心療内科 精神科、大阪府 豊中市・千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワークプログラム」の33回目です。引き続き、リワークプログラム(職場復帰支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●管理監督者
管理監督者は、職場におけるメンタルヘルス活動のキーパーソンです。日常的に個々の労働者の状態を把握し、メンタルヘルス不調に早期に気づき、早期に対応することが求められています。また、個人のメンタルヘルスだけでなく、組織としてのメンタルヘルス向上を推進することも必要です。職場復帰支援(リワーク支援)においても、事業場内産業保健スタッフ等や人事労務管理スタッフと協力しながら職場における業務や業務環境上の問題点を把握し、それらの改善を図ることで業務上の配慮を履行します。ストレス要因のなかでも仕事の量や質的問題に並んで人間関係の問題も多く、特に労働者本人と管理監督者自身との人間関係の問題も少なくはないです。その場合は、人事労務管理スタッフや産業保健スタッフ等が中心となり、管理監督者の上司の協力を得るなどして対応することが望ましいです。
●人事労務管理スタッフ
職場復帰支援をするなか(リワーク支援をするなか)でも、組織としての規則に則って問題解決を遂行し、会社としての意思決定を行わなければならない場合もあります。人事労務管理スタッフは、会社のメンタルヘルス活動を遂行するうえで非常に重要な役割を担います。人事労務管理上の問題点を把握し、職場復帰支援に必要な(リワーク支援に必要な)労働条件の改善や、配置転換、異動等についての配慮を行います。職場復帰支援においては、産業医等(リワーク支援においては、産業医等)、他の事業場内産業保健スタッフ等と連携しながら職場復帰の手続き(リワークの手続き)が円滑に進むよう調整を行います。
以上、心療内科、豊中市・千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
月別アーカイブ: 2016年2月
リワークプログラム(その32)
心療内科 精神科、大阪府 豊中市・千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワークプログラム」の32回目です。引き続き、リワークプログラム(職場復帰支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●<第5ステップ>職場復帰後(リワーク後)のフォローアップ
メンタルヘルス不調にはさまざまな要因が複雑に重なり合っていることが多いため、職場復帰の可否(リワークの可否)の判断や職場復帰支援(リワーク支援)プランの作成には多くの不確定要素が含まれることが少なくないです。また、たとえ周到に職場復帰の準備(リワークの準備)を行ったとしても、実際にはさまざまな事情から当初の計画通りに職場復帰(リワーク)が進まないこともあります。そのため職場復帰支援において(リワーク支援において)は、職場復帰後の経過観察(リワーク後の経過観察)と臨機応変にリワークプランの見直しを行うことがより重要となってきます。
日常的に本人を観察できる管理監督者の役割は非常に重要です。しかし、労働者本人は表面的には適応しているように見えても実際にはかなり疲弊していることもあり、特に自分を評価する側である管理監督者に対してはメンタルヘルス不調を隠すことも多いです。そのためにも、事業場内産業保健スタッフ等は定期的に復職後のフォローアップ(リワーク後のフォローアップ)を実施し、労働者および職場の状況を労働者本人および管理監督者から話を聞き、適宜職場復帰支援プラン(リワーク支援プラン)の評価や見直しを行っていかなければならないです。労働者は管理監督者の前では「できない」などとは言いにくかったり、管理監督者も労働者本人の前では病状を懸念して業務遂行状態を正直に産業医等に伝えることができなかったりするため、それぞれ個別に話を聞く機会を設けたほうがより望ましいです。
◎症状の再燃・再発、新しい問題の発生等の有無の確認
復職後のフォローアップにおいて(リワーク後のフォローアップにおいて)は、症状の再燃・再発についての早期の気づきと迅速な対応が不可欠です。事業場内産業保健スタッフ等は管理監督者と連携しながら労働者の状態の変化について適切なタイミングで対応できるよう日頃から連携を図っておく必要があります。
