月別アーカイブ: 2018年7月

復職支援(リワーク)(その80)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の80回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】◎休職開始時に評価しておく必要がある点
⇒表1に、休職開始時に評価しておくとその後のメンタルヘルス不調の治療に役立つ点についてまとめました。初診時にある程度の職務などに関しては確認しているとは思われるが、その患者様の職場での立場についても確認しておくとその後の対応も検討しやすいです。可能であれば職場の上司などからも情報をきいておくと便利です。実臨床のなかでは、患者様本人が考えていることと職場からみた本人の状態とでは、評価に乖離があることは少なくないです。少なくともある程度のすり合わせをしたうえで、その後のメンタルヘルス不調の治療に関しても考えていくことが望ましいと思われます。さらに、金銭面についてもきちんと確認しておく必要があります。わが国には傷病手当金の制度などがあるが、実際には今までの生活よりはマイナスの状態で家計のやりくりが必要になります。メンタルヘルス専門医精神科医・心療内科医)の興味としてはうつ病うつ状態などメンタルヘルス不調の治療に視点が向きがちだが、実際には患者様は金銭的な問題での不安を抱えやすいです。休職時にそのようなポイントを最初から押さえたうえでメンタルヘルス不調の治療を開始することで焦りが生じやすい時期を把握し、その時期までの復職をめざした準備リワークをめざした準備)ができるようになります。
◇表1 休職開始時に評価しておくポイント
『・会社の業種、本人の職種、本人の職階、現業務の経験年数と習熟度
 ・本人の業務のあらまし(特に車の運転、機械操作、高所での作業、交代勤務など)
 ・金銭面のこと(給与が支払われる期間、傷病手当金等、給与以外の支払いが行われる期間)
 ・休職期間満了退職となる期日
 ・復職時リワーク時)にこれまでの職場で受け入れは可能か?
 ・通勤に要する時間』
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


復職支援(リワーク)(その79)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の79回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】◎難治性うつ病職場復帰支援リワーク支援
難治性うつ病の定義にはさまざまあるが、十分な治療を複数回受けても十分にメンタルヘルス症状が改善せずに機能障害が残存する患者様は1~3割くらい存在すると推定されます。つまり、休職したうつ病勤労者などメンタルヘルス不調者のなかには薬物療法などの治療が十分に奏効せずにメンタルヘルス症状が遷延している事例があり、休職期間内に十分メンタルヘルス不調が改善されていないことが推察されます。
そもそも、今までにうつ状態などメンタルヘルス不調が改善しないなかでの復職に関してリワークに関して)議論されることが少なかったです。実際にうつ状態などメンタルヘルス不調が遷延している勤労者の復職の指針リワークの指針)は知り得ないです。わが国では、臨床現場と産業保健現場が連携して、対象者の治療および復職支援治療およびリワーク)にあたっています。簡単に述べると、臨床現場で休職が必要だと判断された際には、メンタルヘルス専門医精神科医・心療内科医)が休職を要する旨が記された診断書を作成し、休職後適切な診断、治療を施行することでうつ状態などメンタルヘルス不調を回復させます。ある一定のメンタルヘルス不調の回復がみられたらその後のメンタルヘルス不調の再発予防の治療を行います。同時に復職に向けたリワークに向けた)調整や介入、リワークプログラム復職支援プログラム)などの導入を行います。そのうえで復職準備性リワーク準備性)の評価、主治医(精神科医師・心療内科医師)による復職可能リワーク可能)な旨を記された診断書の提出、職場調整などを経て復職職場調整などを経てリワーク)し、その後の再休職予防のための復職後リワーク後)サポートが行われます。その一方で、難治性うつ病勤労者の場合は、治療に難渋するためにその後の復職準備性を高めるリワーク準備性を高める)ことや業務内容や勤務時間、残業などの調整や職場への介入、リワークプログラムへの導入復職支援プログラムへの導入)が困難となります。多くの復職支援施設リワーク施設)をはじめとしたリワークプログラムなどにおける導入基準復職支援プログラムなどにおける導入基準)にはうつ状態などメンタルヘルス不調が改善していることが前提であると思われます。