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復職支援(リワーク)(その113)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の113回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワーク(Re-Work)とは?〗(ⅩⅩⅢ)
リワークプログラム復職支援プログラム)⓫
復職支援施設リワーク施設)など医療機関におけるリワークプログラム医療機関における復職支援プログラム
(2)復職支援施設など医療機関リワーク施設など医療機関)で行うリワークプログラムの要素復職支援プログラムの要素
リワークプログラムはリハビリテーションを行う場復職支援プログラムはリハビリテーションを行う場
リワークプログラムはリハビリテーション復職支援プログラムはリハビリテーション)であり「復職支援施設など医療機関で行われる治療の一環リワーク施設など医療機関で行われる治療の一環)」という位置づけが重要です。診療において睡眠覚醒リズムをはじめとする基本的な生活リズムを整え、メンタルヘルス症状を改善させ、多少の負荷を日中にかけても耐えられるであろうとの医学的な判断をもとに、無理のない範囲の負荷からリワークプログラムが開始復職支援プログラムが開始)されることが必要です。すなわち、リワークプログラムを開始するに当たって復職支援プログラムを開始するに当たって)は、一定の基準が必要です。薬物療法が効を奏しメンタルヘルス不調が回復しつつあり、的確な生活指導により生活リズム、とりわけ睡眠覚醒リズムが回復していることがリワークプログラムを開始する前提復職支援プログラムを開始する前提)と言えます。たとえば某メンタルヘルス専門医療機関内にある職場復帰支援施設リワーク支援施設)では、ⓐ規則的な睡眠覚醒リズムが取り戻せている、ⓑ会社の最寄り駅に午前8時30分までに到着できる時間に起床している、ⓒ午前中は図書館に通い午後は運動ができるなどのように、日中に活動ができているかどうかを知るための3つの条件を満たしてからリワークプログラムが開始3つの条件を満たしてから復職支援プログラムが開始)されます。
このように、薬物療法を行う主治医(精神科医・心療内科医)は「リワークプログラムに導入復職支援プログラムに導入)しても安全にリワークプログラムへ参加復職支援プログラムへ参加)できる程度までメンタルヘルス不調を回復させる」という重要な役割を担っており、リワークプログラムを提供復職支援プログラムを提供)するメンタルヘルス専門医療機関内にある復職支援施設医療機関内にあるリワーク施設)の復職支援スタッフリワークスタッフ)との連携が必要です。ただし、復職支援施設の立地条件リワーク施設の立地条件)などによっては十分なリワークプログラム利用者数復職支援プログラム利用者数)が集まらない場合もあり、復職支援施設外リワーク施設外)の主治医(精神科医師・心療内科医師)が診る患者様も積極的に引き受けることも珍しくないです。この際には復職支援施設のスタッフリワーク施設のスタッフ)と、外部の主治医(心療内科医・精神科医)との情報の共有化がきわめて重要であり、リワークプログラムの成否復職支援プログラムの成否)のカギを握ることになります。このことから、主治医(心療内科医師・精神科医師)と復職支援施設との緊密な情報共有リワーク施設との緊密な情報共有)は、今後の重要な懸案です。
リワークプログラム開始後復職支援プログラム開始後)は、メンタルヘルス不調の安定度リワークプログラムに遅刻せず復職支援プログラムに遅刻せず休むことなくリワークプログラムに参加休むことなく復職支援プログラムに参加)できているリワークプログラム利用の継続性復職支援プログラム利用の継続性)やリワークプログラム参加中の言動復職支援プログラム参加中の言動)や態度などを参考として、リワークプログラム利用日数復職支援プログラム利用日数)を増やして復職支援内容リワーク内容)もより高度なリワークプログラム高度な復職支援プログラム)へと導入するなどの負荷を段階的にかけていくことになります。もちろん、リワークプログラム参加後復職支援プログラム参加後)にメンタルヘルス不調が悪化してリワークプログラム参加が困難復職支援プログラム参加が困難)となった際には、リワークプログラム中止復職支援プログラム中止)という措置をとる必要があります。しかしながら、たとえリワークプログラムが中止たとえ復職支援プログラムが中止)となっても、もし復職していれば迎えたであろう再休職リワークしていれば迎えたであろう再休職)が発生したと考え、リワークプログラムでの経験復職支援プログラムでの経験)をリワークプログラム中止後復職支援プログラム中止後)に活かすことが必要です。すなわち、リワークプログラムが中止に至った状況復職支援プログラムが中止に至った状況)や理由には、休職に至るメカニズムを解明する大きなヒントが隠されていると考えるのです。
