日別アーカイブ: 2015年12月14日

心療内科と心身相関(その5)

心療内科 精神科大阪府 豊中市千里中央駅千里ニュータウン医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「心療内科と心身相関」の5回目です。引き続き、心療内科について詳しく触れたいと思います。
【続き→】こころと身体が互いに密接な関係にあって、こころの動き(情動)は何らかの身体的変化を引き起こし、また逆に、身体的変化(痛みなど)は何らかの心理的変化(心理的反応)を引き起こす現象を心身相関(mind-body correlation)といいます。また、心身交互作用という用語もあり、これは心身症の持続、増悪のメカニズムの一つとしてあげられています。たまたま心身の状態がよくない時に出現し、特別の条件が加わらなければ消失していくはずの身体症状(たとえば頭痛や肩こり)、あるいはそれほどひどくなることもなく経過するはずの身体症状にとらわれて、注意の集中がおこり、その身体部位の感覚が鋭敏となり、機能も亢進し、その結果、その身体症状をより強く感じてさらにとらわれ、注意の集中がおこるという悪循環が形成され、身体症状の持続、増悪がみられます。
心身相関のメカニズムとしては、内的・外的刺激によって大脳辺縁系で引き起こされた欲求や情動が大脳新皮質の働きにより適切に処理されないと、それより下位の視床下部に影響が及び、自律神経系および内分泌系に変調をきたし、さまざまな身体症状が出現するという過程や条件づけにより出現するというメカニズムが考えられています。そして、一般に心身相関の把握は、生活史と症状の時間的な関連性が認められること、ストレス負荷によって症状を誘発できること、治療経過のなかで医師・患者関係のあり方や対人関係の障害によって病状の変化が認められること、および心身医学的な治療によって症状の改善がみられることなどに基づいて判断されます。また、最近は精神神経内分泌免疫学(psycho-neuro-endocrino-immunology)の急速な進歩により多くの知見が得られています。
以上、心療内科豊中市千里中央駅直結千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。