しかしながら、臨床現場では先ほど述べたようにある一定の割合で難治性うつ病勤労者がおり、また上記うつ状態などメンタルヘルス不調の改善が不十分なまま休職期間満了退職日の直前に復職を強く希望リワークを強く希望)し復職可能の診断書リワーク可能の診断書)を書かなければならないような場面が少なからずあります。しかも、そのような場面は臨床現場ではある日突然やってくるように思えます。これが先ほどのある日突然復職可能の診断書を求められるリワーク可能の診断書を求められる)場面の1つでしょう。突然復職可能の診断書を求められた際突然リワーク可能の診断書を求められた際)には、主治医(心療内科医・精神科医)側も患者様側も復職準備性が不十分リワーク準備性が不十分)であることが推察され、また職場との連携も不十分となりやすく復職成功率リワーク成功率)が低くなるのではないかと思われます。臨床現場(主治医)と産業保健現場の連携が有効か否かを調べたエビデンスはほとんどないが、メンタルヘルス科専門医師心療内科医師・精神科医師)の研究で臨床現場と産業保健現場の連携の強化は復職までの期間を短縮リワークまでの期間を短縮)したとしています。臨床実感としても職場との顔の見える関係が可能となると比較的スムーズに復職比較的スムーズにリワーク)が進んだり、臨床場面での微妙なニュアンスなども伝わりやすく具体的かつ効率的な職場復帰支援具体的かつ効率的なリワーク支援)ができることが多いように感じます。たしかに理想だけを述べれば上記うつ状態などメンタルヘルス不調の改善メンタルヘルス機能や社会機能の改善、生活リズムの改善が望ましいと思われるがそれが不十分な際に臨床場面で何ができるかを考えていきたいです。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


復職支援(リワーク)(その78)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の78回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖難治性うつ病勤労者の復職支援についてリワークについて)〗
厚生労働省の調査では、うつ病勤労者などメンタルヘルス不調者が増加しており、2014(平成26)年には1999(平成11)年の約2.5倍に増えているとされます。メンタルヘルス科精神科・心療内科)への敷居が下がったこと、操作的診断基準が普及したこと、新規抗うつ薬の上市と同時にメンタルヘルス疾患啓発が進んだことなどがその一因だとされます。さらに、厚生労働省の2015(平成27)年の調査においては、うつ病などメンタルヘルス不調を感じている人の13.3%が会社を休職しており、その後1割のうつ病勤労者が結果的に退職しているという現状が明らかとなりました。さらには、労災認定も増えており、厚生労働省によると、2014(平成26)年度に、仕事のストレスなどでメンタルヘルス疾患を発症し、労災申請した人は、1,456人にのぼり、497人が認定されました。うつ病などメンタルヘルス不調の治療薬物療法のみならず精神療法、心理社会的治療、環境調整なども重要であるため個別の対応が必要なことが多いです。また、ある一定の割合でうつ状態などメンタルヘルス不調が遷延する事例がみられます。以下では、うつ状態などメンタルヘルス不調が遷延した難治性うつ病勤労者復職に関してリワークに関して)現時点でできる対応について述べたいと思います。
わが国のうつ病勤労者などメンタルヘルス不調者の復職をめぐる課題リワークをめぐる課題
うつ病勤労者などメンタルヘルス不調者復職に関する調査リワークに関する調査)によると、メンタルヘルス専門医療機関メンタルヘルス専門医精神科医・心療内科医)の約半数が、①復職可能な状態かの判断リワーク可能な状態かの判断)が難しい、②復職しても短期間で再休職リワークしても短期間で再休職)してしまう、③不十分なメンタルヘルス不調からの回復状態だが本人や家族の強い復職希望リワーク希望)がある、という3つの点で対応に悩んでいます。
上記うつ病勤労者などメンタルヘルス不調の者復職する際リワークする際)には主治医(精神科医師・心療内科医師)による「復職可能リワーク可能)」な旨を記載された復職可能の診断書リワーク可能の診断書)が必要であるが、復職可能の判断基準リワーク可能の判断基準)を示したものはないです。厚生労働省が発表している「心の健康問題(メンタルヘルス不調)により休業した労働者の職場復帰支援リワーク支援)の手引き」(復職ガイドラインリワークガイドライン))のなかでも、職場復帰可否リワーク可否)について定型的な復職可否の判断基準定型的なリワーク可否の判断基準)を示すことは困難であり、個々のケースに応じて総合的な復職可否の判断総合的なリワーク可否の判断)を行わなければならないと記載されており、復職可能の判断リワーク可能の判断)には個別の要因を加味して臨床的な復職可能の判断臨床的なリワーク可能の判断)を下す必要があるといえます。