◎勤務状況および業務遂行能力の評価
職場復帰の様子(リワークの様子)を評価するのに重要な視点であり、労働者の意見だけでなく管理監督者からの意見も合わせて客観的な評価を行う必要があります。
◎職場復帰支援プランの実施(リワーク支援プランの実施)状況の確認
職場復帰支援プランが計画通り(リワーク支援プランが計画通り)に実施されているかについての確認を行います。予定通り実施されていない場合には、リワーク関係者間で再調整を図る必要があります。
◎治療状況の確認
通院状況や治療の自己中断等のチェック、現在の病状や今後の見通しについての主治医の意見を労働者から聞き、必要に応じて労働者の同意を得たうえで主治医との情報交換を行います。
◎職場復帰支援プランの評価(リワーク支援プランの評価)と見直し
さまざまな視点から現行の職場復帰支援プランについて(リワーク支援プランについて)の評価を行います。何らかの問題が生じた場合には、リワーク関係者間で連携しながら臨機応変にリワークプランの変更を行う必要があります。
以上、心療内科、豊中市・千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
「千里中央駅」の魅力(その3)
心療内科 精神科、大阪府 豊中市・千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は『「千里中央駅」の魅力』の3回目です。引き続き、千里中央について詳しく触れたいと思います。
【続き→】さて、千里中央駅ナカを中心にご紹介しましたが、今度は千里中央駅から少し歩いてみたいと思います。
千里中央駅を北側に行くと新千里北町、新千里東町という千里ニュータウンが現れます。
千里中央駅を少し離れると閑静な住宅街となり、古い団地も数多く存在します。
散策してみるとノスタルジックな情景を体験することができますが、それでいて緑が多く、千里中央駅から歩いてすぐ森のような公園(千里中央公園、千里東町公園)を散歩することが出来ます。
緑が多く、木漏れ日のトンネルが長く続きます。休日のウォーキングはもちろんですが、新千里東町に住んでいる方の人通りもそれなりにあり、物騒な感じはありません。
千里中央駅を南側に行くと、高速道路を橋で挟んで上新田地区という場所に抜けます。
上新田は現在都市開発としてマンション建設が盛んで、大きなマンションが立ち並んでいます。
子供連れが多く、上新田天神社の横に新しくできた公園では、小学校が終わる午後は子供がよく遊んでいます。
開けた公園なので人の目も多く、安心して遊ばせることが出来ると思います。
上新田天神社は古くからある天神さんで、千里の天神さんとも呼ばれます。
神社自体は小さいのですが、初詣時は多くの参拝客で賑わいます。定期的に骨董市なども開かれているようです。
■千里中央駅の物価と家賃相場
以上のような点から生活に困らず、梅田に出るにも始発駅なので大変人気です。
実質転勤族の方や新婚さんで新しく千里中央に居を構える方も多いようです。
物価としては標準か、やや高めになっています。ドラッグストアなどは安いので、ものによるかと思います。
家賃相場は千里中央駅周辺は新築マンションが立ち並び、購入される方が多いですが3LDKで3000万円からとなっており、いずれも高めですが地域として資産価値も落ちない地域のようです。
中古マンションだと1800万円から出ているときもあり、千里中央駅から離れるにつれて少し下がります。
坂が多い地域なので電動自転車を駆使されている方も多いですが、決して千里中央駅前だけ栄えているわけではありません。
戸建て物件はほとんど出てきません。
賃貸ですと築年数が浅くて2LDK約10万円からで、築年数が古いと約7万円からとなっており、ある程度値段のニ分化がされているようです。
以上、心療内科、豊中市・千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
「千里中央駅」の魅力(その2)
心療内科 精神科、大阪府 豊中市・千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は『「千里中央駅」の魅力』の2回目です。引き続き、千里中央について詳しく触れたいと思います。
【続き→】大阪府豊中市にある北大阪急行線の千里中央駅は、大阪の大動脈といわれる御堂筋線の延長上にある終点駅になります。
