土曜の夜のブラタモリ楽しみです。アシスタントが近江さんから林田さんに変わりましたが、またしても明るいべっぴんさんです。72歳のタモリさん、いい仕事してますね。普段は立ち入れない銀閣からの景色や四畳半の書院もよかった。
また、ブラックペアンの二宮くんの演技凄かった、来週も楽しみ。V6の岡田くんと双璧の天才ですね。
来週からゴールデンウィークが始まりますが、皆様には何か予定はありますか?TVで紹介された場所へ行ったり、芸能人の追っかけでも構わないですが、最近季節の変わり目で疲れやストレス等が溜まり、不眠や不安・イライラ、頭痛や食欲不振などメンタルヘルス不調が気になる方は、豊中市 千里中央・心療内科「杉浦こころのクリニック」へいつでもご来院下さい。
月別アーカイブ: 2018年4月
復職支援(リワーク)(その45)
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の45回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●一般的な職場復帰の流れ(リワークの流れ)
職場復帰の流れに関して(リワークの流れに関して)は、会社によりさまざまな方針や規則があり、一概に述べることは難しいのですが、基本的には2004(平成16)年に厚生労働省から出された「心の健康問題(メンタルヘルス不調)により休業した労働者の職場復帰支援(リワーク支援)の手引き」(復職ガイドライン(リワークガイドライン))にのっとって、職場復帰が進められる(リワークが進められる)ことになります。この職場環境調整期(職場復帰準備期(リワーク準備期))では、この第2ステップから第4ステップまでを行うことになり、職場復帰の要(リワークの要)となる時期なのです。ここでは、職場復帰のため(リワークのため)にはまず主治医(精神科医・心療内科医)の職場復帰可能(リワーク可能)の判断が必要で、その次に産業医や職場上司による職場復帰可否(リワーク可否)の判断と具体的な職場復帰支援プラン(リワーク支援プラン)が作成され、最終的には事業者(会社という組織による)の職場復帰の許可(リワークの許可)が必要なのだという一連の流れを抑えておけば良いでしょう。
◇表1 「心の健康問題(メンタルヘルス不調)により休業した労働者の職場復帰支援の手引き(リワーク支援の手引き)」(復職支援ガイドライン(リワーク支援ガイドライン)) 厚生労働省(2004(平成16)年10月14日)
『■第1ステップ(メンタルヘルス不調による休業開始および休業中のメンタルヘルスケア)
→診断書の提出
通常は主治医(精神科医師・心療内科医師)の「自宅療養が必要」という旨の診断書により、メンタルヘルス不調による休業が開始されます。そして、職場からは休業中の取り扱い(待遇や身分保障など)についての説明や、産業医や保健師からの定期面談や休業中の過ごし方についての助言などがあります。』
『■第2ステップ(主治医(心療内科医・精神科医)による職場復帰可能の判断(リワーク可能の判断))
→職場復帰の意思表示(リワークの意思表示)および職場復帰可能の診断書(リワーク可能の診断書)の提出
主治医(心療内科医師・精神科医師)による職場復帰可能の判断がなされて(リワーク可能の判断がなされて)、職場復帰に向けて(リワークに向けて)職場が動き始めることになります。
まずは、自らが職場に戻りたい旨の意思表示と、職場に主治医からの復職可能診断書(主治医からのリワーク可能診断書)の提出が必要になります。』
『■第3ステップ(職場復帰の可否の判断(リワークの可否の判断)および職場復帰支援プランの作成(リワーク支援プランの作成))
→復職支援プラン(リワークプラン)の作成
産業医を中心とした産業保健スタッフと職場の人事・労務担当や所属職場の上司などが主治医の復職可能(主治医のリワーク可能)診断書や本人との面談などを参考に、職場復帰の可否の判断を行い(リワークの可否の判断を行い)ます。
職場復帰が可能な場合(リワークが可能な場合)は、ここで復職支援プランが作成される(ここでリワークプランが作成される)ことになります。』
『■第4ステップ(最終的な職場復帰の決定(リワークの決定))
→就業上の措置の検討、事業者による最終的な職場復帰の決定(最終的なリワークの決定)