一定期間のリワークプログラムの継続が安全に維持復職支援プログラムの継続が安全に維持)されれば、リワークプログラム利用は終了復職支援プログラム利用は終了)となります。これらリワークプログラムの開始、段階的負荷のかけ方これら復職支援プログラムの開始、段階的負荷のかけ方)、リワークプログラムの中止、終了復職支援プログラムの中止、終了)のそれぞれの要領は復職支援施設によりさまざまリワーク施設によりさまざま)であり、まだ統一的なリワークプログラムの要領統一的な復職支援プログラムの要領)はないことより、今後の検討課題として残されています。そして、どの程度の安全性を保って復職に臨めるのかリワークに臨めるのか)の復職準備性リワーク準備性)に関しては、復職支援機関のスタッフリワーク機関のスタッフ)によりリワークプログラム参加中に評価復職支援プログラム参加中に評価)が行われます。リワークプログラムの評価結果復職支援プログラムの評価結果)は本人の了解のもとで復職時リワーク時)の重要な情報となる一方で、本人にリワークプログラム評価結果のフィードバック復職支援プログラム評価結果のフィードバック)が行われることもあります。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


復職支援(リワーク)(その112)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の112回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワーク(Re-Work)とは?〗(ⅩⅩⅡ)
リワークプログラム復職支援プログラム)❿
復職支援施設リワーク施設)など医療機関におけるリワークプログラム医療機関における復職支援プログラム
(2)復職支援施設など医療機関リワーク施設など医療機関)で行うリワークプログラムの要素復職支援プログラムの要素
復職支援施設など医療機関で実施リワーク施設など医療機関で実施)されているリワークプログラムはリハビリテーション復職支援プログラムはリハビリテーション)で職場復帰を目的リワークを目的)として位置づけられます。リワークプログラムをリハビリテーションとして構成復職支援プログラムをリハビリテーションとして構成)させる上で重要であると考えられる要素は、①集団で実施、②対象を限定、③リハビリテーションの要素、④心理社会療法、という4点に集約され、リワークプログラムの要素について復職支援プログラムの要素について)説明します。
集団で実施するリワークプログラム集団で実施する復職支援プログラム
リワークプログラムは診療報酬上において復職支援プログラムは診療報酬上において)はメンタルヘルス科デイ・ケア、作業療法、集団メンタルヘルス療法として実施されているが、多人数を集めて効率的にリワークプログラムを実施効率的に復職支援プログラムを実施)することが目的ではなく、集団療法としてのリワークプログラムの治療効果集団療法としての復職支援プログラムの治療効果)を得ることが目的です。職場や家庭での対人関係を背景としてメンタルヘルス疾患が発生してきたのであれば、個別的治療のほかに対人関係を基礎とするリワークプログラムなど集団療法が必要復職支援プログラムなど集団療法が必要)であることは、むしろ当然と言えます。他者の行動が自己に影響を及ぼすような集団の力動も利用しながら、リワークプログラムを進めて復職支援プログラムを進めて)いきます。また、リワークプログラムなど集団の中復職支援プログラムなど集団の中)では、協働した作業や役割分担を体験して職場での業務的感覚を取り戻すこともできます。
復職支援スタッフリワークスタッフ)にとってはリワークプログラム利用者の言動復職支援プログラム利用者の言動)を観察して評価を行う場であるとともに、主治医(精神科医・心療内科医)にとっては、たとえば軽躁状態は言動を観察すると容易に診断がつき、社交不安障害であれば対人場面での緊張感から診断ができるように、リワークプログラムは診断を確実にできる場復職支援プログラムは診断を確実にできる場)でもあります。このように本人にとっても職場復帰支援スタッフリワーク支援スタッフ)やメンタルヘルス科専門医師精神科医師・心療内科医師)にとっても、対人関係の課題を扱う練習の場としての役割がリワークプログラムのベース復職支援プログラムのベース)です。とりわけ、「集団リワークプログラム集団復職支援プログラム)」においては、その点を意識したリワークプログラムづくり復職支援プログラムづくり)が必要と言えます。
リワークプログラムは通常少なくとも数人で実施復職支援プログラムは通常少なくとも数人で実施)されます。リワークプログラムに参加復職支援プログラムに参加)すると、同じような悩みを持ち、復職という同じ目的リワークという同じ目的)を持つ仲間を得て、相互に支え合うことができます。しかしながら、同じメンタルヘルス疾患で悩んでいるリワークプログラムの仲間復職支援プログラムの仲間)は悩みを相互に理解し共有して助け合える一方で、なかなか日常で得られない友人であるため相互の距離を取りにくい場面も出てきます。社会人としての適度な距離感を持ちつつリワークプログラムの仲間としての関係性復職支援プログラムの仲間としての関係性)を維持していくことは重要であり、そのために復職支援スタッフが必要に応じて介入リワークスタッフが必要に応じて介入)をしなければならない場面もあります。それでも、リワークプログラムの仲間との体験復職支援プログラムの仲間との体験)は復職後リワーク後)にも大きな支えとなり、リワークプログラムに継続した参加復職支援プログラムに継続した参加)を果たすことにより得られる大きな収穫です。