大阪万博当時に千里ニュータウンとしてまちびらきの歴史が造られましたが、今もなお活気のある街並みとなっています。
■豊中市の千里中央駅の治安やまちの情景
まず治安については間違いなく良い方だといえると思います。
千里中央駅中の商業施設では譲り合いの精神があり、ベビーカーでの子供連れやお年寄りがいると周りの方がドアを開けてくれる光景を目にします。
ほどよく若年層と高齢層がいる地域であり、不審者等がうろついたりという情報はあまり聞きません。
土日は千里セルシー広場で催し物が多い頻度で開催されるため、人が多く集まり活気があります。
また千里セルシー広場の階段を上ったところでは九州や四国の物産展がよく開催されているので、屋台などでご当地グルメを楽しむことが出来ます。
スーパーについては、北大阪急行線千里中央駅南側にはダイエーグルメシティが、北大阪急行線千里中央駅北側には阪急オアシスがあります。
お値打ち品についてはダイエーで、ちょっとこだわりたい時には阪急オアシスでと使い分けたお買い物ができます。
それぞれ品揃えも良いですが、程よい通路でそれほど混雑せず買い物を楽しむことが出来ます。
また、スーパー以外にコンビニも多くあります。大手のローソン、セブンイレブン、ファミリーマートすべてそろっています。
銀行もメインバンクは千里中央駅周辺にすべてと言っていいほどそろっており、お金の管理も安心です。
以上、心療内科、豊中市・千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
「千里中央駅」の魅力(その1)
心療内科 精神科、大阪府 豊中市・千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回から『「千里中央駅」の魅力』というタイトルで、千里中央について詳しく触れたいと思います。
大阪府豊中市にある「千里中央駅」とは、北大阪急行電鉄南北線と大阪高速鉄道大阪モノレール線の駅であり、千里ニュータウンの中心駅でもあります。大阪では「せんちゅう」と略して呼ばれています。ここでは、「千里中央駅」の魅力についてご紹介します。
■千里中央駅の魅力
千里中央駅から所要時間は15分以内で、大阪国際空港や新大阪駅へ乗り換えなしで行くことができます。また、梅田や淀屋橋、難波、天王寺エリアへ行けるなど交通の便は大変良いです。千里中央駅メロディーは、接近メロディーとして「フニクラ・フニクラ」、到着列車の冒頭音楽として「埴生の宿」の一節が流れます。また、発車案内放送前には季節ごとに4種類の異なる曲の一節が流れます。千里中央駅は「第2回近畿の駅百選」にも選ばれています。千里中央駅周辺は千里ニュータウンの中心地として開発が進められた場所であり、戦後経済復興の中心的な役割を担いました。千里ニュータウン、豊中市にとっての最大のショッピングセンターであり現在でも開発が進められています。
■千里中央駅周辺の見どころ
●太陽の塔
万博記念公園にある太陽の塔は、芸術家の岡本太郎がデザインした建造物です。1970年に開催された日本万国博覧会のシンボルゾーンに造られた芸術作品で、岡本太郎の代表作の一つでもあります。塔の頂部は金色に輝いており、未来を象徴する「黄金の顔」、現在を象徴する正面の「太陽の顔」、過去を象徴する背面の「黒い太陽」という3つの顔があります。内部は空洞で万国博覧会当時は展示空間でしたが、現在は公開していません。
●みんぱく
みんぱくとは国立民族学博物館のことで、創設39年を迎えました。世界の民族や社会、文化などを研究対象とし、文化人類学と民族学、関連分野の基礎的・理論的研究を行っています。館内では展示や出版、イベントなどを開催しており様々な民族について知識を深めることができます。
●パビリオン
万博記念公園にあるEXPO’70パビリオンは、日本万国博覧会の出展施設であった鉄鋼館を利用して、パビリオン型の模型や万博にまつわる展示が行われています。約2,000平方メートルの展示面積に約3,000点が展示されています。
以上、心療内科、豊中市・千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
リワークプログラム(その31)
心療内科 精神科、大阪府 豊中市・千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワークプログラム」の31回目です。引き続き、リワークプログラム(職場復帰支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●<第4ステップ>最終的な職場復帰(リワーク)の決定