また、うつ状態などメンタルヘルス不調の改善が不十分にもかかわらず、ある日突然家族が本人の受診に同伴してきて、不十分なメンタルヘルス不調の回復状態を承知のうえで強く復職を希望する強くリワークを希望する)ことも散見されます。その際に患者様の家族の勢いに押され「復職可能」の診断書を記載する「リワーク可能」の診断書を記載する)こともあります。一方で産業精神保健現場では、そのようなメンタルヘルス科専門医心療内科医・精神科医)の復職可能な旨の診断書リワーク可能な旨の診断書)に対して懐疑的な産業医もいます。もちろんそのようなメンタルヘルス科専門医師心療内科医師・精神科医師)の事情に理解を示したうえで産業医活動を行っている産業医もいるが多くはないと思われます。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


火曜日勤務の葛原です。

猛暑、お見舞い。「ゲンキの時間」で、脱水による脳梗塞の話をしていました。ビールを1リットル飲むと利尿作用のため1.1リットル水分が失われる、とのこと。アルコール度数の高いワインや日本酒では、より脱水が進みそうです。普通に一晩寝ても、かなりの水分が失われ、朝には脱水状態です。寝酒は、睡眠の質を低下させますが、脳梗塞にもつながります。
最近、連日の猛暑日が続いてますが、皆様にはいかがお過ごしでしょうか?熱中症や脱水に加え、脳梗塞など体調面にも注意が必要ですが、暑さによる不眠不安イライラ頭痛動悸倦怠感などが原因で、メンタルヘルス面にも悪影響が出やすい時期です。メンタルヘルス不調が改善せず気になる方は、豊中市 千里中央心療内科杉浦こころのクリニック」へお越し下さい。


復職支援(リワーク)(その77)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の77回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●職場復帰支援リワーク支援)(Ⅱ)
◎職場との連携の重要性
職場の産業保健スタッフと主治医(精神科医・心療内科医)側が、勤労者の罹患しているメンタルヘルス疾患の病態について共通の認識を持つことは、メンタルヘルス疾患の再発・再燃の予防の観点からきわめて重要です。
たとえば、うつ病などメンタルヘルス疾患にアルコール依存症、パーソナリティ障害や自閉スペクトラム症などが合併している事例では、前景に立っているうつ状態などメンタルヘルス不調よりも、背景にあるそれらの疾病が根深いためしばしばメンタルヘルス疾患が難治例、再発例となりやすいです。さらに、就労パフォーマンス低下をきたす要因が、勤労者を取り巻く作業環境よりもむしろ個別のメンタルヘルス疾患の要素に強く認められることが多く、職場での作業環境調整や就労配慮によっても解決されないことが多いです。こうしたケースでは、まず根本となるメンタルヘルス疾患の治療を優先したほうが、労働者および企業側双方にとって好ましいことが多いです。
主治医(精神科医師・心療内科医師)側が勤労者の罹っているメンタルヘルス疾患の見立てを企業の産業保健スタッフに正確に伝えることは、職場での就労配慮やメンタルヘルス疾患の予後の改善の点からきわめて重要です。しかし、ある調査によれば、患者様が難治性うつ病などメンタルヘルス障害の場合89%のメンタルヘルス専門医心療内科医・精神科医)は診断書に「うつ病」または「うつ状態」と記載するのみで、メンタルヘルス障害の重症度については明記していなかったです。また、うつ病などメンタルヘルス障害パーソナリティ障害を合併する例では、85%のメンタルヘルス専門医師心療内科医師・精神科医師)はうつ病とだけ診断書に明記し、その背景にあるパーソナリティ障害には触れていなかったです。主治医側の見立てやアドバイスを産業保健スタッフに正確に伝えることは、治療そのものと同じぐらいに、勤労者の職場復帰を成功リワークを成功)させるために重要な要素であり、そうした連携は今後の課題でもあります。
◎ライフイベントに着目した職域での配慮
ライフイベントとうつ病などメンタルヘルス不調は再発・再燃においても関連が認められています。職域におけるライフイベントでメンタルヘルス不調の再発・再燃に繋がるリスクが高いものには、「新しい業務や仕事に就くこと」「職場環境の変化」「昇進」「失業」などがあげられます。したがって、うつ病などメンタルヘルス不調の持続治療期や維持療法期においては、このようなライフイベントをなるべく回避するのがよいです。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