対象を限定したリワークプログラム対象を限定した復職支援プログラム
⇒気分障害圏や不安障害圏のような一定の範囲のメンタルヘルス疾患リワークプログラム利用者に限定復職支援プログラム利用者に限定)して、リワークプログラムを実施復職支援プログラムを実施)している復職支援施設が多いリワーク施設が多い)です。いろいろなメンタルヘルス疾患が混在するとリワークプログラムの運営復職支援プログラムの運営)が複雑になり、復職支援スタッフにとっては運営上の困難リワークスタッフにとっては運営上の困難)が生じます。メンタルヘルス疾患を限定すれば集団の凝集性は高くなり、リワークプログラム利用者復職支援プログラム利用者)と復職支援スタッフ双方リワークスタッフ双方)にとってきわめて大きい利点となります。
また、リワークプログラムの対象者復職支援プログラムの対象者)を休職中の者に限定して復職支援休職中の者に限定してリワーク)する目的とするのか、または、失職中のリワークプログラム利用者失職中の復職支援プログラム利用者)も受け入れて就労支援も行うかによっても、集団リワークプログラムは大きく影響集団復職支援プログラムは大きく影響)を受けます。したがって、気分障害などメンタルヘルス障害現在休職中のリワークプログラム利用者に限定現在休職中の復職支援プログラム利用者に限定)し、リワークプログラムの目的復職支援プログラムの目的)を復職および再休職の予防リワークおよび再休職の予防)とすれば、リワークプログラムを実施する上で有利復職支援プログラムを実施する上で有利)に働くと言えます。一部の復職支援施設一部のリワーク施設)では失職中で就労を目的としたリワークプログラム利用者就労を目的とした復職支援プログラム利用者)を受け入れている復職支援施設受け入れているリワーク施設)もあるものの、このようなことから失職後一定期間のリワークプログラム利用者失職後一定期間の復職支援プログラム利用者)に限って受け入れている復職支援施設限って受け入れているリワーク施設)が多いです。
上記のように、均一な集団であることはリワークプログラムの内容復職支援プログラムの内容)を規定する因子として大きく、また、復職支援スタッフの負荷リワークスタッフの負荷)を減らし、リワークプログラムの円滑な運営復職支援プログラムの円滑な運営)を行う上でも欠かせない点です。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


復職支援(リワーク)(その111)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の111回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワーク(Re-Work)とは?〗(ⅩⅩⅠ)
リワークプログラム復職支援プログラム)❾
復職支援施設リワーク施設)など医療機関におけるリワークプログラム医療機関における復職支援プログラム
(1)リワークプログラムのはじまり復職支援プログラムのはじまり)と広がり
⇒2007(平成19)年に厚生労働省が実施した労働者メンタルヘルス状況調査によると、過去1年間においてメンタルヘルス上の理由により連続1ヵ月以上休業または退職した勤労者がいる事業場の割合は、7.6%となっています。規模が100~299人の事業場では37.5%と少ないものの、300~999人では67.0%、1,000人以上では90%以上となり、一定規模以上の事業場では相当の割合でメンタルヘルス上の理由により休職または退職した勤労者を抱えていると考えられます。一方、厚生労働省の患者調査の推計患者数では、1996(平成8)年には気分障害(躁うつ病を含む)などメンタルヘルス障害は60.3万人であったが、2008(平成20)年には108.81万人と大幅に増えており、受療率でも気分障害(躁うつ病を含む)などメンタルヘルス障害の受療率は人口10万人当たり平成8年の48人から平成20年には85人と、ほぼ倍増しています。
このような背景のもと、企業内でうつ病などメンタルヘルス不調で休職する社員が増えるとともに、いったん復職しても再度休職リワークしても再度休職)する社員も多く見られるようになっています。復職しても再度休職する要素リワークしても再度休職する要素)としては、現代型のうつ病が増えてきたとの指摘がなされており、休養と薬物療法による治療では復職が困難な事例も多く発生リワークが困難な事例も多く発生)するようになってきています。そのために新たな治療手法として、心理療法とリハビリテーションが注目されるようになったと言えます。
休職中の社員に対して職場復帰を目的リワークを目的)とするリハビリテーションは、1997(平成9)年にメンタルヘルス科作業療法の枠組みで始めた職場復帰援助プログラムリワーク援助プログラム)(RAP)を先がけとし、その後2005(平成17)年に始めたメンタルヘルス科デイ・ケアを中心にショートケア、集団通院メンタルヘルス療法などの診療報酬上での枠組みを利用して全国のメンタルヘルス専門医療機関に広がっていきました。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