職場復帰の可否(リワークの可否)についての判断および職場復帰支援(リワーク支援)プランの作成を経て、事業者による最終的な職場復帰の決定(リワークの決定)を行います。最終的な復職判定(リワーク判定)は、産業医の助言のもとに人事労務管理スタッフが総合的に行うが、人事労務担当者によっては理解や対応が異なることもあり、問題事例に対しては委員会形式にするなどの工夫も必要かもしれないです。職場復帰に関する(リワークに関する)判定委員会(いわゆる復職判定委員会(リワーク判定委員会)等)が設置されている場合には、職場復帰支援の手続き(リワーク支援の手続き)を組織的に行える等の利点があるが、復職判定委員会決議(リワーク判定委員会決議)についての責任の所在の明確化、迅速な復職判定委員会開催(リワーク判定委員会開催)のための工夫、身体疾患における復職判定手続き(リワーク判定手続き)と異なることについての問題点等について十分に検討しておく必要があります。
最終的な職場復帰の決定(最終的なリワークの決定)のための確認事項をあげます。
①労働者の状態の最終確認。
②産業医による就業上の措置等に関する意見書(「職場復帰に関する(リワークに関する)意見書」等)の作成。
③事業者による最終的な職場復帰の決定(事業者による最終的なリワークの決定)
上記「職場復帰に関する意見書(リワークに関する意見書)」等で示された内容について管理監督者、人事労務管理スタッフの確認を経たうえで、事業者は最終的な職場復帰の決定(事業者は最終的なリワークの決定)を行い、労働者に対して通知するとともに、就業上の措置の内容についても併せて通知します。管理監督者、事業場内産業保健スタッフ等は、「職場復帰に関する意見書」等(「リワークに関する意見書」等)の写しを保管し、その内容を確認しながらそれぞれが責任をもって遂行するよう努めなければならないです。なお、職場復帰支援として実施(リワーク支援として実施)する就業上の措置は、当該労働者の健康を保持し、円滑な職場復帰を目的(リワークを目的)とするものであるので、職場復帰の目的に必要(リワークの目的に必要)な内容を超えた措置を講ずるべきではないです。
④その他
職場復帰について(リワークについて)の事業場の対応や就業上の措置の内容等については、労働者本人を通じて主治医に的確に伝わることが望ましいです。書面による場合は「職場復帰および就業措置(リワークおよび就業措置)に関する情報提供書」等の書面を利用するとよいです。こういった情報交換は、産業医等が主治医と連携を図りながら職場復帰後(リワーク後)のフォローアップをスムーズに行うために大切なポイントです。
以上、心療内科、豊中市・千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
リワークプログラム(その30)
心療内科 精神科、大阪府 豊中市・千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワークプログラム」の30回目です。引き続き、リワークプログラム(職場復帰支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】■その他
疾病による休業は、多くの労働者にとって働くことの自信を失わせる出来事です。必要以上に自信を失った状態での職場復帰(リワーク)は、健康および就業能力の回復に好ましくない影響を与える可能性が高いため、周囲からの適切な心理的復職支援(リワーク支援)が大切となります。特に管理監督者は、労働者の焦りや不安に対して耳を傾け、健康の回復を優先するよう努め、何らかの問題が生じた場合には早めに相談するよう労働者に伝え、事業場内産業保健スタッフ等と相談しながら適切な復職支援を行っていく(リワーク支援を行っていく)必要があります。
また、事業者はこれらの復職支援体制(リワーク支援体制)がうまく機能できるよう職場復帰支援する(リワーク支援する)必要があります。策定された事業場職場復帰支援プログラム(策定された事業場リワークプログラム)が、事業場の実態に即した形で実施されるよう社内の規程および復職支援体制の整備(リワーク支援体制の整備)を図らなければならないです。また、事業場職場復帰支援プログラム(事業場リワークプログラム)が労働者および管理監督者、事業場内産業保健スタッフ等に十分周知されるよう必要な教育を実施する必要があります。外部EAP(従業員支援プログラム)などと契約している場合には、外部EAPが提供する復職支援(外部EAPが提供するリワーク支援)についても利用に関する情報提供を労働者全員に周知しておくことなどが必要です。
