月別アーカイブ: 2018年6月

復職支援(リワーク)(その66)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の66回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖第3ステージ(職場環境調整期(職場復帰準備期リワーク準備期)))〗(約1ヵ月)
『主治医(精神科医・心療内科医)から職場復帰の許可リワークの許可)が得られ、いよいよ職場復帰に向けたリワークに向けた)具体的な環境調整を職場と行う時期です。
職場によって復職の際リワークの際)の配慮方法が異なりますので、産業医や職場関係者と十分に環境を調整し、無理のない職場復帰無理のないリワーク)を目指しましょう。』
◎第3ステージ チェックリスト
■職場から職場復帰についての許可リワークについての許可)が下りた
職場復帰の可否リワークの可否)の最終的な決定権は事業者(会社)にあるので、主治医(精神科医師・心療内科医師)から「職場復帰をしてもいいリワークをしてもいい)ですよ」と言われただけではなく、職場からも復職の許可職場からもリワークの許可)を得ることが必要です。
■産業医などの産業保健スタッフに現在のメンタルヘルス症状やこれからの通院予定などを相談した
職場復帰後リワーク後)も、産業保健スタッフは復職ペースリワークペース)の調整やメンタルヘルス疾患の再発予防の取り組みという形で関わることになります。現在のメンタルヘルス症状や今後の通院予定などを産業保健スタッフに十分に把握してもらうようにしましょう。
職場復帰支援リワーク支援)プランが作成された
うつ病などメンタルヘルス疾患からの職場復帰を無理なく計画的に行うリワークを無理なく計画的に行う)ために、復職をする職場リワークをする職場)・復職後の勤務時間リワーク後の勤務時間)や職務分担・産業医との面談予定などを事前に打ち合わせておく必要があります。
■主治医(心療内科医・精神科医)と職場復帰後の治療計画リワーク後の治療計画)について相談をした
職場復帰後に平日の通院が困難リワーク後に平日の通院が困難)になる場合には、夜間や土曜日の診察に変更してもらうことが必要です。また、今後どの程度の頻度で通院する必要があるのかを、主治医(心療内科医師・精神科医師)と十分に打ち合わせておきましょう。
うつ病などメンタルヘルス不調を発症した原因について自分なりの考察ができた
うつ病などメンタルヘルス不調は職場環境が発症の大きな要因になることもありますが、多かれ少なかれ個人的な要素もあります。今回、メンタルヘルス不調になった原因を突き詰める必要はありませんが、メンタルヘルス不調を再発させないためにも、今後はどのような点に気をつけるべきなのか、見つめ直すことは重要です。
自らのメンタルヘルス不調の再発の兆候について理解をしている
今回のうつ病などメンタルヘルス不調の発症時どのようなメンタルヘルス症状があったのかを思い出してみると、自分なりのうつ病などメンタルヘルス不調の初期兆候(例えば、頭痛がする、眠れなくなる など。)がわかるはずです。職場復帰後に適切なタイミングで休養リワーク後に適切なタイミングで休養)を取るためにも、自らのうつ病などメンタルヘルス不調の発症の兆候を理解しておきましょう。
自分のメンタルヘルス症状について正直に家族に話すことができる
⇒家族のメンタルヘルス疾患に対する理解メンタルヘルス不調の再発予防のために重要です。また、普段の本人をよく知っている家族は、重要なメンタルヘルス不調の再発兆候のモニターとなりますので、正直にメンタルヘルス症状を話せるようになっておきましょう。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


復職支援(リワーク)(その65)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の65回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖第2ステージ(リハビリ期)〗(約3ヵ月)
『少しずつメンタルヘルス不調の回復が見られ、睡眠が安定し、日中の活動量が増してくる時期です。
メンタルヘルス不調が回復し、憂うつな気持ちが取れ始めれば、いよいよリハビリ期に突入です。
この時期はゆっくりと運動量を増やし、新聞や読書などで頭を使いながら、職場復帰に向けた準備リワークに向けた準備)を進めることが目標です。
メンタルヘルス不調が回復するまでに、良くなったり、悪くなったりというメンタルヘルス症状の繰り返しが見られます。
しかし、数週間単位で振り返ってメンタルヘルス症状が良くなっていれば、おおむね順調にメンタルヘルス不調が回復していると考えても良いでしょう。』
◎リハビリ期に職場に報告すべき事項
現在のメンタルヘルス症状
メンタルヘルス症状や通院頻度に加えて、何か主治医(精神科医・心療内科医)からのメンタルヘルス症状の説明があった場合には、それを報告しましょう。
職場復帰の見通しリワークの見通し