復職支援(リワーク)(その110)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の110回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワーク(Re-Work)とは?〗(ⅩⅩ)
リワークプログラム復職支援プログラム)❽
メンタルヘルス専門医療機関での戦略的リワークプログラム戦略的復職支援プログラム
③「育て鍛える」職場復帰支援リワーク支援
⇒すでに述べた(2018年9月16日掲載)ように、「1983(昭和58)年の職業リハビリテーション及び雇用(障害者)条約(第159号)」では、障害者を、「身体的又はメンタルヘルス的障害のため適当な職に就き、これを継続し及びその職業において向上する見通しが相当に減少している者」と定義しています。この定義も示しているように、メンタルヘルス疾患と就業可能性との関係は、メンタルヘルス疾患が“原因”で就業可能性が“結果”と捉えられやすいです。メンタルヘルス疾患が悪化したために、就業が困難になるという認識です。しかし、メンタルヘルス疾患と就業可能性との関係はそれだけではないです。過酷な職場環境の結果としてメンタルヘルス疾患が発症することがあります。ハラスメント事例などがこれに当たります。また、企業が求める役割期待に労働者が能力的に応えることが難しく、その結果メンタルヘルス疾患をきたすこともあります。潜在的に役割期待と労働者の能力との間にミスマッチがあり、それがメンタルヘルス疾患という形で顕在化した場合です。改めていうまでもなく、職場復帰や就業継続リワークや就業継続)のための復職支援方法リワーク方法)はそれぞれの場合によって異なります。メンタルヘルス疾患が原因の場合は、メンタルヘルス疾患の医学的治療や職業リハビリテーションが重要な役割を果たします。ハラスメント事例の場合は、職場環境改善が欠かせないです。ミスマッチの場合は、労働者の働く能力を「育て鍛えて」、役割期待に見合ったものにすることを目指したり、自らの働く能力について労働者の自覚を促しキャリアを検討したりすることが必要になります。
医療機関におけるリワークプログラム医療機関における復職支援プログラム)や地域障害者職業センターにおけるリワーク支援地域障害者職業センターにおける職場復帰支援)、さらにEAP事業者におけるリワークプログラムEAP事業者における復職支援プログラム)でも「育て鍛える」復職支援に相当する取り組みリワークに相当する取り組み)自体は行われていると認識しており、戦略的リワークプログラムでも事例ごとに様々な取り組み戦略的復職支援プログラムでも事例ごとに様々な取り組み)や「育て鍛える」復職支援「育て鍛える」リワーク)を行っています。それでも「育て鍛える」という視点を改めて言葉として掲げたのは戦略的リワークプログラムの特徴戦略的復職支援プログラムの特徴)であると考えているからです。戦略的リワークプログラムでは、この「育て鍛える」という視点戦略的復職支援プログラムでは、この「育て鍛える」という視点)から、メンタルヘルス不調による休職から、その労働者がその企業において働き続けるために克服すべき「成長課題」を見出せるように努力します。そして、その成長課題の克服をメンタルヘルス不調再発予防策として捉えて、復職支援を行い再発予防策として捉えて、リワークを行い)ます。
戦略的リワークプログラムの課題戦略的復職支援プログラムの課題)ー「中間地帯 no man’s land」という文脈ー
⇒ここまで、復職支援は行うべきものリワークは行うべきもの)という文脈で述べてきました。しかし、復職支援を実践リワークを実践)するにはそのほかにも考えるべきことがあります。それは、産業精神保健の現場は、中間地帯 no man’s land だということです。中間地帯とは無人地帯ともよばれ、係争中の領地でどの勢力からも占有されていない土地のことを指します。その土地を挟んで対抗勢力が対峙します。そこに不用意に踏み込もうものなら、たちまち相手から狙い撃ちされてしまいます。そのため、双方それ以上前に進むことのできない地帯を指すのです。
産業精神保健には、組織、経営、医療、心理、福祉など様々な視点が含まれます。したがって、その責任を一手に引き受けることは誰もできないです。その意味で、産業精神保健の現場には、中間地帯という文脈が存在するのです。その結果、ともすれば誰も当事者意識をもたない状況が生じます。職場管理監督者や人事担当者にしてみれば、メンタルヘルス障害をもつ労働者を再び働けるようにしたとしても、特別彼らが評価されることはないです。それどころか、メンタルヘルス障害をもつ労働者に下手にかかわって、その労働者が再びメンタルヘルスを崩したり最悪自殺したりしようものなら、彼らのその後のキャリアには傷がつきかねないです。産業医や主治医(精神科医・心療内科医)にしても、下手にかかわると本来労使で解決すべき問題を医学の問題にすり替えられ、企業に都合よく利用されるおそれがあります。それでは、誰もかかわりたくなくなるのが当然です。