復職支援(リワーク)(その76)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の76回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖職場再適応へのフォローアップ〗
職場復帰支援リワーク支援)(Ⅰ)
◎職場側の取り組み
職場復帰後リワーク後)のメンタルヘルス不調の再発・再燃を防ぐためには、まず職場が当該勤労者について十分な情報収集と評価を行い、職場復帰支援プランリワーク支援プラン)を作成することが重要です。これは「職場復帰支援の手引きリワーク支援の手引き)」(復職ガイドラインリワークガイドライン))の中の第3ステップに当たります。情報収集すべき内容と職場復帰プラン作成時リワークプラン作成時)の留意点について表1、表2に列挙します。
◇表1 職場復帰支援のための情報収集リワーク支援のための情報収集)と評価
『1.勤労者の職場復帰に対する意思リワークに対する意思)の確認
  a.勤労者の職場復帰の意思勤労者のリワークの意思)および就業意欲の確認
  b.事業場職場復帰支援プログラムリワークプログラム)についての説明と同意
 2.産業医らによる主治医(精神科医・心療内科医)からの意見収集
 3.勤労者の状態などの評価
  a.治療状況およびメンタルヘルス不調の回復状況の確認
   ①今後の通院治療の必要性、治療状況についての概要の確認
   ②業務遂行に影響を及ぼすメンタルヘルス症状や薬の副作用の有無
   ③休業中の生活状況
   ④その他職場復帰に関してリワークに関して)考慮すべき問題点など
  b.業務遂行能力についての評価
   ①適切な睡眠覚醒リズムの有無
   ②昼間の眠気の有無
   ③注意力・集中力の程度
   ④安全な勤務の可否
   ⑤業務遂行に必要な作業(読書やコンピュータ作業、軽度の運動など)の実施状況と、作業
    によるメンタルヘルス不調の回復具合
   ⑥その他ホームワークなどの遂行状況
  c.今後の就業に関する勤労者の考え
   ①希望する復職先リワーク先
   ②希望する業務上の配慮の内容や期間
   ③その他管理監督者、人事労務スタッフ、事業場内産業保健スタッフに対する意見や希望
  d.家族からの情報
   必要に応じて家庭での状況(メンタルヘルス不調の回復の程度、食事・睡眠・飲酒などの生
   活習慣など)について情報を収集する
 4.職場環境の評価
  a.業務および職場との適合性
   ①業務と労働者の能力および意欲・関心との適合性
   ②職場の人間関係など
  b.作業管理、作業環境管理に関する評価
   ①業務量(作業時間、作業密度など)や質(要求度、困難度など)などの作業管理状況
   ②作業環境の維持・管理の状況
   ③時期的な変動や不測の事態に対する対応の状況
  c.職場側による職場復帰支援準備リワーク支援準備)状況
   ①復職者リワーク者)を支える職場の雰囲気やメンタルヘルスに関する理解の程度
   ②実施可能な業務上の配慮(業務内容や業務量の変更、就業制限など)
   ③実施可能な人事労務管理上の配慮(配置転換・異動、勤務制度の変更など)
 5.その他
  職場復帰支援に当たってリワーク支援に当たって)必要と思われる事項について検討する。
  また、治療に関する問題点や、本人の行動特性、家族の職場復帰支援家族のリワーク支援) 
  状況など職場復帰の阻害要因リワークの阻害要因)となり得る問題点についても整理し、そ
  の職場復帰支援策リワーク支援策)について検討する』
◇表2 職場復帰支援プラン作成リワーク支援プラン作成)の際に検討すべき内容
『1.職場復帰日リワーク日
  復職のタイミングリワークのタイミング)については、勤労者の状態や職場の復職準備状況
  (リワーク準備状況)の両方を考慮した上で総合的に判断する必要がある
 2.管理監督者による業務上の配慮
  a.業務サポートの内容や方法
  b.業務内容や業務量の変更
  c.就業制限(残業・交代勤務・深夜業務などの制限または禁止、時短)など
  d.治療上必要なその他の配慮(診察のための外出許可)など
 3.人事労務管理上の対応
  a.配置転換や異動の必要性
  b.フレックスタイム制度や裁量労働制度などの勤務制度変更の必要性
 4.産業医らによる医学的見地から見た意見
  a.安全(健康)配慮義務に関する助言
  b.その他、職場復帰支援に関するリワーク支援に関する)医学的見地から見た意見
 5.職場復帰後フォローアップリワーク後フォローアップ
  a.管理監督者による職場復帰後フォローアップの方法リワーク後フォローアップの方法
  b.事業場内産業保健スタッフらによる復職後におけるリワーク後における)フォローアップ
   の方法
  c.就業制限などの見直しを行うタイミング
  d.すべての就業上の配慮や医学的観察が不要となる時期についての見通し