この段階では、「〇月〇日に職場復帰をしますリワークをします)」というような正確な職場復帰の見通し正確なリワークの見通し)は必要ありません。「主治医(精神科医師・心療内科医師)からは、大体あと3ヵ月程度で復職可能リワーク可能)と言われています」などと大まかでも構いません。
■今後のリワークプログラム復職支援プログラム)の予定
リワークプログラムなどに参加復職支援プログラムなどに参加)する場合にはその旨を、1人でリワークプログラムを実施復職支援プログラムを実施)する場合には、リワークプログラムの計画復職支援プログラムの計画)などを報告しましょう。
◎リハビリ期に職場に確認すべき事項
職場復帰の手順リワークの手順
実際に主治医(心療内科医・精神科医)から職場復帰の許可リワークの許可)が出た場合には、どのような手続きが必要か確認しておきましょう。
職場復帰後リワーク後)の就業上の配慮について
職場復帰した際リワークした際)に、半日勤務などの軽減勤務を受けることが可能かどうかを確認しておきましょう。それによって、リハビリ期の最終的な目標設定が変わってきます。
■リハビリ期における産業医・保健師・産業カウンセラーなどとの面談の必要性
職場が休業中に産業医などの産業保健スタッフとの面談を勧める場合もあります。リハビリ期では、そのような機会はできる限り活用するようにしましょう。
■次の連絡予定と方法
今後、定期的に連絡を取った方が良いのか、もし取るとすれば電話で良いのか、会社に行った方が良いのかなど、今後の連絡について確認しておきましょう。
◎第2ステージ チェックリスト
■主治医(心療内科医師・精神科医師)と職場復帰に向けた話リワークに向けた話)ができるようになった
⇒リハビリ期の終了のめどは、主治医から「そろそろ職場復帰そろそろリワーク)を考えましょうか」と、職場復帰の時期リワークの時期)についての話が出るようになることです。
職場復帰の障害リワークの障害)となるような薬の副作用がなく、自分に合った薬が見つかった
⇒ひどい便秘や日中の眠気などは職場復帰の障害となるリワークの障害となる)ことがあります。職場復帰後もしばらくは治療を継続リワーク後もしばらくは治療を継続)する必要がありますので、薬の副作用が職場復帰の支障リワークの支障)とならないように主治医と相談しましょう。
■活動記録を毎日つけることができ、自分のメンタルヘルス状態を客観的に評価できるようになった
⇒活動記録を毎日つけることは、自らのメンタルヘルス状態を後から振り返ったり、言葉にすることで、自分の不安焦りを整理したりする作用があります。
■規則正しい生活を送り、睡眠時間や起床時間などが安定してきた
職場復帰に際してリワークに際して)は、朝の決まった時刻に起きられるということが、重要な要素となります。そのためにも、毎日同じくらいの時間に寝つけるようになっていることが必要です。
■買い物や所用で外出しても疲れが残らず、翌日活動できるようになった
実際に職場復帰実際にリワーク)をすると、通勤ラッシュや社内の移動などで身体的な疲労を感じるものです。そのためにこのリハビリ期である程度の体力の回復が必要です。
■仕事に関連するニュースを見ても、気持ちが沈むことがなくなった
⇒職場のことを思い出すようなニュースや新聞記事を見ても気持ちが沈まないということは、職場復帰が可能リワークが可能)になってきている兆候です。
■新聞や書籍の内容を理解しながら、集中して読むことができる
うつ病などメンタルヘルス疾患のリハビリにより、メンタルヘルス不調が改善してきたサインです。職場復帰のことを考えるリワークのことを考える)と、少なくとも30分程度は集中力が持続することが必要です。
■職場の関係者とのやり取りを、抵抗感なくすることができる
⇒次の職場環境調整期(職場復帰準備期リワーク準備期))では、特に職場の関係者とのやり取りが重要になります。そのため、職場の関係者に電話をすることや、実際に会って抵抗感なく書類のやり取りができるようになることがポイントです。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


復職支援(リワーク)(その64)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の64回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●うつ病などメンタルヘルス不調で休業後、完全に職場復帰完全にリワーク)ができるまでの四つのステージ
〖第1ステージ(要治療期(治療専念期))〗(約3ヵ月)
メンタルヘルス症状が不安定なため、治療に専念し、メンタルヘルス不調の回復を最優先する時期です。
うつ病などメンタルヘルス不調の治療は休養と抗うつ薬の服用が第一ですので、この時期の目標は安心して療養できる環境作りと信頼してメンタルヘルス疾患を診てもらえるメンタルヘルス専門医療機関を見つけることです。』
◎受診のときに医師に伝えておきたいこと①
チェックリスト~〔本人が伝えること編〕~
■①いつごろからどのような症状が出始めたのか
(症状について)
身体症状→頭痛めまい・吐き気・微熱などの身体面での不調はあるか?
