千里中央(大阪府豊中市・北摂千里ニュータウン)、心療内科(メンタルヘルス科)・復職支援(リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)による長期就労は可能か?」の8回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワークプログラム終了後(復職支援プログラム終了後)の関与〗
リワークプログラムが終了(復職支援プログラムが終了)すると、休職から復職(休職からリワーク)となるが、ここで大事な点はリワークプログラムの終了(大事な点は復職支援プログラムの終了)ではなく、復職は新たな再スタート地点(リワークは新たな再スタート地点)に過ぎないことです(図2)。復職後(リワーク後)にもフォローアップのためのリワークプログラム(フォローアップのための復職支援プログラム)を持っている復職支援施設(リワーク施設)などメンタルヘルス科医療機関(心療内科医療機関)も多く、メンタルヘルス不調(心療内科的健康不調)による再休職予防へのフォローアップ・リワークプログラムの寄与度(フォローアップ・復職支援プログラムの寄与度)は高いです。そして何より大切なのはメンタルヘルス科主治医(心療内科主治医)によるメンタルヘルス疾患(心療内科的健康疾患)のフォローです。
◇図2 リワークプログラムの治療構造(復職支援プログラムの治療構造):特にメンタルヘルス科主治医の関与(心療内科主治医の関与)は①と⑤で強く、リワークプログラムの関与(復職支援プログラムの関与)は②③④⑤で強い。復職時期(リワーク時期)は④と⑤の間が多い。
『①生活リズムの回復⇒メンタルヘルスの回復(心療内科的健康の回復)(メンタルヘルス科外来診療(心療内科外来診療)、生活指導)
②集団へなじむ、メンタルヘルス疾病教育(心療内科的健康疾病教育)、生活指導
③内省を通じての気付き(メンタルヘルス不調者(心療内科的健康不調者)による自己分析)
④心理リワークプログラム(心理復職支援プログラム)、集団リワークプログラム(集団復職支援プログラム)(役割、コミュニケーション)
⑤フォローアップ・リワークプログラム(フォローアップ・復職支援プログラム)セッション、認知行動療法、メンタルヘルス(心療内科的健康)疾患フォロー
⑥メンタルヘルス疾患治癒(心療内科的健康疾患治癒)』
メンタルヘルス科専門医(心療内科専門医)によるメンタルヘルス科治療(心療内科治療)は復職後当面の間(リワーク後当面の間)は続きます。復職後経過(リワーク後経過)が良いと会社では復職時(リワーク時)の就業制限が解除されてきます。復職後半年から1年(リワーク後半年から1年)のうちにも周囲の上司や同僚もメンタルヘルス不調者本人(心療内科的健康不調者本人)が休職していたことを忘れたかのように業務上の忙しさが戻ってきます。メンタルヘルス不調による休職(心療内科的健康不調による休職)前と同じようなストレス場面も出てきます。業務過多によるストレス時に通常は薬物療法の減薬はしないです。ストレス状況が続き、十分にメンタルヘルス症状(心療内科的健康症状)が安定していることを確認してから、徐々にメンタルヘルス科治療薬(心療内科治療薬)の減薬を始めます。メンタルヘルス科治療薬の減薬(心療内科治療薬の減薬)を繰り返していけば、薬物療法は終了します。通常にストレスにさらされながらもメンタルヘルス疾患は再燃(心療内科的健康疾患は再燃)しないメンタルヘルス状態が観察(心療内科的健康状態が観察)されるが、その時点がメンタルヘルス疾患治癒(その時点が心療内科的健康疾患治癒)です。復職支援施設を併設(リワーク施設を併設)しているメンタルヘルス科専門医療機関(心療内科専門医療機関)に転院してリワークプログラムをはじめて3~5年(復職支援プログラムをはじめて3~5年)くらいのうちにこのようなメンタルヘルス状態(心療内科的健康状態)へと進んでいきます。もちろんこれは理想的にうまくいった場合であり、メンタルヘルス不調により再休職する場合(心療内科的健康不調により再休職する場合)ももちろんあります。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援(リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
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復職支援(リワーク)による長期就労は可能か?(その7)