最終的に職場復帰を決める(リワークを決める)のは主治医でも産業医でもありません。職場の事業者(つまり会社自身)が決定するものなのです。
そこでさまざまな情報をもとに、会社として就業可能な状態なのかどうか、そして可能な場合には、職場復帰支援プランが適切(リワーク支援プランが適切)なものなのかどうかを最終決定します。』
『■第5ステップ(職場復帰後のフォローアップ(リワーク後のフォローアップ))
→職場復帰支援プランの遂行確認(リワーク支援プランの遂行確認)とメンタルヘルス不調の再発予防
職場復帰後(リワーク後)は職場復帰支援プランが適切に遂行(リワーク支援プランが適切に遂行)されているかどうかや、遂行していく中で改善点や問題点がないかどうかを検討します。
このときに復職支援プランに変更(リワークプランに変更)が必要な場合には、産業医や職場の上司と相談をした上で、無理のない復職支援プランを検討(リワークプランを検討)することになります。』
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
復職支援(リワーク)(その44)
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の44回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●なぜ、職場復帰は難しい(リワークは難しい)のか
以前お話ししましたが、なぜ、うつ病などメンタルヘルス疾患による長期休業者が急増しているのでしょうか?インターネットの普及で間接的なコミュニケーションが増えたことやストレス社会が原因かもしれません。しかし、日本人が数年で急激にストレスに弱くなったと考えるのは、あまりにも不自然であり、個人がストレスに対して弱くなったというよりも、社会的に大きな変化が起こっていると考える方が妥当だと私は考えています。つまり、うつ病などメンタルヘルス疾患の患者数が急増した大きな原因は、効率主義や成果主義を追い求め、休養や勤務の軽減で十分にメンタルヘルス不調から回復可能な軽いうつ状態などメンタルヘルス疾患の労働者に対し、適切な配慮をする余裕が職場でなくなってきてしまっていることであると考えるのです。現在、多くの会社で少ない人員で大きな業績を求め、「少し疲れた」と感じたときにも適切な休養を取ることが難しく、疲れ切って会社に行けなくなってしまうまで頑張り続けることが求められてしまうので、うつ病などのメンタルヘルス疾患につながっています。今より職場に余裕があった数年前には「最近、元気ないね。今日は代わりに私が仕事を片付けておくから、たまには早く帰ってゆっくり休んだ方がいいよ」と上司が配慮できていたのに、その上司にも余裕がなくなり、優しい声を掛けてあげることができなくなっているのが現状なのです。
ここで皆様に「ある理科の実験」を思い出してほしいと思います。それはビーカーに水を入れ、固体の物質を入れて、ガスバーナーでビーカーを熱し、徐々に水の温度を上げると物質がたくさん溶け始め、逆に温度を冷やすと再結晶として物質が析出してしまうという実験です。実は、うつ病などのメンタルヘルス不調で休業した後の職場復帰(休業した後のリワーク)でも、これと同じことが起こっているのです。詳しく説明をすると、まず水に入れた物質が休業者の「うつ」の度合を、そして温度が職場の温かさを表していると考えてください。80℃の状態は職場復帰に対する理解(リワークに対する理解)があり、適切な配慮を行ってくれる温かい職場を示しています(許容度の高い職場)。この場合、本調子でなくても周囲が「無理をしない方がいいよ」とフォローをしてくれるので、多少、メンタルヘルス症状が悪くてもうつ病などのメンタルヘルス不調が顕著化せず、職場に溶け込むことができます。しかし、余裕のない冷たい職場(許容度の低い職場)の4℃の状態は、職場に戻っても、本調子でないにもかかわらず「職場復帰をした(リワークをした)のだから、一人前の仕事をしてください」と言われてしまいます。そして、無理をした結果、まだ完全に治りきっていないうつ病などのメンタルヘルス不調が顕著化し、再休業になってしまうのです。つまり、職場復帰をする上で(リワークをする上で)重要なことは、自分のメンタルヘルス不調を良くする(このモデルでは物質の量を減らすこと)と共に、職場(特に管理職)にも十分に自分のメンタルヘルス不調や職場復帰当初(リワーク当初)はあまり無理ができる状態ではないということを理解していただいた上で、職場復帰を果たすこと(リワークを果たすこと)なのです。