行動面の変化遅刻や欠勤・不眠食欲不振などの生活面での変化があるか?
メンタルヘルス症状気分の落ち込み・やる気が出ないなど、メンタルヘルス面での不調はあるか?
■②思い当たる原因や大きなストレスイベントがあったのか
仕事上の大きな失敗やプライベートでの環境の変化など、何か身の回りで大きなストレス疲労)となるイベントがあれば、それが原因となり、うつ病などメンタルヘルス疾患を発症した可能性があるため、医師に伝えるようにしましょう。
■③現在の体調はどうか
自分の現在のメンタルヘルス状態や1日の生活状況・睡眠・食欲の状態などを具体的に伝えましょう。
■④現在の不安や心配について
現在困っていること・不安に思っていること・相談しておきたいことなどは、きちんと伝えましょう。仕事で気がかりなことなど、一見メンタルヘルス医療とは関係のない情報も診察の際には重要な情報になります。
■⑤今までにかかったことのあるメンタルヘルス障害や家族のメンタルヘルス科の通院歴について
身体の病気が原因でうつ病などメンタルヘルス障害を発症することもありますし、また、メンタルヘルス障害の中でも遺伝性を認めるものもありますので、家族(両親・祖父母・子供など血のつながりのある一族)のメンタルヘルス科の通院歴を伝えることも重要です。
■⑥現在、治療しているメンタルヘルス障害について
他の病気の治療薬の副作用としてうつ病などメンタルヘルス障害が現れることもありますし、薬の飲み合わせの問題で、現在受けている治療の内容(特に薬の内容)が必要になります。
◎受診のときに医師に伝えておきたいこと②
チェックリスト~〔付き添いの人が伝えること編〕~
■①普段との比較について
メンタルヘルス専門医とはいえ、一度の診察でその人の今までの様子を推測することは容易ではありません。「普段はどのような性格だったのか」「口数は多い方だったのか」「外出は好きな方だったのか」など、普段との比較は診断の重要な手がかりになります。
■②具体的なメンタルヘルス症状について
「家でどのようなことを言っていたのか」「会社の人からどのようなことを言われたのか」など、現在のメンタルヘルス状態についてわかる範囲のことは主治医に伝えるようにしましょう。
■③現在の周囲の環境について
上記うつ病などメンタルヘルス障害の人は自分の置かれている状況を悲観的に捉えているため、仕事や家庭についての周囲の人から客観的に見た情報があると診察に役立ちます。具体的には「職場の環境はどのようなものか」「家庭では十分に療養できる環境か」などが重要です。
■④本人の補足
今までにかかったことのあるメンタルヘルス障害現在治療中のメンタルヘルス障害家族にメンタルヘルス科の通院歴がある方がいるかどうかなど、上記〔本人が伝えること編〕の中で、十分に伝えきれていない項目がある場合には、補足をするようにしましょう。
◎第1ステージ チェックリスト
メンタルヘルス疾患のこと職場復帰のことリワークのこと)など何でも信頼して相談できる主治医(精神科医・心療内科医)が見つかった
職場うつ病などメンタルヘルス疾患の治療において、薬物療法や十分な休養に加え、自分のメンタルヘルス症状や悩みを打ち明けられる主治医(精神科医師・心療内科医師)の存在は非常に重要です。職場復帰まで共に歩んでくれるリワークまで共に歩んでくれる)主治医(心療内科医・精神科医)を見つけましょう。
■休養や薬の服用の必要性が十分に理解でき、安心して治療を受けられる