中間地帯という文脈をもたず、リワークプログラムは積極的に行うべき復職支援プログラムは積極的に行うべき)という「べき論」だけで、リワークプログラムの実践復職支援プログラムの実践)に取り組んだならば、リワークプログラムの取り組み復職支援プログラムの取り組み)は現場の実状から乖離したものとなり、失敗に終わることは火をみるよりも明らかです。したがって、戦略的リワークプログラム成功の鍵戦略的復職支援プログラム成功の鍵)は、復職支援の関係者リワークの関係者)にいかに負担をかけ過ぎない形で復職支援を実施リワークを実施)できるかにかかっています。
ここまでリワークプログラムの理論復職支援プログラムの理論)を、リワークプログラムの歴史復職支援プログラムの歴史)を辿りながら明らかにしました。某メンタルヘルス専門医療機関内にある復職支援施設リワーク施設)が、リワークプログラムの理論に「育て鍛える」視点を加えて開発復職支援プログラムの理論に「育て鍛える」視点を加えて開発)した、戦略的リワークプログラムについて戦略的復職支援プログラムについて)述べました。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


復職支援(リワーク)(その109)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の109回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワーク(Re-Work)とは?〗(ⅩⅨ)
リワークプログラム復職支援プログラム)❼
メンタルヘルス専門医療機関での戦略的リワークプログラム戦略的復職支援プログラム
職場復帰過程の可視化と標準化リワーク過程の可視化と標準化
戦略的リワークプログラムにおいて戦略的復職支援プログラムにおいて)は、職場復帰の目標リワークの目標)は、単に職場復帰する単にリワークする)ことではなく、職場で求められる役割期待に応えながら働き続けることであると考えています。この復職目標を達成リワーク目標を達成)するには、メンタルヘルス専門医療機関内の復職支援施設リワーク施設)で働いている復職支援スタッフリワークスタッフ)と労働者だけでなく、職場管理監督者、人事担当者、産業医、産業保健スタッフなど職場復帰支援リワーク支援)の関係者が同じ復職目標同じリワーク目標)に向かって積極的に職場復帰過程にかかわること積極的にリワーク過程にかかわること)が不可欠です。職場復帰支援の関係者リワーク支援の関係者)が同じ方向を向き足並みをそろえるための工夫として、職場復帰過程の可視化リワーク過程の可視化)と標準化を行っています。
職場復帰支援の関係者がイメージリワーク支援の関係者がイメージ)しやすいように、職場復帰過程を「骨折したスポーツ選手がレギュラーに復帰する」過程として可視化リワーク過程を「骨折したスポーツ選手がレギュラーに復帰する」過程として可視化)しています。骨折とメンタルヘルス疾患では異なる部分があります。ただ、仕事に復職する仕事にリワークする)、仕事を続けるという点からいえば、共通する部分も少なくないです。仕事をすることがメンタルヘルス疾患の悪化につながらない程度まで治療をしっかり行い、次に日常生活が規則正しく送れるようにリハビリテーションを行います。それができたら、仕事に復職するためのリハビリテーションリワークするためのリハビリテーション)(練習)を開始します。仕事に復職したら、段階的に負荷を上げて通常勤務(レギュラー復帰)を目指しリワークしたら、段階的に負荷を上げて通常勤務(レギュラー復帰)を目指し)ます。仕事に復職する目途リワークする目途)が立ってきたら、メンタルヘルス不調の再発予防の策定も忘れないです。これら職場復帰の目標に対しリワークの目標に対し)、職場復帰過程リワーク過程)を休養治療期、職場復帰準備期リワーク準備期)、試し出勤期、復職後リワーク後)支援期の4つに分け、それぞれの復職過程の時期リワーク過程の時期)で取り組むべき課題として標準化します。休養治療期、職場復帰準備期、試し出勤期リワーク準備期、試し出勤期)は各時期の課題をクリアすることで次に進むことができるが、復職後支援期リワーク後支援期)だけは課題設定と同時に期間設定を行います。2か月ごとに就業制限を緩和し、通常勤務に向けて業務割当を増やしていくのです(図1)。
◇図1 復職後支援期の課題設定リワーク後支援期の課題設定)と期間設定
『・復職後1か月~2か月リワーク後1か月~2か月):定時勤務相当の業務を継続して行える。残業および休日出勤は禁止
復職後3か月~4か月リワーク後3か月~4か月):通常勤務に向けて業務負荷のステップアップ。残業は月20時間以内
復職後5か月~6か月リワーク後5か月~6か月):通常勤務に向けてさらに業務負荷のステップアップ。残業は月45時間以内
復職後7か月以降リワーク後7か月以降):就業制限を解除し、通常勤務』