 6.その他
  a.職場復帰に際してリワークに際して)勤労者が自ら責任を持って行うべき事項
  b.試し出勤制度(リハビリ出勤制度)などがある場合はその利用についての検討
  c.事業場外資源が提供する職場復帰支援プログラムなどリワークプログラムなど)の利用に
   ついての検討』
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


復職支援(リワーク)(その75)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の75回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●メンタルヘルス疾患の再発・再燃予防のためのリハビリテーションとしてのリワークプログラム復職支援プログラム)(Ⅱ)
◎心理学的手法でメンタルヘルス疾患の再発・再燃予防
休職した要因が、環境ばかりでなく自分自身の中にも課題があることを知り、そのことをテーマとして、リワークプログラムの内容復職支援プログラムの内容)を変えていきます。このリワークプログラムの中復職支援プログラムの中)で用いられるのが心理学的手法です。そもそも仕事量が増えていった際に仕事を引き受けた自分の背景には他者の評価を気にする自分が、相手の反応を気にするあまり「これ以上の仕事は無理」と言えなかったとすると、言いにくいことを相手に上手に話して理解してもらう、ということがメンタルヘルス疾患の再発や再燃を予防する手段となります。これをアサーティブな言動というが、これが身につけば、仕事の増加を少しでも減らすことができるかもしれないです。また、部下に仕事をさせるのが上司としての業務でもあるのだが、本来は部下にさせることを自分が引き受けてしまったがゆえに過重労働になったとすれば、部下に上手に理由を説明して仕事を分担することができれば、メンタルヘルス疾患の再発・再燃のリスクを減らせます。
集団リワークプログラム集団復職支援プログラム)で業務を意識
前述のような心理学的手法で得られたものを集団の中で試すために、一つの作業課題を集団で行う集団リワークプログラムを用意集団復職支援プログラムを用意)します。少人数のグループで一つの目標を持たせて、それに対する作業を分担しながら進め、比較的短期間のうちに結果を出すような集団リワークプログラム結果を出すような集団復職支援プログラム)です。某復職支援施設リワーク施設)では、メンバー主体リワークプログラムメンバー主体復職支援プログラム)と呼ばれるものであり、このメンバー主体リワークプログラムこのメンバー主体復職支援プログラム)は再休職の予防を目的とするテーマを自分たちで考え、テーマごとに5~6人のグループをつくり、そこでの作業の分担を決めて5週間で結果を全体に提出してプレゼンテーションするというものです。この作業を通じて、割り当てられた役割を果たすことで協働することを実感できるようになっています。また、職場での業務を意識した協働場面を設定し、グループ内での人間関係を通じて、互いの役割分担を意識しながら問題解決能力を高める場となっています。この作業を通じて職場の人間関係で生じる問題と類似した問題点が浮かび上がることも多く、復職後リワーク後)に向けた対処法を考えることにも繋がる場です。
◎安易な「自己分析」は禁物
産業医や産業保健スタッフ、場合によっては人事労務が復職を希望リワークを希望)する社員に「自己分析」を実施させ、提出させる企業があります。これが事実であれば、「自己分析」が本来の意味から離れた利用がされており、「自己分析」をさせてその結果を企業が受け取ること自体が、企業にとってのリスクともなり得ます。復職支援施設で行うリワーク施設で行う)「自己分析」の文章中には、会社や上司への批判が記載されている場合がほとんどです。しかしここでは本人の言い分だけが書かれているので、私たちメンタルヘルス専門医精神科医・心療内科医)は社内の事情は知り得ないとのスタンスを維持して、「自己分析」の本来の目的である自分側の内的な要因や家庭での出来事などの業務以外の要因に目を向けさせることができます。しかし、会社が「自己分析」をさせてその結果を提出させた場合、業務関連の要因を会社が認識したということであり、本人の言い分の事実関係を調査する義務が生じる可能性が十分にあります。ましてや治療的に「自己分析」を行っていない社員であれば、火に油を注ぐ結果ともなり、よけいに好訴的になるでしょう。もし調査をしないで放置しておき、再び同様のことが起こった際には、すでに会社がその事実を本人の書いた文書で知っていたにもかかわらず放置していたという理由で「安全配慮義務違反」を確実に問われることになります。労災請求がなされれば、認定の重要な証拠ともなり得るので、安易に行うべきではないです。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