⇒治療を開始した当初は、ただ休んでいるだけで良いのか不安になったり、薬の副作用や依存性が気になったりするものです。メンタルヘルス専門医師心療内科医師・精神科医師)の説明などを参考に、安心して治療にのぞみましょう。
■睡眠を十分に取り、朝きちんと起床できる
上記うつ病などメンタルヘルス疾患の初期不眠(眠れない)朝方の気分の落ち込みが見られ、生活のリズムが乱れがちです。リハビリ期でのトレーニングはある程度、生活リズムが整ってから始めましょう。
■テレビを見たり、雑誌を読んだりすることが億劫ではない
⇒自分の好きなことを少しずつ苦痛に感じなくなるところから、意欲の回復は始まります。まずは自分の好きなテレビ番組を見たり、雑誌を読んだりすることができるようになればOKです。
■食事をおいしく食べることができる
⇒それまで全く食欲のなかった人や、「食べないと体に良くないから」と無理やり食事をしていた人が、食事をおいしく感じたり、食べたいものが思い浮かぶようになればメンタルヘルス不調の回復の兆候です。
頭痛(頭が痛い)めまいなどの体調面での不調が軽減された
上記うつ病などメンタルヘルス科の疾患メンタルヘルス面の症状に加え、身体面の症状がよく見られます。身体面の症状の軽減は、メンタルヘルス疾患が快方に向かっているサインです。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


火曜日勤務の葛原です。

ブラックペアン最終回、ガッカリ。ペアンを無理に抜いて大出血、佐伯教授がブラックペアンで止血。有り得ない展開!続編を期待していただけに、渡海は天才外科医、佐伯教授は悪役でいて欲しかった。
ところで、先週18日の地震により、皆様には頭痛めまい動悸など自律神経失調症状や、不眠不安イライラなどメンタルヘルス不調は見られないですか?もし、余震の影響でメンタルヘルス不調が改善しない場合、豊中市 千里中央心療内科杉浦こころのクリニック」へお早めにご相談下さい。


復職支援(リワーク)(その63)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の63回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●メンタルヘルス不調の回復曲線アドバイス(本人向け・家族向け)
①どん底のとき
(本人向け)
・この時期は無理に何かをする必要はありません。
・とにかく、職場復帰を真剣に考えてリワークを真剣に考えて)くれる主治医(精神科医・心療内科医)を見つけて、あとは主治医(精神科医師・心療内科医師)の指示に従いながら、じっくり休養をしましょう。
薬物療法と十分な休養により、メンタルヘルス不調の回復を待ちます。
・薬物療法は開始当初はあまり効果が見られないこともありますが、1~2週間ほどで、少しずつ効果が現れてきます。
・休養は中途半端な休養ではなく、仕事や家の雑事を離れて、徹底的に休みを取ることが大事です。
(家族向け)
・この時期は適切な治療環境を整えてあげましょう。
・治療に関しては慌てず、焦らず、じっくりと。
うつ病などメンタルヘルス不調に対する正しい知識を身につけましょう。
・通院先にはできる限り付き添い、家での様子やこれまでの経緯を話せると治療の参考になります。
メンタルヘルス症状の変化に一喜一憂は禁物です。
・さまざまな手続きを確認しておいた方が、スムーズに職場復帰を果たすリワークを果たす)ことができます。
・自分自身のゆとりの時間も忘れずに!
