日別アーカイブ: 2018年2月21日

復職支援(リワーク)(その16)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の16回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】○自宅療養のポイント
今まで会社のために自らの時間を犠牲にしながら仕事をし、うつ病などメンタルヘルス不調を患ってしまった方にとって、突然、「明日から会社を休んでゆっくり休養して下さい」と告げられたとしても、自宅療養中は一体何をしたら良いのか戸惑うものです。多くの方が入社後に取った長期休暇といえば、せいぜい最長10日程度の夏休みになるでしょう。だから、突然「1ヵ月の自宅療養をしなさい」と言われても、どうしたら良いのかわからなくて当然なのです。しかし、休養はメンタルヘルスの疲れを取り、再び活動するエネルギーを蓄えるためには非常に重要な手段であり、どれくらいしっかりと休養を取ることができるかによって、その後のメンタルヘルス不調の回復に大きな影響を及ぼします。
この要治療期(治療専念期)の休養のポイントは、とにかく自分の気の向くままに生活を送ることです。うつ病などメンタルヘルス不調の患者様の場合、「メンタルヘルス不調を治すためには〇〇をしなければ」とついつい余計なことをしようとするのですが、頑張りたくても頑張れないのがうつ病などメンタルヘルス不調なのですから、それ以上何かをしようと頑張ることはかえって逆効果なのです。具体的に言えば、横になっていたい気分なのであれば、自分が立ち上がりたいと思うまで横になっていればいいし、自分が外の空気を吸いたいと思うのであれば、少し散歩に出かけても構いません。休養と言っても絶対安静なわけではないので、無理に家に閉じこもっている必要もないのです。多くの方が、ずっとゴロゴロとした生活をしていると、もう二度と会社には戻れなくなってしまうと不安を抱きがちなのですが、メンタルヘルスにエネルギーが蓄えられると、いつまでもゴロゴロしていることが苦痛に感じられ、自発的な行動を起こすようになってくるので、心配する必要はありません。
また、休養中はできる限り、日常生活上の負担を減らすことが重要ですから、家族が同居している場合にはその協力を求めることや、単身の場合には、可能であれば実家へ戻り、日常生活上での負担が少ない環境を作ることが望まれます。ただし、誰かと一緒にいること自体が苦痛に感じられるような場合には、一人でのんびりと過ごすことも決して悪くはありません。
この休養中は注意をしていただきたい「自宅療養のポイント」を押さえながら、あとは自分の気の向くままに過ごすことが、上記うつ病などメンタルヘルス不調の回復にとって重要となります。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。