千里中央(大阪府豊中市・北摂千里ニュータウン)、心療内科(メンタルヘルス科)・復職支援(リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)による長期就労は可能か?」の7回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワークプログラムの概要(復職支援プログラムの概要)〗
リワークプログラムの基本的なステップ(復職支援プログラムの基本的なステップ)は図1に示すものです。
◇図1 リワークプログラムの三段階(復職支援プログラムの三段階)
『(第一段階)最低限必要なこと ●生活リズム、メンタルヘルス症状(心療内科的健康症状)の回復
(第二段階)認知の修正 ●メンタルヘルス疾病理解(心療内科的健康疾病理解)、メンタルヘルス疾患発症(心療内科的健康疾患発症)要因のメンタルヘルス分析(心療内科的健康分析)
(第三段階)行動変容 ●対人関係能力の改善』
第1段階では規則正しい生活リズムの中でメンタルヘルス状態(心療内科的健康状態)を安定させます。主にメンタルヘルス科通院治療(心療内科通院治療)により薬物療法に加え、自宅での療養中の生活指導では行動療法的なアプローチが用いられます。すなわち、規則正しい生活をすることによってメンタルヘルス症状が回復(心療内科的健康症状が回復)することを通じ、自己コントロール感を取り戻します。通常は1~2日のリワークプログラム参加(復職支援プログラム参加)から始め段階的にリワークプログラムの参加日数(復職支援プログラムの参加日数)を増やしていくのは、リワークプログラムなどリハビリテーションの原則(復職支援プログラムなどリハビリテーションの原則)です。
第2段階では集団に馴染むとともにメンタルヘルス疾病(心療内科的健康疾病)についての心理教育が行われます。また、メンタルヘルス不調による休職(心療内科的健康不調による休職)によって業務は免じられるが、メンタルヘルス不調者(心療内科的健康不調者)自らのメンタルヘルス疾病を直す(心療内科的健康疾病を直す)Sick Roleへの役割の転換を求められます。そしてメンタルヘルス不調による休職理由の自己理解(心療内科的健康不調による休職理由の自己理解)を促し、自己のメンタルヘルス課題(心療内科的健康課題)と環境におけるストレス要因を整理し、その相互関係の中で抑うつ気分などメンタルヘルス不調(心療内科的健康不調)が生じ休職に至ったことを知ることを通じて認知の修正を促します。
第3段階として、復職後(リワーク後)に休職時と同じメンタルヘルス不調への対処方法(心療内科的健康不調への対処方法)で対処したのでは容易に再休職につながるので、行動療法に基づいた集団リワークプログラム(集団復職支援プログラム)を行います。集団リワークプログラムの実施(集団復職支援プログラムの実施)によりかつてとは異なるしなやかさを備えた行動へと変容させたメンタルヘルス不調への対処行動(心療内科的健康不調への対処行動)を身に付け、復職後の再休職(リワーク後の再休職)へ備えます。
また、集団リワークプログラムはリハビリ(集団復職支援プログラムはリハビリ)であるので、メンタルヘルス科診察(心療内科診察)場面では得られないメンタルヘルス情報(心療内科的健康情報)から、しばしばメンタルヘルス科診断(心療内科診断)が変更されます。とくに、双極性障害の軽躁病相、発達障害などメンタルヘルス障害(心療内科的健康障害)に由来するコミュニケーション障害、不注意やこだわりなどの存在を確認することができます。加えて、リワークプログラムの工夫(復職支援プログラムの工夫)によってそれらに対してもメンタルヘルス科治療的な関与(心療内科治療的な関与)が可能です。
リワークプログラムの治療構造(復職支援プログラムの治療構造)の中で、リワークプログラムに入る前(復職支援プログラムに入る前)の時期はいわば建物でいうと土台を作る時期です。メンタルヘルス症状の改善(心療内科的健康症状の改善)はもちろんのこと、規則正しい生活リズムの回復が得られていることがリワークプログラムを始める基本的な条件(復職支援プログラムを始める基本的な条件)です。これが保証されないとその後のリワークプログラムの継続(復職支援プログラムの継続)は困難です。リワークプログラムが始まる(復職支援プログラムが始まる)と、当面の目標は集団での生活に慣れることです。