波打ちメンタルヘルス不調の回復(前半)のとき
(本人向け)
・ゆっくりとメンタルヘルス不調が回復を始める時期です。
・少しずつ無理のない範囲で、生活のリズムを整えるように心がけましょう。
・睡眠と食欲は重要なバロメーターです。
(家族向け)
・家族にとって、焦りの出る時期です。
・ついつい、メンタルヘルスの調子のいい日があると家族は過度の期待を持ってしまいますが、じっくりと着実なメンタルヘルス不調の回復を見守る姿勢が重要です。
波打ちメンタルヘルス不調の回復(後半)のとき
(本人向け)
・少しずつ散歩などで運動量を増やすとともに、新聞や本を読んだりしながら意識的に頭を使う時間も作りましょう。
職場復帰に向けた準備リワークに向けた準備)をそろそろ開始する時期です。
(家族向け)
職場復帰に向けてリワークに向けて)、家族のサポートが必要になってくる時期です。
・毎朝、目標時間を定めて、起こしてあげることや、リワークプログラム復職支援プログラム)に付き合ったりすることも重要です。
ほぼメンタルヘルス不調が回復したとき
(本人向け)
職場復帰に向けた環境調整リワークに向けた環境調整)の時期です。
・主治医(心療内科医・精神科医)とはどのような環境で復職するどのような環境でリワークする)ことが望ましいのかを話し合いましょう。
・会社の上司、人事・労務担当、産業医などと一緒に職場の状況を踏まえて、復職する環境リワークする環境)を整えましょう。
(家族向け)
・本人と会社とのやり取りがメインになる時期です。
・家族は本人から報告を受けながら、職場復帰に向けて、何かやり忘れたことリワークに向けて、何かやり忘れたこと)がないかを確認しましょう。
復職前日リワーク前日
(本人向け)
この復職前日このリワーク前日)は、特にいつもと変わったことをやらないことがポイントです。
・いつもと違うことをやるとかえって緊張感が高まり、翌日に影響することもあるので注意しましょう。
(家族向け)
・家族は長いトンネルを抜ける喜びから、過度に喜びを表現してしまい、本人にプレッシャーを与えてしまうことが少なくありません。とにかく平常心で。
職場復帰後リワーク後)、しばらくの間
(本人向け)
・最もメンタルヘルス不調の再発に注意する必要がある時期です。
・無理をしすぎていないか、メンタルヘルス不調の再発の兆候はないかなど、きちんとメンタルヘルス診断ストレスチェック)を行いましょう。
(家族向け)
メンタルヘルス不調の再発兆候を見逃さないために、本人の帰宅時間や家庭内の会話に注意を払いましょう。
・何か変化を感じた場合には、早めに主治医(心療内科医師・精神科医師)に報告しましょう。
職場復帰をしてから、6ヵ月リワークをしてから、6ヵ月)経ったころ
(本人向け)
・少しずつ主治医と治療の継続について話をする時期です。
・治療をやめることだけが良いわけではありませんので、主治医とよく話し合うことが重要です。
(家族向け)
・本人が勝手に通院や抗うつ薬の服用を中止していないかどうかなど、治療面のサポートが重要です。
・この職場復帰をしてから、6ヵ月経ったリワークをしてから、6ヵ月経った)ころの時期に入れば快気祝いや旅行などに出かけることも悪くないでしょう。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


復職支援(リワーク)(その62)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の62回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●職場復帰後リワーク後)の段階的アドバイス(Ⅱ)
◎仕事の質について
職場復帰後に、いきなり以前と同じ仕事をやろうリワーク後に、いきなり以前と同じ仕事をやろう)とする方も見受けられますが、そこで大きなミスをしてしまうことや、仕事を抱え込んでしまったりしては、職場の役に立つどころか、かえって職場に迷惑をかけることにもつながってしまいます。職場復帰をする本人リワークをする本人)のためにも、職場のためにも段階的に仕事の質を向上させていくように心がけましょう。
段階的な職場復帰に際してリワークに際して)は、勤務時間や残業時間を少しずつ通常に近づけていくことと並行して、仕事の質もレベルアップさせていくことが重要です。
①代替可能な単純作業から復職単純作業からリワーク)(職場環境に慣れる)
職場復帰をして間もなくリワークをして間もなく)は、久々の通勤などで非常に体力を消耗する時期です。その復職後の間もない時期リワーク後の間もない時期)に、困難な仕事を抱えてしまうと、身体的にもメンタルヘルス的にも追い込まれてしまい、うつ病などメンタルヘルス不調の再発にもつながりかねません。そこで、職場復帰して間もないときリワークして間もないとき)(大体、職場復帰後2週間リワーク後2週間)ぐらい)には、職場の雰囲気や人間関係に慣れ、遅刻や欠勤することなく職場に来ることができていれば十分であると考え、仕事に関しては休んでいた間のメールチェック、資料の整理などを行いながら、現在の職場の状況を把握する程度にすることが望ましいと考えられます。』
②内部事務や他の社員(職員)の補助的な仕事で、少しずつ職務に慣れる