会社によっては、メンタルヘルス専門の産業保健スタッフ(産業医・保健師・カウンセラーなど)が配置され、上記うつ病などメンタルヘルス疾患の研修会が行われるなど、上記うつ病などメンタルヘルス疾患に対する理解が深まってきている場合も多くあります。しかし、「うつ病などメンタルヘルス疾患は怠け病だ」と勘違いをしている上司もまだまだいますので、そんな場合には上司に上記うつ病などのメンタルヘルス疾患を正しく理解してもらい、職場復帰の環境づくり(リワークの環境づくり)に協力してもらう必要があるのです。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
復職支援(リワーク)(その43)
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の43回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖第3ステージ(職場環境調整期(職場復帰準備期(リワーク準備期)))の過ごし方〗
●職場環境調整期とは(職場復帰準備期とは(リワーク準備期とは))
リハビリ期で生活リズムが安定し、職場復帰のため(リワークのため)のメンタルヘルス不調が十分に回復したら、いよいよ職場復帰のための最終調整(リワークのための最終調整)に入ることになります。けがをしたマラソン選手に例えるのであれば、どの大会で本格的な競技に復帰をするのかの目標を定め、それに向けてだんだん走り込みのペースを上げていく計画を立てる段階に相当します。本格的な復帰のためには少しずつ負荷を上げていかなければいけませんが、治りかけのこの時期には、走り込みのペースが早すぎれば再び故障してしまいますので、主治医だけでなくトレーナーや関係者との細やかな調整が重要な時期となります。
うつ病などメンタルヘルス不調の場合にも、早く本格的な職場復帰(本格的なリワーク)をしてほしいと願う職場側と、ゆっくり無理のないペースで職場復帰(無理のないペースでリワーク)をした方が良いと勧める主治医(精神科医・心療内科医)側との微妙な駆け引きが生じる時期なので、主治医(精神科医師・心療内科医師)や職場の上司や人事・労務担当、産業医など職場の安全衛生に関わる復職支援スタッフ(リワークスタッフ)と綿密な相談をしながら慎重に職場復帰を進めていく(リワークを進めていく)ことにしましょう。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
復職支援(リワーク)(その42)
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の42回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●リハビリ期における職場への連絡
このリハビリ期では、その後の職場復帰に向けて(リワークに向けて)、職場との連携を図っていく必要があります。休業をした患者様や家族にとっては要治療期(治療専念期)からリハビリ期に移行したことが実感できていたとしても、職場の方には休業者がどの程度メンタルヘルス不調から回復しているのか見当もつきません。実際に、職場から休業者の自宅に連絡をすると休業者にプレッシャーをかけてしまい、休業者のメンタルヘルス症状に悪影響を及ぼしては良くないと考え、連絡を差し控えているケースも多くあるのです。そのような中で、突然、患者様から「リワークプログラムを終えた(復職支援プログラムを終えた)ので、そろそろ職場復帰をしたい(リワークをしたい)」と申し出があったとしても、職場としては受け入れのための体制作りや、産業医への連絡がうまくいかずに、職場復帰がスムーズ(リワークがスムーズ)に進まないことがあります。だから、このリハビリ期に入った後は、職場との緊密な連絡を欠かさないようにしましょう。
また、リワークプログラム(復職支援プログラム)などに参加している場合には、それぞれ専門のリワーク施設(復職支援施設)のソーシャルワーカーやメンタルヘルス専門のカウンセラーが職場との連携をコーディネートしてくれる場合がほとんどですので、患者様がすべきことはあまりありませんが、そのようなリワーク支援施設(職場復帰支援施設)を利用していない場合には、以下で紹介しているような連絡をするようにしましょう。