その為に運動リワークプログラム(運動復職支援プログラム)やレクリエーション的要素を入れたリワークプログラム(レクリエーション的要素を入れた復職支援プログラム)やメンタルヘルス(心療内科的健康)の疾病教育などが用意されます。次いでメンタルヘルス不調による休職理由(心療内科的健康不調による休職理由)を自分で整理して理解することが必要となります。リワークプログラムの目標は再休職の予防(復職支援プログラムの目標は再休職の予防)であるから、メンタルヘルス不調により休職に至った(心療内科的健康不調により休職に至った)プロセスを詳細にメンタルヘルス面で検討(心療内科的健康面で検討)し、メンタルヘルス不調発症(心療内科的健康不調発症)から休職に至るメンタルヘルス症状の推移(心療内科的健康症状の推移)を知り、ストレスと感じた環境のメンタルヘルス要因(環境の心療内科的健康要因)と自己の中にあるメンタルヘルス要因(心療内科的健康要因)やメンタルヘルス課題を整理(心療内科的健康課題を整理)します。復職支援施設(リワーク施設)などメンタルヘルス科医療機関(心療内科医療機関)ではこの作業を「自己分析」と名付け、一つの重要な段階と位置づけています。その段階が終わると心理リワークプログラム(心理復職支援プログラム)が本格的に始まるが、環境と自己に関連するメンタルヘルス不調による休職要因(心療内科的健康不調による休職要因)が整理されているメンタルヘルス状態(整理されている心療内科的健康状態)であるので、心理リワークプログラムにも積極的に参加(心理復職支援プログラムにも積極的に参加)することができます。同時に、復職してからの再休職予防(リワークしてからの再休職予防)のために行動療法的な集団リワークプログラム(行動療法的な集団復職支援プログラム)では、ストレス場面での自己のメンタルヘルス課題(自己の心療内科的健康課題)が再現され、その際の行動変容を促すようにリワークスタッフ(復職支援スタッフ)がメンタルヘルス介入(心療内科的健康介入)することが非常に大事です。休職から復職後(休職からリワーク後)にもメンタルヘルス科診療は継続(心療内科診療は継続)されるが、復職後に生じる悩み(リワーク後に生じる悩み)やメンタルヘルス相談(心療内科的健康相談)を行う場であるフォローアップのためのリワークプログラム(フォローアップのための復職支援プログラム)や集団認知行動療法が実施され、再休職の予防を図ります。そして、フォローアップのためのリワークプログラムなどリハビリ(フォローアップのための復職支援プログラムなどリハビリ)におけるメンタルヘルス評価(心療内科的健康評価)も産業医へ提供され、復職判定(リワーク判定)の一助とされます。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援(リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
復職支援(リワーク)による長期就労は可能か?(その6)
千里中央(大阪府豊中市・北摂千里ニュータウン)、心療内科(メンタルヘルス科)・復職支援(リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)による長期就労は可能か?」の6回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖三つのリワーク(三つの復職支援)〗
近頃、「リワーク」という言葉(「復職支援」という言葉)が随所で様々な意味に使われ、リワークの概念(復職支援の概念)が混乱しています。このようなことから、リワークを表1に示す(復職支援を表1に示す)ように、メンタルヘルス科医療機関(心療内科医療機関)で行う「医療リワーク(医療復職支援)」、メンタルヘルス障害者(心療内科的健康障害者)職業センターで行う「職リハリワーク(職リハ復職支援)」、企業内や従業員支援プログラム(EAP)などで行われる「職場リワーク(職場復職支援)」に分けて考えられています。
