日別アーカイブ: 2018年7月30日

復職支援(リワーク)(その79)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の79回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】◎難治性うつ病職場復帰支援リワーク支援
難治性うつ病の定義にはさまざまあるが、十分な治療を複数回受けても十分にメンタルヘルス症状が改善せずに機能障害が残存する患者様は1~3割くらい存在すると推定されます。つまり、休職したうつ病勤労者などメンタルヘルス不調者のなかには薬物療法などの治療が十分に奏効せずにメンタルヘルス症状が遷延している事例があり、休職期間内に十分メンタルヘルス不調が改善されていないことが推察されます。
そもそも、今までにうつ状態などメンタルヘルス不調が改善しないなかでの復職に関してリワークに関して)議論されることが少なかったです。実際にうつ状態などメンタルヘルス不調が遷延している勤労者の復職の指針リワークの指針)は知り得ないです。わが国では、臨床現場と産業保健現場が連携して、対象者の治療および復職支援治療およびリワーク)にあたっています。簡単に述べると、臨床現場で休職が必要だと判断された際には、メンタルヘルス専門医精神科医・心療内科医)が休職を要する旨が記された診断書を作成し、休職後適切な診断、治療を施行することでうつ状態などメンタルヘルス不調を回復させます。ある一定のメンタルヘルス不調の回復がみられたらその後のメンタルヘルス不調の再発予防の治療を行います。同時に復職に向けたリワークに向けた)調整や介入、リワークプログラム復職支援プログラム)などの導入を行います。そのうえで復職準備性リワーク準備性)の評価、主治医(精神科医師・心療内科医師)による復職可能リワーク可能)な旨を記された診断書の提出、職場調整などを経て復職職場調整などを経てリワーク)し、その後の再休職予防のための復職後リワーク後)サポートが行われます。その一方で、難治性うつ病勤労者の場合は、治療に難渋するためにその後の復職準備性を高めるリワーク準備性を高める)ことや業務内容や勤務時間、残業などの調整や職場への介入、リワークプログラムへの導入復職支援プログラムへの導入)が困難となります。多くの復職支援施設リワーク施設)をはじめとしたリワークプログラムなどにおける導入基準復職支援プログラムなどにおける導入基準)にはうつ状態などメンタルヘルス不調が改善していることが前提であると思われます。しかしながら、臨床現場では先ほど述べたようにある一定の割合で難治性うつ病勤労者がおり、また上記うつ状態などメンタルヘルス不調の改善が不十分なまま休職期間満了退職日の直前に復職を強く希望リワークを強く希望)し復職可能の診断書リワーク可能の診断書)を書かなければならないような場面が少なからずあります。しかも、そのような場面は臨床現場ではある日突然やってくるように思えます。これが先ほどのある日突然復職可能の診断書を求められるリワーク可能の診断書を求められる)場面の1つでしょう。突然復職可能の診断書を求められた際突然リワーク可能の診断書を求められた際)には、主治医(心療内科医・精神科医)側も患者様側も復職準備性が不十分リワーク準備性が不十分)であることが推察され、また職場との連携も不十分となりやすく復職成功率リワーク成功率)が低くなるのではないかと思われます。臨床現場(主治医)と産業保健現場の連携が有効か否かを調べたエビデンスはほとんどないが、メンタルヘルス科専門医師心療内科医師・精神科医師)の研究で臨床現場と産業保健現場の連携の強化は復職までの期間を短縮リワークまでの期間を短縮)したとしています。臨床実感としても職場との顔の見える関係が可能となると比較的スムーズに復職比較的スムーズにリワーク)が進んだり、臨床場面での微妙なニュアンスなども伝わりやすく具体的かつ効率的な職場復帰支援具体的かつ効率的なリワーク支援)ができることが多いように感じます。たしかに理想だけを述べれば上記うつ状態などメンタルヘルス不調の改善メンタルヘルス機能や社会機能の改善、生活リズムの改善が望ましいと思われるがそれが不十分な際に臨床場面で何ができるかを考えていきたいです。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。