復職支援(リワーク)(その74)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の74回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●メンタルヘルス疾患の再発・再燃予防のためのリハビリテーションとしてのリワークプログラム復職支援プログラム)(Ⅰ)
◎治療はチーム医療として実践されるべき
メンタルヘルス専門医療機関(精神科・心療内科)における外来診療では本人要因を明らかにし、さらにその手立てを見つけ、本人がそれを身につけるような治療は不可能です。すなわち、日本の健康保険制度の外来診療でこのような治療を行えば、そのメンタルヘルス専門医療機関は経営的にたちまち破綻します。また、一人ひとりの患者様にこの点を指導できる専門的な訓練を受けているメンタルヘルス専門医精神科医・心療内科医)がきわめて少ないという事情もあるが、これは単に医学教育の課題ではないです。すなわち、このような治療はメンタルヘルス専門医師精神科医師・心療内科医師)も含めたチーム医療として実践されるべき課題と言えます。
メンタルヘルス科専門医心療内科医・精神科医)はメンタルヘルス疾患の見立てと薬物療法に責任を持ち、臨床心理士(カウンセラー)は心理的課題を扱い、精神保健福祉士は制度やその仕組みをとおして困難に立ち至った際の対処のしかたを指導し、看護師や保健師は自らのメンタルヘルス症状の認識とそのメンタルヘルスケアのしかたを身につけさせることを実践するなどのメンタルヘルスの専門的役割を果たしつつ、チーム全体がメンタルヘルス疾患の再発・再燃を防ぐためのリハビリテーションとしてのリワークプログラムを実施復職支援プログラムを実施)することで、初めて実現できます。
リワークプログラムのすすめ方復職支援プログラムのすすめ方
前述のようなチーム医療が実施できる場は、現在の医療体制ではきわめて限定されており、一般の外来診療に期待すべきではないです。メンタルヘルス専門医療機関の中の復職支援施設リワーク施設)で実施しているようなリワークプログラムが唯一の場復職支援プログラムが唯一の場)であると言えます。復職支援施設内リワーク施設内)でのリワークプログラムの参加者復職支援プログラムの参加者)の平均休職回数が年を経るごとに上昇しています。リワークプログラムの最終目的復職支援プログラムの最終目的)は再休職の予防であるので、本来的には初回の休職時、少なくとも2回目の再休職時にはリワークプログラムを利用復職支援プログラムを利用)すべきです。
リワークプログラムは数~20名程度の集団復職支援プログラムは数~20名程度の集団)で行われます。まずリワークプログラムの中で実施復職支援プログラムの中で実施)されることは、うつ病や気分障害などメンタルヘルス障害とはいったいどのようなメンタルヘルス症状が見られ、どんな原因でメンタルヘルス不調となるのか、などの疾病教育です。メンタルヘルス不調の理解が進むと、復職支援施設の中リワーク施設の中)では主治医(心療内科医師・精神科医師)から、どのような経緯でメンタルヘルス症状が出てきて現在に至っているかの休職の原因や誘因とその経過を、自分で分析し文章化する(自己分析)という宿題が出されます。
この自己分析の過程でメンタルヘルス不調のことをさらに勉強しながら、自分のメンタルヘルス症状経過を振り返ることによってメンタルヘルス不調に直面し、メンタルヘルス不調が発症したメカニズムを考えて、メンタルヘルス不調の発症の環境要因と自己の中の要因に目を向けていきます。この作業を通じ、自分の中の考え方や受け取り方にメンタルヘルス不調の発症の手がかりがあることを知ることになります。また、主治医も診察場面では知り得ない過去の姿を具体的に知り、より確実な診断ができます。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


復職支援(リワーク)(その73)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の73回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】●メンタルヘルス疾患の再発・再燃への予兆
うつ病などメンタルヘルス疾患は再燃率の高い疾患であり、メンタルヘルス疾患は再発・再燃を繰り返すことでうつ病エピソードの遷延化およびメンタルヘルス疾患の再発・再燃率の上昇をきたすため、メンタルヘルス疾患の発症予防だけでなくメンタルヘルス疾患の再発・再燃予防も非常に重要となります。メンタルヘルス疾患の再発・再燃に至る原因の一つに、自己判断による薬物療法の中断があります。メンタルヘルス科精神科・心療内科)受診への敷居が下がってきているとはいえ、メンタルヘルス科への通院メンタルヘルス科の薬の内服への偏見はいまだなくならないのが現状です。このことは患者様本人だけでなく周囲の人にも当てはまり、その偏見が通院や内服の中断を引き起こすというケースはいまだ多いです。