復職後支援期を課題設定かつ期間設定リワーク後支援期を課題設定かつ期間設定)で行う目的は大きく分けて2つあります。1つは、職場が被る負担が過剰にならないようにするためです。職場復帰には、職場の協力と配慮が不可欠リワークには、職場の協力と配慮が不可欠)です。最初は協力的だった職場も、配慮が長期化したり休職と復職が繰り返されリワークが繰り返され)たりすると、配慮を負担に感じ非協力的になることが少なくないです。こうした現象を防止するのです。もう1つは、働き続けるための課題に向き合うためです。職場復帰を目指す労働者リワークを目指す労働者)の中には、そうした課題を認識できていない人が少なくないです。「自分は働けないかもしれない」という可能性に向き合うのが不安で目を逸らしている人もいるが、根拠なく「自分は働けるはず」と信じ込んでいる人もいます。職場復帰を目指し課題への認識がない労働者リワークを目指し課題への認識がない労働者)が働き続けられるようになるには、自らの課題に向き合いそれを克服する必要があります。課題設定かつ期間設定という復職後支援期での枠組みリワーク後支援期での枠組み)によって、取り組むべき課題がある場合には、それはメンタルヘルス不良、勤怠不良、想定したアウトプットが出ないという形で明らかになります。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


復職支援(リワーク)(その108)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の108回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
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リワークプログラム復職支援プログラム)❻
メンタルヘルス専門医療機関での戦略的リワークプログラム戦略的復職支援プログラム
医療機関におけるリワークプログラム医療機関における復職支援プログラム)、地域障害者職業センターにおけるリワーク支援職場復帰支援)、そしてEAP事業者におけるリワークプログラムEAP事業者における復職支援プログラム)それぞれの特徴を活かしつつ、某メンタルヘルス専門医療機関内にある復職支援施設リワーク施設)で開発されたのが、戦略的リワークプログラム戦略的復職支援プログラム)です。戦略的リワークプログラムが目指す戦略的復職支援プログラムが目指す)のは、「ストレスメンタルヘルスと成長の糧とできる社会の実現」です。戦略的リワークプログラムの特徴戦略的復職支援プログラムの特徴)として、メンタルヘルス専門医療従事者復職支援スタッフリワークスタッフ))による内部EAP体制、職場復帰過程リワーク過程)の可視化と標準化、および「育て鍛える」復職支援「育て鍛える」リワーク)をあげることができます。
①内部EAP体制
⇒わが国のEAP事業者の多くは、プライバシー個人情報)の保護および費用的な理由から、企業と一定の距離をおく外部EAP体制をとっています。これに対して、戦略的リワークプログラムでは臨床心理士3名が契約企業に常駐戦略的復職支援プログラムでは臨床心理士3名が契約企業に常駐)し、メンタルヘルス科専門医精神科医・心療内科医)が週4コマ(1コマ3時間)勤務するという内部EAP体制を採用しました。その目的は、メンタルヘルス復職支援の専門家リワークの専門家)がいつもいるという文化を企業の中に作ることに加えて、内輪になるためでもありました。メンタルヘルス障害をもつ労働者の復職支援労働者のリワーク)を行うためには、メンタルヘルス医学や産業医学の知識に加えて、職場環境に関する認識が不可欠です。具体的には就業規則はもとより、言語化されにくい社内風土や価値観、さらに企業が直面するビジネス状況などについて認識しておく必要性です。これらの認識は、内輪となり企業の人々と日常的に交流する中で獲得できます。また、日常的な交流は、復職支援のための職場管理監督者、人事担当者、産業医、産業保健スタッフとの関係構築リワークのための職場管理監督者、人事担当者、産業医、産業保健スタッフとの関係構築)にも役立ちます。こうした知識と関係性を得ることによって、企業の実情に即した企業とのコーディネート(復職調整リワーク調整))を行うことができ、連携もスムーズになります。また、内部EAP体制の大きな利点として、休職に至った経緯について労働者本人からだけでなく職場や人事担当者などからも情報を得られることです。休職に至った経緯を労働者本人が常に正確に認識できているとは限らず、周囲の認識と大きく異なっていることが少なくないです。換言すれば、企業側は見当はずれの認識で職場復帰してくる労働者リワークしてくる労働者)に対してヤキモキすることが少なくないです。ヤキモキしつつも、そのことを労働者にどう伝えてよいかわからず困っているのです。内部EAP体制をとることで、メンタルヘルス科専門医師精神科医師・心療内科医師)は複数の情報を得てより客観的な視点をもつことができます。労働者本人との話し合いで、職場からみた認識を話題に出し検討することもできます。医学的な評価も加味しながらより実効性のあるメンタルヘルス不調の再発予防策を策定することが可能になります。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


復職支援(リワーク)(その107)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の107回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
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リワークプログラム復職支援プログラム)❺
■地域障害者職業センターにおけるリワーク支援職場復帰支援