『職場環境の次は、職務に慣れていく段階となります。いきなり責任が重大で間違いの許されないような職務内容ですと、本人に必要以上のプレッシャーをかけてしまうことになります。そこで、最初は期限のない(もしくは期限が長期間)会社内部の仕事や、他の方の補助的な仕事から取り組むことが望ましいでしょう。』
③対外的な折衝業務やノルマ・期限の厳しい仕事は最終段階で
『どうしても対外的な折衝業務やノルマ・期限の厳しい仕事は、仕事から受けるプレッシャーが大きいため、うつ病などメンタルヘルス不調の再発の要因となりかねません。もちろん、いつまでも軽減業務というわけにはいきませんので、どこかの段階ではそのような業務にも復職しなければなりませんリワークしなければなりません)が、それは②の業務がミスなく十分に遂行でき、自分の職務に自信が持てるようになってからの方が望ましいと考えられます。』
上記のように職場復帰に関してリワークに関して)は、質的にも段階的に負荷をかけていくことが理想的ですが、これも職場の理解があってのことです。職場によっては、「一人前の仕事ができるようになるまで職場復帰は認めないリワークは認めない)」という場合もありますので、職場環境調整期(職場復帰準備期リワーク準備期))に職場の上司や産業医を交えて、会社の方針や制度を確認し、無理のない職場復帰を目指すリワークを目指す)ように心がけましょう。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


復職支援(リワーク)(その61)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の61回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●職場復帰後リワーク後)の段階的アドバイス(Ⅰ)
◎勤務時間について
会社によってルールが異なりますが、多くの場合、「週5日間、所定労働時間」勤務が可能になった時点で、正式に職場復帰正式にリワーク)となる場合が多いようです。
①リハビリ出勤の期間をどの程度設けるか?
『その期間は、メンタルヘルス疾患療養中にどの程度、メンタルヘルス不調が回復しているのかにもよりますが、一般的には1~3ヵ月程度の時間をかけることが適切でしょう。職場はメンタルヘルス治療機関ではありませんので、この期間が長すぎても、職場の負担になりますし、休業者本人にとっても不利益となることが少なくありません。
逆に、3ヵ月以上もリハビリ出勤が必要な場合は、職場でのリハビリ出勤の前に自宅や復職支援施設リワーク支援施設)での職場復帰への取り組みリワークへの取り組み)(例えば、メンタルヘルス専門病院リワークプログラム復職支援プログラム)への通所など)を先に行い、一定以上のメンタルヘルス不調の改善が認められた後で、職場へのリハビリ出勤を行った方が良いでしょう。』
正式に職場復帰をした後正式にリワークをした後)(必要に応じて就業制限)
正式に職場復帰をした後は、3ヵ月程度は残業を制限正式にリワークをした後は、3ヵ月程度は残業を制限)した方が良いでしょう。この場合、「残業は極力減らす」という曖昧な決意ではなく、メンタルヘルス疾患の再発予防のために「退勤時間になったら必ず帰る」という姿勢が重要です。これには、職場の理解も重要ですから、職場の上司や産業医とも正式復職の前正式リワークの前)に十分に話し合っておきましょう。そうでないと、「少しだから」と仕事をやり続け、結局は残業をすることになり、長時間の残業が定常化してしまうことも少なくありません。
また、出張すると、どうしても勤怠管理がルーズになり、思わぬ負荷が生じるので、この復職直後リワーク直後)の時期は遠方への出張などは控えるべきでしょう。』
職場復帰後の残業リワーク後の残業)について
『残業が許可された場合にも、「月に20時間以内→月に40時間以内→制限なし」というように、少しずつ残業許可時間を増やしていくことが重要です。一般的に「残業時間が45時間を超えると、だんだんメンタルヘルスへの影響が出始める」とされていますが、うつ病などメンタルヘルス不調からの職場復帰の場合リワークの場合)には、さらに注意が必要です。よって、一気に残業が深夜にまで及ぶといった事態は極力避けることが望ましいと考えられます。』
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


復職支援(リワーク)(その60)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の60回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●日常生活で過重なストレスを防ぐ方法(Ⅲ)
◎適度な運動習慣を確立しよう
適度な運動習慣を確立することは、うつ病などメンタルヘルス疾患の再発予防に効果があると言われています。実際に、メンタルヘルス専門医精神科医・心療内科医)の研究でも、週に2回以上の定期的な運動習慣を持つ労働者はストレスの反応が低く、メンタルヘルスが良好な状態に保たれていることが証明されています。ここでいう「運動」とは、勝ち負けやスピードなどを競う競技としてのスポーツとは違い、単に体を動かす身体活動だと考えてください。それではなぜ、定期的に運動をすることが、うつ病などメンタルヘルス疾患の再発予防に有効なのでしょうか?