◎リハビリ期に職場に報告すべき事項
■現在のメンタルヘルス症状
メンタルヘルス症状や通院頻度に加えて、何か主治医(精神科医・心療内科医)からのメンタルヘルス症状の説明があった場合には、それを報告しましょう。
■職場復帰の見通し(リワークの見通し)
この段階では、「〇月〇日に職場復帰をします(リワークをします)」というような正確な職場復帰の見通し(正確なリワークの見通し)は必要ありません。「主治医(精神科医師・心療内科医師)からは、大体あと3ヵ月程度で復職可能(リワーク可能)と言われています」などと大まかでも構いません。
■今後のリワークプログラムの予定(復職支援プログラムの予定)
リワークプログラムなどに参加(復職支援プログラムなどに参加)する場合にはその旨を、1人でリワークプログラムを実施(復職支援プログラムを実施)する場合には、リワークプログラムの計画(復職支援プログラムの計画)などを報告しましょう。
◎リハビリ期に職場に確認すべき事項
■職場復帰の手順(リワークの手順)
実際に主治医(心療内科医・精神科医)から職場復帰の許可(リワークの許可)が出た場合には、どのような職場復帰の手続き(リワークの手続き)が必要か確認しておきましょう。
■職場復帰後(リワーク後)の就業上の配慮について
職場復帰した際(リワークした際)に、半日勤務などの軽減勤務を受けることが可能かどうかを確認しておきましょう。それによって、リハビリ期の最終的な目標設定が変わってきます。
■リハビリ期における産業医・保健師・産業カウンセラーなどとの面談の必要性
職場が休業中に産業医などの産業保健スタッフとの面談を勧める場合もあります。リハビリ期では、そのような機会はできる限り活用するようにしましょう。
■次の連絡予定と方法
今後、定期的に連絡を取った方が良いのか、もし取るとすれば電話で良いのか、会社に行った方が良いのかなど、今後の連絡について確認しておきましょう。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
復職支援(リワーク)(その41)
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の41回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●リハビリ期の家族のサポート方法
リハビリ期の患者様は、少しずつ職場復帰に向けて(リワークに向けて)メンタルヘルス不調から回復の兆しが見えてきます。しかし、その反面、仕事のことが気になり始め、1日でも早く復職(早くリワーク)しなければという焦りも生じてくるのです。そのため、些細なことで不安になったり、思うように進まないリワークプログラム(復職支援プログラム)にイライラしたりと、気分的に不安定になってしまうことがよくあります。そんなときに一緒に寄り添って、安心感をもたらしてくれる家族の存在は大きなものになるのです。
■焦りは禁物
メンタルヘルス不調が改善し、安定した日常生活が送れるようになってくるこの時期は、家族もホッと一安心し、職場復帰を急がせて(リワークを急がせて)しまいがちです。長いトンネルの先に、一筋の光を見つけると、出口まで急ぎたくなってしまう気持ちもわかるのですが、この時期にきちんとしたリハビリを行い、メンタルヘルス不調を回復させておかなければ、再休業という長く険しいトンネルに逆戻りしてしまうことになります。もちろん、経済的に家族としては、早く職場復帰をしてもらいたい(早くリワークをしてもらいたい)という事情があることはよくわかります。しかし、職場復帰をされる(リワークをされる)方にとっては、このリハビリ期での数ヵ月が大切な時期になるので、焦らず、じっくりとこの時期を過ごせるようにサポートをしましょう。
■リハビリには家族のサポートが重要
リワークプログラムを1人で行う(復職支援プログラムを1人で行う)にせよ、リワーク施設(復職支援施設)のリワークプログラムに参加(復職支援プログラムに参加)するにせよ、この時期は患者様のみならず、家族もメンタルヘルス不調から回復を実感することができ、自信が持てるようになります。