この点から言えるメンタルヘルス疾患の再発・再燃予防のための気づきとして、復職後リワーク後)に主治医(精神科医・心療内科医)の指示どおり通院をしているか、内服を継続しているか、ということが非常に重要な点としてあげられます。また、復職直後リワーク直後)には「これまで休んでいた分を取り戻そう」と過剰適応状態に陥りやすく、結果として疲弊を招く例も少なくないです。
うつ病などメンタルヘルス疾患が再発・再燃したケースでは多くの場合、初回と同様のストレス反応を自覚するといわれています。よって、初発時のメンタルヘルスの変化メンタルヘルス症状を把握することは、メンタルヘルス疾患の再発・再燃の予防のために非常に重要です。初発時のメンタルヘルスの変化メンタルヘルス症状の再出現メンタルヘルス疾患の再発・再燃の危険信号であり、それに気づいたときには仕事のペースダウンや休養などの適切な配慮を早急に行うことができるよう、復職の前リワークの前)に産業保健スタッフらにより本人や職場上司に指導が行われることで、メンタルヘルス疾患の再発・再燃の予防、あるいは早期発見に繋がると考えられます。
これまで、メンタルヘルス疾患の徴候となるストレス反応には個人差があるため、メンタルヘルス疾患の病前の状況をよく把握しておくことが重要であることを説明しました。しかし現代社会において上司はプレイングマネジャーと化し、十分なコミュニケーションをとる機会・余裕は減少しています。部下一人ひとりに対して十分に気を配ることが理想ではあるが、それはむしろ困難になっているのが現状です。そのような「余裕のない」職域の現状を鑑みると、メンタルヘルス不調に陥るリスクの高い勤労者に注目して重点的に配慮することも実際には必要なテクニックであり、重要な考え方の一つと言えます。
メンタルヘルス不調の早期発見の手がかりとしては、まず急性ストレス反応にはどのようなものがあるのか理解することが重要であるが、急性ストレス反応は個人によって異なります。上司が日頃のコミュニケーションを大切にし、部下の性格特性を理解するとともに「ちょっとした変化」に対して気づけるよう産業保健スタッフが働きかけることが重要です。
メンタルヘルス疾患の再発・再燃の可能性
メンタルヘルス疾患で休業した勤労者のうち、60~90%の者が仕事にほぼ支障のない程度までメンタルヘルス不調から回復することがわかっています。また、うつ病などメンタルヘルス不調だけに限れば慢性化は20%程度であり、職場による適切な復職支援職場による適切なリワーク)によってメンタルヘルス不調の予後はよりよくなると考えられています。
その一方で、難治性うつ病メンタルヘルス不調の再発例は、職域における就労パフォーマンス低下事象として問題となることが多く、実際、職場うつ病などメンタルヘルス不調は再発・再燃が多いことも知られています。大うつ病性障害の50~80%が、その後最低1回は再発するという報告があります。また、World Psychiatric Association(WPA)の報告によれば、大うつ病性障害の20%が再発をきたし、30%が慢性化するといわれています。ある予後調査の結果では、5年以内のメンタルヘルス不調の再発率は62%で、10年間では75%であると報告されています。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


復職支援(リワーク)(その72)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の72回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖メンタルヘルス疾患の早期発見の手がかりとは?〗
労働者のメンタルヘルス不調は、近年非常に重要な問題として取り上げられています。本人向けのセルフ(メンタルヘルス)ケア研修、上司向けのライン(メンタルヘルス)ケア研修などのメンタルヘルスに特化した職場内研修会なども多くの企業で開かれるようになりました。しかし、現在でもメンタルヘルス不調のために休職する職員は増加傾向にあります。職場のメンタルヘルスを考える上でまずおさえておかなければならない点は、休職期間の長さとメンタルヘルス疾患の再発率の高さでしょう。ある統計によると、メンタルヘルス疾患における休業期間は平均5.2ヵ月と非常に長いです。また、一度大うつ病エピソードを体験した患者様のうち、半数以上が5年以内にメンタルヘルス疾患を再発します。特に薬物療法などが行われていない場合にメンタルヘルス疾患の再発率が高いとされ、メンタルヘルス疾患の再発を繰り返すほど重症度が増すことも知られています。このような状況で職場のメンタルヘルス対策として最重要となることが、メンタルヘルス疾患の早期発見と早期治療・早期対処です。ここでは、メンタルヘルス疾患に関する早期発見のポイントについて解説していきます。