表1に運動が人のメンタルヘルスに及ぼす効果について、簡単にまとめてみたのでご覧ください。この表で説明しているように、定期的な運動習慣を持つことは、生活にリズムをつけ、日々のストレスと上手に付き合っていけることにつながり、それがうつ病などメンタルヘルス不調の予防に効果をもたらすと考えられているのです。
しかし、運動時間が長すぎたり、運動の内容が激しすぎたりすると、かえって身体的疲労からメンタルヘルス不調につながってしまう可能性もあり、ただでさえ忙しい労働者に運動を取り入れることは、もろ刃の剣となりますので注意が必要です。
そこで、まず重要なことは、疲れ果てるまで運動をしないことです。うつ病などメンタルヘルス不調はまじめな方に起こりやすい病気ですから、「運動がいいですよ」と勧めると、「毎日1時間のジョギングをする」などの目標を立て、きちんとその目標を達成しようとして、かえって疲れてしまうのです。「今日は少し疲れ気味だから、いつもの半分にしよう」とか、「今日は雨だから、たまにはサボってしまおう」など、自らのメンタルヘルス状態や周囲の状況に合わせて計画を柔軟に考えていくことが重要なのです。自らが感じる負荷としては「あー、気持ち良かった」と感じる心地よい疲れが一つのバロメーターとなるでしょう。
上記うつ病などメンタルヘルス不調の予防に適する運動の種類や時間については、さまざまな研究がなされています。ウォーキング・ジョギング・サイクリング・水泳などの有酸素運動を20~30分以上のある程度まとまった運動を週に複数回、継続することが適切だと考えられていますが、それまでに全く運動習慣のなかった方は、まずは自分のペースでのウォーキングを1週間に3回、1回につき40分程度、日常生活の中に取り入れていくことが良いでしょう。
ただし、糖尿病や高血圧など身体疾患がある方では、その程度によって運動が推奨される場合と禁止される場合があります。よって、運動の可否については、主治医(精神科医師・心療内科医師)とよく相談することが必要とされるため、注意をしましょう。
◇表1 運動が人のメンタルヘルスに及ぼす効果
『①上記うつ病などメンタルヘルス不調の予防の効果
ネズミをトレッドミル(ランニングマシン)で走らせると、脳内ホルモンの代謝に変化が起こり、上記うつ病などメンタルヘルス不調の発症を予防したり、それほど重度でないうつ病などメンタルヘルス不調を治療する効果があるとされています。』
『②不安軽減の効果
普段の脈拍数が遅くなり、不安や恐怖を感じたときの脈拍数の増加や血圧の上昇が軽度になり、早く回復するようになります。そのため、緊張して心臓がドキドキしたときにも、早くいつもの自分を取り戻せるようになります。』
『③ストレス抑制の効果
運動によるストレス日常生活におけるストレスも、体内では同じホルモンの変化が起こります。よって、日常生活の些細なストレスに対する感受性を抑え、メンタルヘルスが過度に反応しなくなる効果があります。』
『④体力増進の効果
体力が向上することで疲れにくくなり、以前より楽に仕事がこなせるようになります。』
『⑤誘眠の効果
適度な疲労感を得ることで、寝つきを良くしたり、夜間の睡眠の質を良好なものにしたりします。』
『⑥自己効力感の向上効果
「自分自身が健康で体力がある」という自信を持つことで、日常生活のストレスの原因となる出来事に対しても、そのストレスを積極的に捉え、前向きに生かせるようになります。』
『⑦過労防止の作用
定期的な運動習慣を意識することで、毎日のように遅くまで残業を繰り返すことが少なくなり、「今日は運動する日だから残業は控え目にしよう」というメリハリの付いた生活が送れるようになります。』
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


復職支援(リワーク)(その59)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の59回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●日常生活で過重なストレスを防ぐ方法(Ⅱ)
◎4色ボールペンで予定を整理しよう