これら3つのリワークの違いを表1に示す(3つの復職支援の違いを表1に示す)が、「医療リワーク」は、リハビリテーション(「医療復職支援」は、リハビリテーション)であり、メンタルヘルス科医療機関で行われて(心療内科医療機関で行われて)いるメンタルヘルス科治療を目的(心療内科治療を目的)としています。復職支援に特化(リワークに特化)したリワークプログラムが実施(復職支援プログラムが実施)され、メンタルヘルス不調者(心療内科的健康不調者)の再休職の予防を最終目標とした働き続けるメンタルヘルス状態(心療内科的健康状態)の回復とメンタルヘルス症状(心療内科的健康症状)の安定を目指したメンタルヘルス科治療(目指した心療内科治療)です。健康保険制度のもとで厚生労働省が定めるメンタルヘルス科施設基準(心療内科施設基準)のあるメンタルヘルス科デイケア(心療内科デイケア)やメンタルヘルス科作業療法(心療内科作業療法)あるいは集団メンタルヘルス科療法(集団心療内科療法)などで行われ、メンタルヘルス不調者本人(心療内科的健康不調者本人)の自由意思に基づき、リワーク費用(復職支援費用)の一部はメンタルヘルス不調者の自己負担(心療内科的健康不調者の自己負担)となります。
◇表1 3つの「リワーク」とその違い(3つの「復職支援」とその違い)
『①医療リワーク(医療復職支援):実施機関はメンタルヘルス科医療機関(実施機関は心療内科医療機関)/費用は健康保険/対象は休職者/主な目的はメンタルヘルス科治療(心療内科治療)と再休職予防
②職リハリワーク(職リハ復職支援):実施機関はメンタルヘルス障害者(実施機関は心療内科的健康障害者)職業センター/費用は労働保険/対象は休職者と事業主/主な目的は復職支援プラン(リワークプラン)に基づく復職支援(基づくリワーク)
③職場リワーク(職場復職支援):実施機関は企業内、EAPなど/費用は企業負担/対象は休職者/主な目的は労働させて良いかの見極め』
一方、厚生労働省傘下の独立行政法人高齢・メンタルヘルス障害(心療内科的健康障害)・求職者復職支援機構(リワーク機構)により都道府県に少なくとも1箇所置かれている地域メンタルヘルス障害者(地域心療内科的健康障害者)職業センターは、公共職業安定所と連携しながらリワーク相談(復職支援相談)から就労・職場復帰支援および職場適応(就労・リワーク支援および職場適応)までの一貫した職業リハビリテーションサービスを提供しています。そして、休職しているメンタルヘルス不調者(休職している心療内科的健康不調者)に提供されるサービスが「リワーク支援」(提供されるサービスが「職場復帰支援」)であり、民間企業に在籍するメンタルヘルス不調(心療内科的健康不調)による休職者の職場復帰(休職者のリワーク)と職場適応および雇用主をメンタルヘルス支援(心療内科的健康支援)していく職業リハビリテーションプログラムです。リワーク支援の目的(職場復帰支援の目的)はメンタルヘルス不調者の職場適応(心療内科的健康不調者の職場適応)と雇用主のメンタルヘルス支援(雇用主の心療内科的健康支援)であり、メンタルヘルス状態を回復(心療内科的健康状態を回復)させるためのメンタルヘルス科治療ではない(心療内科治療ではない)点が、メンタルヘルス科専門医療機関(心療内科専門医療機関)のリワークプログラムとの最も大きな違い(復職支援プログラムとの最も大きな違い)で、「職リハリワーク」と呼んで(「職リハ復職支援」と呼んで)います(表1)。もちろん、メンタルヘルス科主治医の許可(心療内科主治医の許可)も得て「リワーク支援」は始められる(「職場復帰支援」は始められる)が、メンタルヘルス科主治医(心療内科主治医)がうまく機能しないとメンタルヘルス状態の不安定(心療内科的健康状態の不安定)なリワーク支援利用者(職場復帰支援利用者)との間でトラブルになりがちです。したがって、メンタルヘルス状態が安定(心療内科的健康状態が安定)しており、メンタルヘルス科主治医ー患者関係(心療内科主治医ー患者関係)が良く、メンタルヘルス科主治医も協力的(心療内科主治医も協力的)であることが重要です。職場適応と雇用主へのメンタルヘルス支援(職場適応と雇用主への心療内科的健康支援)は、現状の医療リワーク(現状の医療復職支援)のリワークスタッフ(復職支援スタッフ)配置では実施がなかなか困難なため、職場へのリワーク支援(職場への職場復帰支援)が必要なケースに向くリワーク支援プログラム(必要なケースに向く職場復帰支援プログラム)です。