ストレス反応への気づき
職業性ストレスモデルでは、ストレスの原因になる外からの刺激をストレッサーと呼びます。人は日々の生活でさまざまなストレッサーに直面するが、職場では作業の質的・量的負担、職場の不十分な物理的環境や人間関係の問題などのさまざまなストレッサーに曝露されます。これらのストレッサーが大きくなると自己の認識にかかわらず、「疲れる」「イライラする」「仕事への不満を持つ」「意欲が低下する」「出社が困難になる」などの急性ストレス反応(ASR)が生じてきます。急性ストレス反応の出現のしかたは多様であり、抑うつ・職務不満足感などのメンタルヘルス的反応、血圧上昇や心拍数の増加・不眠疲労感などの生理的反応、過食やアルコール飲用、喫煙や薬物使用、疾病休業や事故などの行動面での反応などがあります。
通常、このようなストレス反応は一時的なものであり、ストレッサーから離れて休憩・休息・睡眠などの適切な対処を行うことによって、メンタルヘルス不調などから回復可能なものです。しかし、適切な対処が施されてもなおストレスが持続する場合、結果的に心身症うつ病などメンタルヘルス疾患に至ることになります。うつ病などメンタルヘルス疾患の発症を予防するためには、これら急性ストレス反応を十分に理解し、可能なかぎり早期に発見し適切な対処を行う必要があります。しかし、ストレス反応の出現のしかたはその人の年齢や性別、性格傾向や行動パターン、ストレス対処の方法、仕事の熟練度、基礎疾患の有無や治療の状態など個人の特性によって大きく異なるため、一概に「これに気をつければ大丈夫」ということが困難です。重要なことは、メンタルヘルス症状ストレス反応を一義的に教科書的に結びつけることではなく、日常のコミュニケーションを普段から深めておくことで「いつもと比べて何か様子が変だ」という「気づき」にいかに早く至ることができるか、ということです。
薬物治療のみでは不十分
薬物療法として抑うつ状態には抗うつ薬不安症状があれば抗不安薬が投与され、メンタルヘルス症状の軽減を期待することになります。しかし、それだけでは治療は完結していないです。メンタルヘルス症状が薬剤でいったん消失しても、業務が増えたときにその状態を脱する力が備わっていなければ、相変わらず同じ状況で再び同じ結果、すなわちうつ病などメンタルヘルス疾患が再発・再燃するのは明白です。ストレスがきわめて大きなメンタルヘルス疾患の発症要因である場合はその要因を取り除けばよいが、それ以外の場合には一定の個人的な素因や脆弱性がありメンタルヘルス疾患が発症すると考えれば、環境から影響を受ける自分に対してのメンタルヘルス対策を立てないかぎり、メンタルヘルス疾患の発症は防げないです。さらに言えば、遺伝要因があっても環境からの影響を回避できる可能性が大いにあると言えます。
心理療法を併用すると効果的
いったんメンタルヘルス障害になれば、薬も治療に欠かせないが、最近は心理療法が脚光を浴びています。認知療法、行動療法や対人関係療法などで、薬との併用でさらに効果があるといいます。たとえば、認知療法は自分の考え方の癖を修正することによって、ささいなことで憂うつな気分になっていたものが、同じ状況でも憂うつな気分が出にくくなる効果があります。上司に叱られると「自分はダメだと考え、その考えがぐるぐる回りだし、とうとう気分が憂うつになる」という思考回路を、「上司は自分の将来を考えて親心で叱ってくれている」と考えることによって気分は多少なりとも晴れてきます。自分はダメな人間だと考えた瞬間に精神安定剤を飲んでも、多少頭がぼー
っとして考えがあまり進まなくなるだけで、当たり前だが、ダメだという思考を遮断することはできないです。このように、思考パターンを変えるなど、自分自身に働きかけることが重要です。すなわち、メンタルヘルス障害の要因は自分の中にも潜んでおり、それを知りそのメンタルヘルス対策を立てないとメンタルヘルス障害は本当の意味では治っていかないです。また、何が自分にとって危険かわかれば、大きなメンタルヘルス障害の予防の効果もあります。仕事や上司を変えてほしいと要求し自分以外の要因を排除してストレスを回避しようとしているだけでは、おそらくメンタルヘルス障害はなかなか治らないです。しかもこのような外的因子は、自分の都合ではそう容易には変えられないことであり、さらに悪い環境になる場合さえあります。しかし、自分自身に対する働きかけはいつでもどこでもできます。
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