うつ病などメンタルヘルス疾患の方に「まじめ・几帳面で仕事熱心な特徴」が見られることはよく知られていますが、その反面で「何事も重要だと思ってしまい、仕事や私生活での優先順位の付け方があまり得意ではない」という面もよく見られます。例えば、「自分でやらないといけない仕事でも、部下に任せることができる仕事」と「どうしても自分がやらなければならない重要な仕事」をどちらも「自分がすべき仕事」と捉えてしまい、時間がない状況でも、徹夜をして何とかやり遂げなければと自分を追い詰めてしまうのです。
私たちの日ごろの予定は、緊急性と重要性という二つの要素により、
①緊急性も重要性も高い予定(=会社にも自分にも大切な予定)
『何よりも最優先に取り組まなければならない予定で、自分にとっても職場にとっても重要な予定です。
顧客からのクレームや、会社に重大な影響を及ぼす可能性のある急ぎの書類作成などがこれに当たります。』
②緊急性は低いが重要性は高い予定(=自分にとって本当に大切な予定)
『今すぐにやらなければならない予定ではないのですが、将来を見据えたときに会社の役に立ったり、自分を成長させたりするための予定です。
職場で言えば、業務効率を良くする案を考えたり、来期に向けた自己目標を熟考したり、人材育成をすることなどがこれに当たります。また、職場以外にも自分の能力を高めるための英会話のレッスンや、自分が尊敬する人との食事の予定などもこれに当たります。』
③緊急性は高いが重要性は低い予定(=会社や他人にとって大切な予定)
『自分にとっては重要ではないけれども、職場にとっては重要な予定です。
職場で言えば、月末までに処理をしなければならない出張旅費の精算や、自分には発言権のない会議などがこれに当たります。』
④緊急性も重要性も低い予定(=やってもやらなくてもいい予定)
『自分にとっても職場にとっても、重要ではない予定です。暇つぶしのための予定や付き合いで参加する飲み会などがこれに当たります。』
に分類することができます。
この中で①や③の緊急性の高い仕事ばかりに時間を割かれてしまうと、自分の将来の成長にとって重要な②の予定を入れることができず、常に緊急性の高い仕事に追われて、自分自身が消耗してしまい、うつ病などメンタルヘルス疾患の再発という結果になってしまうことも少なくありません。つまり、うつ病などメンタルヘルス不調になりやすい、まじめで几帳面、かつ仕事熱心な方の場合、仕事の緊急性ばかりに目を奪われてしまい、この重要性の視点がおろそかにしてしまいがちなのです。
しかし、重要性を感じつつも、目の前の仕事に追われ、つい②の予定を後回しにしてしまうと、当面の処理をしているうちに時間が経過してしまい、気づくと来期の目標設定をする時期になってしまいます。そうなると、熟考する間もなく、あまり計画性のない目標を設定し、結果的にはそれが達成できずに大きなストレスになってしまうという悪循環につながってしまいます。
それは業務効率改善のための試案でも、部下の育成でも、自らのスキルアップのための英会話のレッスンでも同じことで、ついつい後回しにしてしまうことで、将来的にそれが必要になったときに自分を追い詰めることになってしまうのです。つまり、いつかやらなければならないと思っている間に、いつのまにか②から①に分類される予定になってしまうことがよくあるのです。
そこで、上記うつ病などメンタルヘルス疾患の再発予防にお勧めをしているのが、4色ボールペンを使ったスケジュール管理術です。自らの手帳に予定を記入する際に、予定を上記で紹介した四つのカテゴリーに分類して記載をするのです。①の緊急性も重要性も高い予定を「赤」、②の緊急性は低いが重要性は高い予定を「緑」、③の緊急性は高いが重要性は低い予定を「青」、④の緊急性も重要性も低い予定を「黒」で記入してみてください。
4色ボールペンを使ったことがある方であればおわかりだと思いますが、多くの方は黒や青色のインクが早く消費され、緑が最後まで残ってしまう方がほとんどでしょう。そこで、①の予定は目立つように赤、そして一番意識していただきたい②の予定を緑、わざわざ意識しなくても消費できる青や黒は自分にとって重要ではない③と④の予定に用いるのです。
そして自分の中でできる限り、緑を多く使う(=自分にとって重要なことに時間を使う)ことを意識して、スケジュール管理をしていくことで、目の前の緊急事のみに捉われず、広い視点でゆとりをもった行動が可能となり、ストレスと上手に付き合っていけるようになるのです。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。