職場復帰支援における(リワーク支援における)専門的な助言や指導が事業場内で得られない場合には、それぞれの役割に応じた事業場外資源を活用することが望ましいです。中小規模事業場等で、専門的な人材の確保が困難な場合は、地域産業保健センター、都道府県産業保健推進センター、中央労働災害防止協会、労災病院勤労者メンタルヘルスセンター、精神保健福祉センター等の事業場外資源の復職支援を受ける(リワーク支援を受ける)等、事業場外リワークプログラムの活用を図ることが有効です。特に50人未満の小規模事業場では、事業場内に十分な人材が確保できない場合が多いことから、必要に応じ、地域産業保健センター、労災病院勤労者メンタルヘルスセンター等の事業場外資源を活用することが有効であり、衛生推進者または安全衛生推進者は、事業場内の窓口としての役割を果たすよう努めることが必要となります。
以上、心療内科、豊中市・千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
リワークプログラム(その29)
心療内科 精神科、大阪府 豊中市・千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワークプログラム」の29回目です。引き続き、リワークプログラム(職場復帰支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】■産業医等による医学的見地からみた意見
産業医の役割として、会社としての安全健康配慮義務への助言を行う必要があります。想定される再発・増悪リスク要因の除去(危険予知義務)、再発・増悪した場合の措置(結果回避義務)などについて意見を述べ、労働者の健康状態が当該企業への就業に適合するかの助言を行います。また、会社の安全健康配慮義務があると同時に本人にも自己保健義務が存在し、労働者本人にも健康を保つよう努力することを指導します。
■復職後のフォローアップ(リワーク後のフォローアップ)
管理監督者は、日常的に当該労働者のフォローアップを行い、必要に応じて産業保健スタッフ等に相談します。産業保健スタッフ等は、労働者本人および管理監督者との定期的なフォローアップを行い、就業への適合状態を高められるよう業務調整や助言などの復職支援(リワーク支援)を行います。復職後(リワーク後)は環境の変化などから再発リスクが高い時期でもあり、復職後1~2週間(リワーク後1~2週間)程度で復職後面談(リワーク後面談)し、以後1か月前後ごとにフォローアップの復職後面談(フォローアップのリワーク後面談)を行うのが多いようです。
このフォローアップの復職後面談時(フォローアップのリワーク後面談時)に就業制限の改善検討を行い、産業医等は書面にて意見を述べることが望ましいです。就業上の配慮が解除となる時期の見通しは立てにくいが、適応障害的な病理のうつ病は復職(リワーク)が早く(目安として3~6か月程度)、人格的な問題など個人要因が多いうつ病は復職が長引く(リワークが長引く)傾向があります(目安として1年~数年)。家族や職場の復職支援(家族や職場のリワーク支援)が多ければ、回復も早くなる可能性が高いです。
以上、心療内科、豊中市・千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
リワークプログラム(その28)
心療内科 精神科、大阪府 豊中市・千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワークプログラム」の28回目です。引き続き、リワークプログラム(職場復帰支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】■人事労務管理上の対応
職場復帰(リワーク)に関しては原職へ復職(原職へリワーク)させることが多いです。これは、もしより好ましい現場への配置転換や異動であったとしても、新しい環境への適応にはやはりある程度の時間と心理的負担を要するためであり、そこで生じた負担が疾病の再発・再燃に結びつく可能性が指摘されているからです。
