には、内容を見せてから封をすることも多いです。
職場復帰時リワーク時)に主治医に伝えたいことが、本人の職場での態度に周囲が迷惑している、業務遂行能力に関する本人の認識(自己評価)と職場の評価に大きな乖離があるなど、本人にその内容を知られると、本人と職場との信頼関係が悪化するような事項である場合には、この手続きが困難となります。家族や親族に事情を伝えて、協力を得るなどの工夫が必要です。
主治医との連絡では、主治医から意見を受け取るだけでなく、職場復帰に際しリワークに際し)、職場での本人の状況を主治医に対して情報提供する姿勢も求められます。主治医が診察室内だけでは得ることができない貴重な情報も伝えます。一例として、職場で本人が変にノリがよい、多弁傾向であるといった情報を伝えることで双極性障害Ⅱ型の軽躁状態が判明することがあげられます。
以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


リワーク(復職)支援(その10)

皆様、こんにちは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク (復職)支援」の10回目です。引き続き、リワークについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】■不明確・不適切な業務指示
当該労働者の上司が多忙であったり、出張などが多かったりするために、本人とあまり接触ができず、上司としてはできる限りの声かけや業務に関する指示を行っているつもりではあっても、本人が気後れして、悩みや困難を相談できずにいる例は少なくないです。そうした場合は、上司の代行役を指名することなどの工夫が望まれます。
■不十分な評価
業務の指示が丹念になされても、それを当該労働者が遂行できたかどうかの確認が確実に行われないと、職場復帰プランリワークプラン)の適切な見直しができないです。ひとまとまりの業務ごとに本人と上司がその結果や経緯を話し合うことに加え、上述した職場再適応支援チェックリストの類を用いることなどによって、総体的な業務遂行能力の回復状況を確認し合うのも有用です。
■「手のひらを返した」ような対応
上司によっては、職場復帰時リワーク時)および復職当初リワーク当初)は、手厚い業務の軽減や声かけなどを行うが、本人の業務遂行能力が予想したほど速やかに回復しなかったり、欠勤がみられたりすると、「これほど配慮をしているのに」といった感情から、急に冷淡な態度をみせる場合があります。職場を管理する立場の苦労を慮ると、理解ができないことではなく、また負担のかかっている当該労働者の同僚への配慮に起因しているのかもしれないが、そうした対応は決してよい結果をもたらさないです。
したがって、上述したように、メンタルヘルス不調の場合、骨折などと異なり、回復過程には波があり、個人差も大きいことを職場復帰時点リワーク時点)でよく確認しておくことが重要となります。
以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


リワーク(復職)支援(その9)

皆様、こんにちは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク (復職)支援」の9回目です。引き続き、リワークについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】●対応困難に関する留意点
職場復帰時期リワーク時期)を本人の希望、主治医の意見、職場の受け入れ準備状況等をもとに慎重に決め、就業面の配慮についても関係者の話し合いのもとに十分な吟味を行っても、順調に業務遂行能力が回復し、職場再適応が果たせる例ばかりではないです。どのような対応を行っても、症状の再発・再燃が繰り返される例、業務遂行能力が元と同等のレベルにまで回復しない例は存在します。しかし、目の前の事例が、それに該当すると決めつけることには十分に慎重になるべきです。少なくとも、以下の事柄については、当てはまらないかどうかを確認する必要があります。
■軽すぎる業務負荷
職場復帰時リワーク時)の打ち合わせにおいて、関係者の意思の疎通が十分でないと、極めて負荷の少ない業務が与えられることがあります。急激に業務負荷を高めるのが好ましくないことは自明であるが、長期にわたって負荷の軽い作業を続けさせると、当該労働者は、同僚の業務負荷との落差から、疎外感や焦りを強め、メンタルヘルス不調の再燃をきたす可能性があります。
■生活リズムを崩すような業務制限
前項でも論じたように、職場復帰のタイミングリワークのタイミング)は、症状が軽減しただけでなく、生活リズムが安定して、通常の出勤時間に間に合うように起床し、日中のまとまった時間何らかの作業を行うことができる段階にあることを必要条件にするのが一般的であるが、職場復帰後リワーク後)もこれを継続するのを後押しするような配慮が望まれます。
すなわち、決められた出勤時間に遅刻しがちになった場合には、それを容認し続けるのではなく、そのような状態になっている理由を本人から聴き取り、業務内容の見直し等、可能な範囲で調整を行うのです。
職場復帰当初リワーク当初)は定時出勤であり、本人がフレックスタイムの活用を希望する場合にも、それを素通しさせるのではなく、開始時期について、主治医も含めた関係者での話し合いを持ちたいものです。前項で述べたように、一般に、フレックスタイムへの移行は、職場復帰プランリワークプラン)で設定した業務遂行能力の回復レベルに到達し、さらに勤務状況が十分に安定したと考えられる時点にするのが無難です。
以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