また、自分が本当にメンタルヘルス不調から回復しているのか不安なときに「最近、だいぶ元気になってきたね」という一言で安心する場合もあるでしょうし、逆に「少し疲れがたまっているのでは?」という一言がきっかけで適切なタイミングで休養を取ることができる場合もあり、家族の支えがポイントとなってくるのです。
特に、1人でリワークプログラムを行う場合(1人で復職支援プログラムを行う場合)には、その日に家族の方が患者様のまとめた内容を一読したり、日記を患者様と一緒に振り返ってみたりと、リワークプログラムの評価(復職支援プログラムの評価)に積極的に関与していただくと良いでしょう。それにより、患者様にも1人で職場復帰を目指す(リワークを目指す)わけではないという安心感が芽生え、職場復帰にはプラス(リワークにはプラス)の影響を及ぼすのです。
このリハビリ期においては、家族の方は健康だったときと同じように患者様に接することが好ましいとされています。患者様に遠慮して、必要な情報を伝えないことは、患者様の職場復帰(患者様のリワーク)にはマイナスの材料となりますので、家族の方は自然体で接するように心がけましょう。
■希死念慮には注意をする
この時期は職場復帰の段階(リワークの段階)が近づいてくるので、それに伴い、職場に対する不安やメンタルヘルス疾患の再発への恐怖が生じてきます。うつ病などメンタルヘルス疾患の場合には、最も重度なメンタルヘルス症状よりも少しずつメンタルヘルス不調から回復の兆しが見え始めるころに、自殺傾向が強くなると言われており、この時期に家族は自殺の徴候に注意をする必要があります。もし、心配な様子があれば、家族は緊急に主治医(精神科医・心療内科医)に相談する必要があります。
また、「死にたい」と本人が言うことがあれば責めることはせず、家族はどうしてそう思うのか、じっと聞いてあげることが大切で、「自殺だけはしない」ことを約束するようにしましょう。
『(家族が特に注意すべき自殺の徴候)
■自殺をほのめかす ■実際に自傷行為に及ぶ
■過度に危険な行為に及ぶ ■アルコールの量が増える
■家族とも顔を合わせたがらない ■身の回りを整理している
■いつも自分を責めて、マイナスのことばかりをいう など
◎自殺の兆候が見られたときは……対処法のアドバイス
自殺の兆候が見られたときには、焦らずに対応することが重要です。まずはどうして自殺したいと思うのかを、本人が話し尽くすまで、じっくりと聞いてあげることが重要です。その中で、漠然と自殺をしたいと思っているのか、すでに自殺の方法を考えていたり、そのための具体的な準備をしているのかなども率直に聞いても良いでしょう。
もし、すでに具体的な自殺方法について考えたり準備をしている場合には、本人を1人にせず、できる限り早めにメンタルヘルス専門の医療機関に相談をするようにしましょう。主治医(精神科医師・心療内科医師)の診察の結果、入院治療が選択されることも少なくありません。また、うつ病などメンタルヘルス疾患の方は周囲の方との約束を律義に守るケースが多いので、単に「自殺は良くない」と説教染みたことを言うだけでなく、「私は自殺をしてほしくないと思っている」と自分のメッセージを伝えた上で、「自殺をしない」という約束をすることも有効です。』
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
復職支援(リワーク)(その40)
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の40回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】◎リワークプログラムの実際(復職支援プログラムの実際)〔1日体験!〕
それでは、リワークプログラム(復職支援プログラム)では実際にどのようなことをやっているのでしょうか。
もちろんそれぞれのリワーク施設(復職支援施設)により、特色を生かしながらリワークプログラムを実施(復職支援プログラムを実施)しているので、細かな違いはありますが、大体、このような「リワークプログラムの週間スケジュール表(復職支援プログラムの週間スケジュール表)」に基づいて、リワークプログラムを計画(復職支援プログラムを計画)しているリワーク支援施設(職場復帰支援施設)が多いでしょう。
これから、実際にリワークプログラムの1日(復職支援プログラムの1日)をのぞいてみることにしましょう。
●リワークプログラムの1日体験!(復職支援プログラムの1日体験!)