これらのことから、職場復帰に関して(リワークに関して)は「まずは原職に復職(原職にリワーク)」を原則とし、今後配置転換や異動が必要と思われる事例においても、まずは元の慣れた職場で、ある程度のペースがつかめるまで業務負担を軽減しながら経過を観察し、そのうえで配置転換や異動を考慮したほうがよい場合が多いと考えられます。ただし、これはあくまでも原則であり、異動や環境変化等を誘因として発症したケースにおいては、現在の新しい職場にうまく適応できなかった結果である可能性が高いため、適応できていた以前の職場に戻すか、または他の適応可能と思われる職場への異動を積極的に考慮したほうがよい場合もあり、異動なしでは復職できない(リワークできない)ケースもあります。その際、産業医等が人事労務担当者や管理監督者に対して配置転換や異動の必要性についての説明を行い、十分な理解を求めることが重要です。
その他、職場要因と個人要因の不適合が生じている可能性がある場合等においても、本人や職場、主治医等からも十分に情報を集め、総合的に判断しながら配置転換や異動の必要性を検討する必要があります。よって、職場復帰支援(リワーク支援)プランについては、復職希望(リワーク希望)の時点から草案をつくり、その後の復職面談(リワーク面談)で調整し、リワークプランが実行可能かどうかを含め復職可否(リワーク可否)の判断を行うのが現実的です。また、日常生活リズムを整えるためには、フレックスタイム制度や裁量労働制度等の勤務制度を利用しないほうが体調管理に望ましい場合も多く、復職面談のなか(リワーク面談のなか)で制度に則って決定されるべきです。
以上、心療内科、豊中市・千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
リワークプログラム(その27)
心療内科 精神科、大阪府 豊中市・千里中央駅・千里ニュータウン「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワークプログラム」の27回目です。引き続き、リワークプログラム(職場復帰支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】◎職場復帰支援プラン(リワークプラン)の作成
職場復帰(リワーク)が概ね可能と判断された場合には、職場復帰支援(リワーク支援)をするための具体的なプランを職場復帰支援プランとして作成(リワークプランとして作成)します。通常、元の就業状態に戻すまでにはいくつかの段階を設定しながら経過をみます。リワークプラン作成にあたってはそれぞれの段階に応じた内容および期間の設定を行う必要があります。労働者には、きちんとした計画に基づき着実に職場復帰を進める(リワークを進める)ことが長期的、安定的な職場復帰につながる(リワークにつながる)ことを十分に理解させ、本人の希望のみによって職場復帰支援プランが決定(リワークプランが決定)されることがないよう気をつける必要があります。職場復帰支援プラン作成の際(リワークプラン作成の際)に検討すべき内容について下に示します。
■職場復帰日(リワーク日)
復職のタイミング(リワークのタイミング)については、少なくとも主治医の復職許可(リワーク許可)の日時以降であり、労働者の状態や職場の準備状況の両方を考慮したうえで総合的に判断する必要があります。出社のための訓練や職場調整などの準備が整っていない場合には、準備に必要な分だけ復職を延期(リワークを延期)して万全の体制を整える必要があります。
■管理監督者による業務上の配慮
「業務サポートの内容や方法」については、「2人体制で行う」「相談役をつける」など具体的に提案してもらいます。「業務内容」は”慣れた”業務を少しずつ始めることが望ましいです。残業した翌朝に起きられず出社できないなど、日常生活リズムの乱れからメンタルヘルス不調となるリスクがあることから、再発予防としての就業制限(残業・交代勤務・深夜業務等の制限または禁止、就業時間短縮など)を行い、管理監督者の責任のもとに業務管理を行ってもらいます。また、治療上必要なその他の配慮(診療のための外出許可)などについても理解のうえ、就業措置意見書に併記するなどの工夫が必要です。
以上、心療内科、豊中市・千里中央駅直結・千里セルシー3階「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。