リワーク(復職)支援(その8)

皆様、こんにちは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク (復職)支援」の8回目です。引き続き、リワークについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】●外部機関との連携
精神疾患の場合、症状が軽減した後も、再発や再燃の防止のため、薬物療法を中心とした治療が長期にわたって行われることが多いです。1年以上であることも少なくないです。
産業保健スタッフは、当該労働者の職場復帰後リワーク後)も、主治医との連携を続け、治療状況を確認するとともに、職場における当該労働者の働きぶり、再適応状況等を報告します。自殺未遂の既往がある例では、とくに重要です。
前項で取り上げたリワーク事業職場復帰支援事業)を行っている機関の中には、職場復帰後も土曜日等に参加リワーク後も土曜日等に参加)できるリワーク・プログラム職場復帰支援プログラム)を開設しているところがあるので、リワーク・プログラムの活用職場復帰支援プログラムの活用)を促すのもよいでしょう。
以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


リワーク(復職)支援(その7)

皆様、こんにちは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク (復職)支援」の7回目です。引き続き、リワークについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】●使用できるツール―「職場再適応支援チェックリスト」
職場復帰後のフォローアップリワーク後のフォローアップ)に活用できるツールとして、「職場再適応支援チェックリスト」があります。
■構成と使用法
本チェックリストは、労働者(本人)向け項目と管理監督者(上司)向け項目からなっており、双方に含まれる項目が大半を占めています。
本チェックリストは、職場復帰時リワーク時)および職場復帰後リワーク後)に、本人、上司、産業保健スタッフ(産業医、産業看護職など)が、現在の本人の状況(主として業務遂行能力の回復度)を確認して、その後の就業面の配慮、本人がどのような点に注意し、どのような仕事に従事するかを話し合う際の、参考資料として活用されることを意図しています。
事前に、本人および上司に配布し、話し合いの席に、記入済みの用紙を持ち寄って、両者の一致している点を確認するとともに、ずれがある(たとえば、本人はできているのに、上司は不十分であると判断している)点について、産業保健スタッフの立会いのもとに問題点を率直に話し合うという使用法を標準とします。
「全職種共通」項目と「職種別」項目をあわせて使用します。(たとえば、営業職であれば、「全職種共通」と「営業職」の項目を同時に実施する)
■使用にあたっての留意点
本チェックリストには、目安として、復職後の期間リワーク後の期間)(復職時復職後1ヵ月リワーク後1ヵ月)、復職後3ヵ月リワーク後3ヵ月)、復職後6ヵ月リワーク後6ヵ月))が記されているが、それぞれの時点で、該当項目が達成されているべきであるということではないです。達成時期は、メンタルヘルス不調の種類、職場復帰時の状態リワーク時の状態)(どのくらいの回復レベルで職場復帰するリワークする)か)、治療薬の副作用、職務内容、職場環境等によって異なってきます。したがって、本チェックリストを復職後の業務リワーク後の業務)に関する成績表の類として用いるのは誤りであり、厳禁です。
以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


リワーク(復職)支援(その6)