⇒「地域障害者職業センターにおけるリワーク支援地域障害者職業センターにおける職場復帰支援)」は、2001(平成13)年に障害者職業総合センターが、メンタルヘルス専門医療機関やEAP事業者から職場復帰支援に関する情報収集リワーク支援に関する情報収集)を行ったことにはじまります。その復職支援に関する情報リワークに関する情報)をもとに、従来から行われていた新規雇用のための「職業レディネス指導事業」のカリキュラムを弾力的に活用して、リワーク支援を開発職場復帰支援を開発)しました。
リワーク支援において職場復帰支援において)も、休職者に対して復職準備性リワーク準備性)の向上を図るための通所リワークプログラムを提供復職支援プログラムを提供)しているが、その最大の特徴はコーディネート機能にあります。休職者自身への働きかけを主とするリワークプログラム休職者自身への働きかけを主とする復職支援プログラム)とは対照をなします。
企業とのコーディネート(復職調整リワーク調整))では、企業側の復職支援企業側のリワーク)における基本姿勢や具体的な復職要件リワーク要件)を確認することと併せて休職者の意向や状況を伝達し、企業と休職者と双方の方向性や目標を共有します。職場適応援助者(ジョブコーチ)による復職支援事業リワーク事業)もこの延長線上に位置づけられます。地域障害者職業センターにはメンタルヘルス専門の医療的体制がないため、主治医(精神科医・心療内科医)との連携も行います。主治医(精神科医師・心療内科医師)とのコーディネート(復職に関する情報収集リワークに関する情報収集))では、休職者が有するメンタルヘルス的な課題や地域センターが復職支援を行う際リワークを行う際)に留意しなくてはならない事項を確認しています。メンタルヘルス専門医療機関との連携をさらに深めた「メンタルヘルス障害職場再適応支援リワークプログラム職場再適応支援復職支援プログラム)ーーリワーク機能復職支援機能)を有するメンタルヘルス専門医療機関と連携した復職支援医療機関と連携したリワーク)ーー」という試みも存在します。
EAP事業者におけるリワークプログラムEAP事業者における復職支援プログラム
⇒米国では19世紀から職場におけるアルコールの弊害が明らかになってきました。この問題への対策がEAPのはじまりです。その後、1970年代からは労働者の業務パフォーマンスを低下させる問題全般を取り扱うリワークプログラムへと展開復職支援プログラムへと展開)しました。リワークプログラムの対象復職支援プログラムの対象)となるのは、従業員およびその家族の他に、組織の管理職や組織全体も含まれます。ここで培われた技術を応用して「EAP事業者における復職支援EAP事業者におけるリワーク)」(EAP復職支援EAPリワーク))は行われています。休職者とのカウンセリング・トレーニング、および職場関係者・家族・主治医(心療内科医・精神科医)との連携は他の復職支援と共通する部分が多い他のリワークと共通する部分が多い)が、企業ごとの職場復帰支援企業ごとのリワーク支援)の仕組み作りの復職支援仕組み作りのリワーク)は、このEAPリワークプログラムEAP復職支援プログラム)の特徴といえます。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


復職支援(リワーク)(その106)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の106回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワーク(Re-Work)とは?〗(ⅩⅥ)
リワークプログラム復職支援プログラム)❹
メンタルヘルス専門医療機関におけるリワークプログラム医療機関における復職支援プログラム
メンタルヘルス障害者の就労(新規の雇用)を目指す職業リハビリテーションは、障害者職業総合センターを中心に行われてきたのに対して、メンタルヘルス障害により休業した労働者を対象とした職場復帰支援プログラムリワーク支援プログラム)は、メンタルヘルス専門医療機関内にある復職支援施設リワーク施設)による医学的リハビリテーションがはじまりです。
治療によってメンタルヘルス障害が改善して労働者が復職労働者がリワーク)しても、メンタルヘルス不調で再び休業する労働者が多いことは、職場だけでなくメンタルヘルス専門医療現場でもよく知られた問題でした。この問題の解決を目指して、1997(平成9)年11月から「職場復帰援助プログラムリワーク援助プログラム)R.A.P. : rework assist program」が開始されました。この復職援助プログラムは、メンタルヘルス科作業療法の一環として開発リワーク援助プログラムは、メンタルヘルス科作業療法の一環として開発)されました。メンタルヘルス科作業療法の「作業」とは、着替えなどの日常生活行動のほかに、家事、仕事、余暇、地域活動といった人の諸活動を指します。メンタルヘルス科作業療法では、創作的活動、スポーツ・レクリエーション活動、社会生活技能訓練(social skills training : SST)などを通して、日常生活能力や社会的動作能力の回復向上を目指します。復職援助プログラムR.A.P.リワーク援助プログラムR.A.P.)も規則正しい日常生活、パソコン作業、軽スポーツ、小グループといった作業を通して、メンタルヘルス障害をもつ労働者の働く能力の向上を目指していました。