①リワークプログラムの開始(復職支援プログラムの開始)(9:15~)
最初に血圧測定と看護師の問診で、その日のメンタルヘルス症状をチェックします。
②オフィスワーク(9:30~12:00)
次に新聞を一読し、興味を持った記事を要約します。(ここで要約した記事は、午後のプレゼンテーションの題材になります)
その後はパソコン作業の時間です。
模擬資料を用いて、パソコンの感覚を取り戻します。
(この時間は職場関連の作業や、メンタルヘルス疾患に関する本を読むなど、人によって異なります)
③昼食(12:00~13:00)
約2時間の職務技能回復訓練を終え、昼食です。
昼食中の団らんや患者様同士の情報交換・悩み相談がリワークプログラムの大きな利点(復職支援プログラムの大きな利点)です。
④ディスカッション(13:00~14:15)
午前中に要約した新聞記事を題材に、旬の話題でディスカッションを行います。
コミュニケーションが苦手な方にとっては、絶好のリハビリの機会になります。
⑤メンタルヘルス疾患の再発予防プログラム、キャリアマネジメント(14:15~15:30)
メンタルヘルス疾患の再発予防プログラム(職場のメンタルヘルスを専門とする医師(精神科医・心療内科医)が、うつ病などのメンタルヘルス不調や薬についての専門的な知識をわかりやすく説明したり、産業医面談のポイントや心構えなどについてレクチャーをしたりします。)やキャリアマネジメント(職場でのコミュニケーション技術や魅力的なプレゼンテーション方法など、職場復帰後(リワーク後)に職場で必要となるスキルについて、メンタルヘルス専門の知識を持つリワークスタッフ(復職支援スタッフ)が実習形式でレクチャーします。)などの講義を行います。少人数のリワークプログラム(少人数の復職支援プログラム)なので、積極的に質疑応答が行われます。
⑥リワークプログラムの終了(復職支援プログラムの終了)(15:30)
1日のリワークプログラムが終了(1日の復職支援プログラムが終了)です。今日も中身の濃い1日でした。お疲れ様です!
上記以外にも、曜日によっては以下のようなリワークプログラム(以下のような復職支援プログラム)が実施されています。
■運動プログラム
ストレッチやヨガ・リズムダンスなどさまざまな要素を取り入れながら、家でもリラクゼーションとして行うことができるような運動を行っています。
■個別カウンセリング
週に一度は担当医師(精神科医師・心療内科医師)と面談を行い、1週間の進捗状況を確認します。
この際にメンタルヘルス不調の把握やリワークプログラムの見直し(復職支援プログラムの見直し)と、職場復帰の具体的なスケジュール(リワークの具体的なスケジュール)の確認を行います。
●復職後のセミナーについて(リワーク後のセミナーについて)
リワーク施設によって(復職支援施設によって)は年に数回、復職後のセミナーを行って(リワーク後のセミナーを行って)います。この復職後のセミナー(リワーク後のセミナー)ではリワークプログラムを終えて(復職支援プログラムを終えて)、すでに職場復帰を果たした(リワークを果たした)方にも参加していただきます。そしてメンタルヘルスに関連するメンタルヘルス専門の講師を招き、講演会を行っています。また、講演会終了後は、現在リワークプログラムに参加(復職支援プログラムに参加)されている方と、職場復帰された(リワークされた)方の交流の機会を設け、職場復帰のため(リワークのため)の意見交換をします。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
復職支援(リワーク)(その39)
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の39回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】◎リワークプログラム(復職支援プログラム)の適用
リワークプログラムは休業者を対象に行われる職場復帰支援プログラムなので、リワーク施設(復職支援施設)にもよりますが、最低でも2,3ヵ月程度は継続的にリワークプログラムに通う(復職支援プログラムに通う)ことを前提に計画が立てられます。そのため、短期間(1~3ヵ月程度)の休業の場合は、1人で行う復職支援プログラムを計画(リワークプログラムを計画)した方が良いでしょう。リワークプログラムを使って(復職支援プログラムを使って)職場復帰を考えた(リワークを考えた)方が良い場合としては次のような場合が考えられます。
・休業期間が半年以上に渡るなど、職場から長期間離れていた場合