皆様、こんにちは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク (復職)支援」の6回目です。引き続き、リワークについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】●具体的なフォローの進め方
職場復帰時リワーク時)に想定した職場復帰プランリワークプラン)が順調に進んでいるかどうかを確認し、それが困難となっていれば、原因や問題点を明らかにして、再度職場復帰プランを見直すリワークプランを見直す)作業が中心となります。
前項で示したように、精神疾患の中には、再発を繰り返すほど、次の再発が生じやすくなる病態があること、欠勤を重ねるほど、たとえそれが健康障害によるものであると了解されていたとしても、職場の信頼は損なわれていくことなどから、できるだけきめの細かい職場復帰支援リワーク支援)が望まれるところです。
この場合の職場復帰支援この場合のリワーク支援)は、実施する職種から三つに分けることができます(職場復帰後リワーク後)のフォローにおける支援)。
■上司(同僚)の支援
職場復帰プランに沿ってリワークプランに沿って)、職務に関する指示を出し、その成果を評価します。最近、多くの中間管理職はプレイングマネージャー化して多様な職務を抱え、部下管理に十分な時間を割く余裕がない状況にあることが指摘されるが、この過程を丁寧に行うことは非常に重要です。上司には、職場復帰の際リワークの際)に、その旨をよく理解してもらっておく必要があります。
■産業保健スタッフ(産業医、看護職)の支援
当該労働者の病状の再発や再燃の有無を確認します。また、労働者のストレス状況を評価し、職場復帰プランが順調リワークプランが順調)に進んでいるかどうかをモニターします。随時、主治医と連携をとり、必要に応じて職場復帰プランの軌道修正リワークプランの軌道修正)や見直しを提言する役割も担います。さらに、当該労働者のみならず、本人を受け入れている職場の関係者、特に上司と接する場を持って、彼らのストレス状況を確認し、労いやストレス軽減に向けた助言を行うことも非常に重要です。
■人事労務管理スタッフの支援
産業保健スタッフと同様に、人事労務管理部門からも、本人、上司への職場復帰支援を継続リワーク支援を継続)します。職場復帰プランの策定リワークプランの策定)に引き続き関与し、必要によっては、人事関連の就業規則類の適用に関する説明の実施や適正配置のための人事異動の検討も行います。
特に、当該労働者がメンタルヘルス不調に陥り休業に至った明らかな要因が職場に見つからない場合には、上司や同僚の職場復帰支援活動リワーク支援活動)を、当該部署の成績に加味するなどの報酬面の配慮が考慮されてよいです。
以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


リワーク(復職)支援(その5)

皆様、こんばんは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク (復職)支援」の5回目です。引き続き、リワークについて詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖職場復帰後リワーク後)のフォローアップ〗
●基本的な考え方
職場復帰支援リワーク支援)は、この段階が首尾よく行われて完了したことになります。職場復帰後のフォローアップリワーク後のフォローアップ)の目的は、当該労働者が病状の再発や再燃をきたさずに、あるいはそれがみとめられても、早期の適切な対応によりその職務遂行能力を順調に高め、職場再適応を果たすのを支援するところにあります。真の意味で職場再適応を果たすとは、就業制限が解除されるとか、目の前の職務を無難にこなすといったことだけではなく、上司や同僚に(いわゆるお客様扱いではなく)全く気兼ねなく仕事内外の交流ができると感じさせ、自らはある程度将来の見通しが立てられるような状態になることと考えられます。もっとも、後遺障害を残すような例では、そこにまで至ることはできないかもしれないが、その場合でも、状態が安定して、周囲が安心して(軽作業であっても)仕事を任せられるところを終了点と設定したいです。
また、こうした職場復帰後の特別な対応リワーク後の特別な対応)の後も、産業保健スタッフには、健康診断時等の機会に職場適応の持続状況を見守っていくことが望まれます。
以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


リワークプログラム(その17)