その後、2005(平成17)年にデイケアの枠組みで応用したのをきっかけとして、「医療機関におけるリワークプログラム」は一気に脚光「医療機関における復職支援プログラム」は一気に脚光)を浴びました。と同時に、パソコン作業、軽スポーツを用いた従来のメンタルヘルス科作業療法的手法だけでは、働く能力を職場で求められる水準まで高めることは困難だということが徐々に明らかになってきました。それに伴い、リワークプログラムの内容復職支援プログラムの内容)は集団認知行動療法による対人関係能力の向上、休業に至った経緯の振り返りを通したメンタルヘルス不調の再発予防策の作成などに重点がおかれるようになってきています。また、リワークプログラムでの作業復職支援プログラムでの作業)自体もリワークプログラムの参加者復職支援プログラムの参加者)たちが協働して主体的にリワークプログラムを企画・実施復職支援プログラムを企画・実施)するといった、より業務に近いものを想定してリワークプログラムが行われる復職支援プログラムが行われる)ようになってきています。
以上、千里中央駅直結千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市心療内科杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。


火曜日勤務の葛原です。

稀勢の里、ヒヤヒヤ、ドキドキの相撲が続いている。玉鷲に負けた相撲では、観客が、あまりの弱さに、呆気に取られてシーンとなってしまった。なんとか早く勝ち越して来場所に繋げてくれ。栃ノ心も大関残留早く決めて欲しい。この2人の対戦は辛い、優勝争いなら、いざ知らず。
皆様は普段大相撲などスポーツ観戦されますか?職場での人間関係による精神的ストレス疲れメンタルヘルス不調を感じた時は、スポーツ観戦でストレス発散や気分転換するのもいいですよ。もし、それでも不眠不安イライラ気分の憂うつなどメンタルヘルス不調や、頭痛めまい動悸食欲の低下など体調不良が改善しない場合、豊中市 千里中央心療内科杉浦こころのクリニック」へ是非お越し下さい。


復職支援(リワーク)(その105)

千里中央大阪府 豊中市・千里ニュータウン)、心療内科 精神科医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援リワーク)」の105回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワーク(Re-Work)とは?〗(ⅩⅤ)
リワークプログラム復職支援プログラム)❸
職場復帰支援プログラムリワーク支援プログラム)は、メンタルヘルス疾患のために休業した労働者が再び就労し、それを継続できるように職場復帰支援リワーク支援)することを目的としており、その復職支援の目的達成リワークの目的達成)を目指した様々な取り組みを指します。
このリワークプログラムの取り組み復職支援プログラムの取り組み)の法的根拠は、国際労働機関による「1983(昭和58)年の職業リハビリテーション及び雇用(障害者)条約(第159号)」に求めることができます。この条約に日本は1992(平成4)年に批准しています。この条約では、「障害者 disabled person」を「身体的又はメンタルヘルス的障害のため適当な職に就き、これを継続し及びその職業において向上する見通しが相当に減少している者」と定義しています。それが目的とするのは、そうした障害者が「適当な職業に就き、これを継続し及びその職業において向上することを可能に」することです。その手段が「職業リハビリテーション vocational rehabilitation」です。そこには、一般労働者のための職業指導、職業訓練、職業紹介、雇用および関連の事業を、障害者向けに調整した、いわゆる職業リハビリテーションのほかにも、本来はメンタルヘルスの機能回復を目的とする医療的リハビリテーションの手法を就労や職場復帰に応用リワークに応用)したものや、従業員支援プログラム(employee assistance program : EAP)サービスの一環として行われるものが含まれます。
地域障害者職業センターで実施される「リワーク支援」は、職業指導や職業訓練などの手法をメンタルヘルス障害者向けに調整したものと考えることができます。メンタルヘルス専門医療機関内にある復職支援施設リワーク施設)における「リワークプログラム」は、メンタルヘルス科リハビリテーションを職場復帰支援に応用したもの「復職支援プログラム」は、メンタルヘルス科リハビリテーションを職場復帰支援に応用したもの)と位置づけられます。また、EAP事業者などが行っているリワークプログラムEAP事業者などが行っている復職支援プログラム)は、個人カウンセリングや組織コンサルテーションの手法を発展させたものです。
次回以降では、上記のような背景をもつリワークプログラムの理論と実践復職支援プログラムの理論と実践)について概観した後、メンタルヘルス専門医療機関での戦略的リワークプログラム戦略的復職支援プログラム)について述べます。
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