・以前、メンタルヘルス障害により長期休業したことがあり、二度目以上の職場復帰に当たる(リワークに当たる)場合
・会社に軽減勤務の制度がなく、職場復帰後(リワーク後)、すぐに本来の業務が求められる場合
・休業中に1人で行う復職支援プログラムを計画(1人で行うリワークプログラムを計画)したけれど、うまくいかなかった場合
・独り暮らしで、周囲の職場復帰支援(リワーク支援)が期待できない場合
◎リワークプログラムのメリット(復職支援プログラムのメリット)
リワークプログラムの利点(復職支援プログラムの利点)は専門のリワーク施設(専門の復職支援施設)で長期休業をしている患者様が集まりリワークプログラムが実施(復職支援プログラムが実施)されるので、1人で行う復職支援プログラム(1人で行うリワークプログラム)では得ることのできないメリットがあります。
・専門的な立場からのうつ病などメンタルヘルス不調に対する正しい知識を習得できる
・常に客観的に状況を判断することができるリワークスタッフ(復職支援スタッフ)がいる
・より職場に近い環境でリワークプログラムを受ける(復職支援プログラムを受ける)ことができる
・集団で行うリワークプログラム(集団で行う復職支援プログラム)によって、コミュニケーションスキルなどが獲得できる
・同じ悩みを持ち、同じ境遇に置かれている仲間と一緒に職場復帰を目指せる(リワークを目指せる)
・ソーシャルワーカーやメンタルヘルス専門のカウンセラーによる職場との環境調整が可能である
・専門のリワーク支援施設(専門の職場復帰支援施設)における実践的なリワークプログラム(実践的な復職支援プログラム)のため、復職をする(リワークをする)職場にも安心感を与えられる
・メンタルヘルス疾患の再発予防教育など、職場復帰後も安心(リワーク後も安心)して就労できるようになる
◎リワークプログラムの効果(復職支援プログラムの効果)
実際にリワークプログラムにはどれほどの効果(復職支援プログラムにはどれほどの効果)があるのでしょうか。リワークは復職することではなく復職後も働き続けられること(リワーク後も働き続けられること)を目的としたリワークプログラム(目的とした復職支援プログラム)です。そのためリワークプログラムの効果判定(復職支援プログラムの効果判定)には復職後の就労継続状況(リワーク後の就労継続状況)が用いられます。
メンタルヘルス疾患による休職後に復職(休職後にリワーク)した565名のその後の就労継続状況を検討した研究結果によれば、リワークプログラムを利用(復職支援プログラムを利用)せずに復職した人(リワークした人)は、リワークプログラム利用者(復職支援プログラム利用者)と比較して再休職のリスクが約2倍高かったことがわかりました。さらに同じ研究でリワークプログラムを利用(同じ研究で復職支援プログラムを利用)せずに復職した者(リワークした者)の年齢や性別、診断名やこれまでの休職歴、業種や企業規模などを調整して解析を行った結果、再休職のリスクはなんと6.21倍にもなったといいます。このようにリワークプログラムは再発予防に有用(復職支援プログラムは再発予防に有用)であることがわかります。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
復職支援(リワーク)(その38)
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の38回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●リワークプログラム(復職支援プログラム)を用いた職場復帰支援(リワーク支援)
皆様は「リワークプログラム」という言葉(「復職支援プログラム」という言葉)を聞いたことがあるでしょうか。「リワーク」とは「職場復帰」の“Return to Work”を意味する造語で、医療機関や精神保健福祉センターや障害者職業センターなどで行われている、うつ病などのメンタルヘルス障害で休業している方を対象とした職場復帰の取り組み(リワークの取り組み)のことを指します。近年、うつ病などメンタルヘルス障害による長期休業者の増加という社会背景から、さまざまな機関で職場復帰のため(リワークのため)の取り組みがなされるようになってきているのです。