皆様、こんにちは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワークプログラム」の17回目です。引き続き、リワークプログラム(職場復帰支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】■退職後、再就職に向けて使うことのできる社会資源
以下の社会資源はリワークプログラム対象者職場復帰支援プログラム対象者)の状況により利用方法が異なる場合があります。以下に各社会資源の概要を解説するが、詳細は管轄機関への問い合わせなどが必要です。
①失業手当:雇用保険の被保険者だったリワークプログラム対象者が退職職場復帰支援プログラム対象者が退職)し、働く意思と能力がありながら再就職できない場合に、失業中(就職活動中)の生活を保障し、新しい仕事を探すことを支援するために支給されるものです。一般には「会社を辞めたときに、もらえる手当」というイメージがあるが、退職した人のすべてが受給できるのではなく、受給するためにはさまざまな条件があります。基本手当の支給を受けることができる日数は、離職の日における年齢、雇用保険の被保険者であった期間、離職の理由などによって決定され、90日~360日の間でそれぞれ決められています。
雇用保険には失業手当以外にも再就職に向けた取り組みが準備されており、目的に応じて管轄のハローワークに問い合わせることで情報を得ることができます。
②ハローワーク・障害者専門窓口:就職を希望する障害者に対し、職業相談、仕事の紹介、また、就職後も仕事上の心配事や課題についての相談を行っています。ここで行われる就労に向けた施策として、職業訓練、ジョブコーチ制度、障害者トライアル雇用、精神障害者ステップアップ雇用などがあります。
③地域障害者職業センター:就職を目指す障害者への相談、リワークプログラム対象者の希望職場復帰支援プログラム対象者の希望)や職業評価の結果をふまえて、それぞれにあった職業リハビリテーション計画を策定しています。必要に応じて職業訓練を受けることもできます。
④就業・生活支援センター:病気や障害のある方が、身近な地域での就職・職場定着したいという希望に沿って相談やそのために必要な支援を行う機関です。職場定着支援、就業に伴う生活支援、関係機関との連絡調整、事業主への支援などを行っています。
⑤就労移行支援事業:一般就労を希望する65歳未満の障害者で、知識・能力の向上、実習、職場探しなどを通じ、適正に合った職場への就労等を見込まれる人に対し、事業所内における作業訓練や職場実習、就職後の職場定着に支援などを行います。利用制限があり、原則2年以内となっています。
⑥就労継続支援事業:一般企業に雇用されることが困難な障害者に対し、就労や生産活動の機会を提供するとともに、その知識・能力の向上のために必要な支援を行う事業です。この事業には、利用者が事業所と雇用契約を結ぶ「A型」と、雇用契約を結ばない「B型」があります。いずれも利用料が必要で期間についての制限はないです。
A型:雇用契約にもとづいており、社会保険などを整備している事業所もあります。一般就労への移行に向けて支援する事業体としての機能ももっています。
B型:年齢や体力面で一般就労が難しい人などが対象です。
以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


リワークプログラム(その16)

皆様、こんにちは。心療内科 精神科千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワークプログラム」の16回目です。引き続き、リワークプログラム(職場復帰支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】■再就職までのプロセス
就職活動の内容についてはさまざまであるが、病状がある程度安定した段階でスタートとなります。経済的問題は大きなストレスであり、症状への影響も大きいです。このため、焦燥感から就職を急ぐことにつながらないよう注意が必要です。
働きたい、という意思が確認できたら仕事に備えての体力作り、生活リズムの構築を図りながら就労スタイルの選択をしていきます。病気や障害を開示するのか、あるいは非開示で行うのか、また、以下に紹介するような福祉的援助を受けるのか、自分のソーシャルネットワークを利用して独自に探すのかなど仕事を探し始めるスタートもさまざまにあります。それぞれにメリット・デメリットがあり、どのスタイルがリワークプログラム対象者職場復帰支援プログラム対象者)にとって利があるのか十分な検討が必要です。
スタートラインが決定すれば、当面利用する社会資源に応じてスケジュールを立てていくこととなります。就労に向けた取り組みを始めると、それまでの療養生活とは異なりさまざまな自己決定を求められるようになります。また、社会資源を活用する場合、普段馴染みのない用語や手続きが出てくることも多いです。このため、情報が入力、処理されやすいよう検討用の資料を工夫するなど、精神機能面からの補助を行うことも必要です。このような資料を間に置くことでソーシャルワーカーをはじめとする他職種、他機関とリワークプログラム対象者が話し合い職場復帰支援プログラム対象者が話し合い)やすくなるとともに、スタッフ間の連携サポートにもつながります。
以上、心療内科千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。