リワークプログラムの実施施設(復職支援プログラムの実施施設)は、①医療機関・精神保健福祉センターにおいて医師(精神科医・心療内科医)・保健師・看護師・ソーシャルワーカーなどの医療関係者(リワーク関係者)を中心に精神科デイケアとして実施されているものと、②独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構のメンタルヘルス障害者支援事業の一つとして障害者職業センターにおいて、メンタルヘルス専門のカウンセラーが中心にメンタルヘルス障害者総合雇用支援として実施されているものの二つに大きく分けられます。
前者は、医療スタッフ(リワークスタッフ)がいるリワーク施設(復職支援施設)で実施されていることから、急なメンタルヘルス不調に対応でき、職種に限定なくリワークプログラムを利用(職種に限定なく復職支援プログラムを利用)できるメリットがある反面、精神科デイケアとしての医療費の負担が必要です。それに対し、後者は財源が雇用保険であるために、民間企業の休業者であれば費用の負担なくリワークプログラムを利用(費用の負担なく復職支援プログラムを利用)できますが、公務員の場合にはリワークプログラムの利用(復職支援プログラムの利用)が不可能で、かつ医療スタッフ(リワーク支援スタッフ)がリワーク施設の中(復職支援施設の中)にいないという欠点があります。そのため、職業・メンタルヘルス症状・通所距離・費用負担など総合的に考慮して、どこのリワーク施設を利用(復職支援施設を利用)するかを決定した方が良いでしょう。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
復職支援(リワーク)(その37)
千里中央(大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)」の37回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】◎1人で行う復職支援プログラムの注意点(リワークプログラムの注意点)
■復職支援プログラム(リワークプログラム)はあくまで標準的なものです。よって、個々のメンタルヘルス不調によって内容や強度を変更する必要があるため、これまでご紹介してきた内容を参考に主治医(精神科医・心療内科医)とよく相談して復職支援プログラムを決定(リワークプログラムを決定)してください。
■一度復職支援プログラムを設定(リワークプログラムを設定)したからといって、変更が全く許されないわけではありません。ついつい焦る気持ちから、無理にでも予定通りに復職支援プログラムに取り組まれる(リワークプログラムに取り組まれる)方もいますが、それではかえってメンタルヘルス不調の回復に悪影響となってしまいます。ときには休養を挟んだり、復職支援プログラムのペース(リワークプログラムのペース)を落としたりと、自分のメンタルヘルスと相談をしながら実行しましょう。しかし、メンタルヘルスがいいからと言って、復職支援プログラムを前倒しで実行(リワークプログラムを前倒しで実行)することはかえって疲労を蓄積させることがありますので禁物です。
■元気なときでも土日は休日として休むものなので、リハビリ期間中も週2日は復職支援プログラムを実施(リワークプログラムを実施)せずに休養に当てましょう。ただし、土日に遅寝遅起きの習慣ができてしまいますと、せっかく作り上げてきた日内リズムが崩れてしまいますので、起床と就寝の時間はできる限り、ずらさないようにしましょう。
◎長期的な復職支援プログラム(長期的なリワークプログラム)を1人で行うときは…
ここでは1人で行う復職支援プログラムの典型的な日課(リワークプログラムの典型的な日課)をお示ししましたが、これはメンタルヘルス不調の回復の度合いによって柔軟に復職支援プログラムを変更(リワークプログラムを変更)することが必要です。例えば、復職支援プログラムを開始(リワークプログラムを開始)した直後であれば、7~9時の間に起床するなど、ある程度の幅を持たせた柔軟な目標設定が重要でしょうし、外出する頻度や時間も最初は週に3日、1日につき1時間程度から開始すると良いでしょう。また開始直後は休憩時間を十分に取り、疲れないようにすることが重要です。しかし復職支援プログラムに慣れて(リワークプログラムに慣れて)きたら少しずつ負荷を上げ、心地よい疲れが残る程度(疲れ過ぎてはいけません)の復職支援プログラムを計画(リワークプログラムを計画)することが良いでしょう。
いずれにせよ、復職支援プログラムの負荷の強度(リワークプログラムの負荷の強度)は、メンタルヘルス不調の改善と密接に関連しますから、主治医(心療内科医・精神科医などメンタルヘルス専門医)ともよく相談をしながら、無理のない計画を立てるようにしましょう。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。