企業内で行われる復職支援(企業内で行われるリワーク)のための従業員向けリワークプログラム(従業員向け復職支援プログラム)などを「職場リワーク」と呼ぶ(「職場復職支援」と呼ぶ)場合があります(表1)。職場リワークは企業に所属(職場復職支援は企業に所属)するメンタルヘルス不調の社員(心療内科的健康不調の社員)に対し、安全に復職(安全にリワーク)を果たすために行う復職支援(果たすために行うリワーク)です。厚労省が「メンタルヘルス問題(心療内科的健康問題)により休業したメンタルヘルス不調者(休業した心療内科的健康不調者)の職場復帰支援の手引き(リワーク支援の手引き)」(復職支援ガイドライン(リワークガイドライン))で示したリワーク指針(復職支援指針)に盛り込まれた試し出勤やリハビリ出勤も職場リワーク(試し出勤やリハビリ出勤も職場復職支援)にあたります。これら職場リワークの背景(職場復職支援の背景)にはメンタルヘルス科主治医の発行(心療内科主治医の発行)する復職可能(リワーク可能)とする診断書どおりに復職(診断書どおりにリワーク)させても再休職が多いという現実に対応するメンタルヘルス措置(心療内科的健康措置)です。職場リワークは休職中に行われる(職場復職支援は休職中に行われる)ため、業務はさせないが出勤が可能かを確認でき、職場でのメンタルヘルス状態(職場での心療内科的健康状態)も観察することにより、復職させて安定した就労ができる(リワークさせて安定した就労ができる)のかを見極めることが大きな目的であり、「職場リワーク」(見極めることが大きな目的であり、「職場復職支援」)と呼んでいます。
この3つのリワークは目的も内容も異なる(3つの復職支援は目的も内容も異なる)ものであり、リワーク利用者の目的(復職支援利用者の目的)に応じた使い分けがされなければならないです。当初からメンタルヘルス状態が不安定(当初から心療内科的健康状態が不安定)でメンタルヘルス科診断(心療内科診断)もはっきりしないリワーク利用者(はっきりしない復職支援利用者)は医療リワークに導入(医療復職支援に導入)しなければならないです。当初からメンタルヘルス科治療を目的(当初から心療内科治療を目的)として職リハリワークに導入(職リハ復職支援に導入)されると復職がうまく達成(リワークがうまく達成)されないばかりでなく、メンタルヘルス状態の悪化(心療内科的健康状態の悪化)やメンタルヘルス症状の遷延化(心療内科的健康症状の遷延化)を招くことになりかねないです。小規模事業所でメンタルヘルス不調の社員(小規模事業所で心療内科的健康不調の社員)の休職者の経験が少ないところでは、職リハリワークでは事業主に適切なアドバイス(職リハ復職支援では事業主に適切なアドバイス)を与えることもできます。その違いを知って、上手にリワークを利用(上手に復職支援を利用)してほしいです。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援(リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
復職支援(リワーク)による長期就労は可能か?(その5)
千里中央(大阪府豊中市・北摂千里ニュータウン)、心療内科(メンタルヘルス科)・復職支援(リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)による長期就労は可能か?」の5回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワークプログラムの発展(復職支援プログラムの発展)の背景②〗
更に今後の職場における “抑うつ状態” のメンタルヘルス課題(心療内科的健康課題)として、成人になって気付かれる発達障害などメンタルヘルス障害を念頭(心療内科的健康障害を念頭)に入れることが必要です。知的能力は高いが、コミュニケーション能力は低く、入社して比較的間もない頃に不適応による適応障害などメンタルヘルス障害(心療内科的健康障害)を呈するメンタルヘルス例(心療内科的健康例)が、さほど珍しくないです。そういうメンタルヘルス不調者たちの過去(心療内科的健康不調者たちの過去)を辿っていくと、発達障害などメンタルヘルス障害を背景(心療内科的健康障害を背景)とし、メンタルヘルス障害が児童・思春期に発症(心療内科的健康障害が児童・思春期に発症)しているメンタルヘルス例も少なくない(心療内科的健康例も少なくない)です。リワークプログラムの利用者(復職支援プログラムの利用者)などメンタルヘルス不調者(心療内科的健康不調者)で発達障害などのメンタルヘルス障害を背景に持つ(心療内科的健康障害を背景に持つ)ようなリワークプログラムの利用者は20~30%(復職支援プログラムの利用者は20~30%)程度はいると考えておくべきであり、今後の大きなメンタルヘルス(心療内科的健康)課題です。
“抑うつ状態” のため休職となっても家庭で療養すればメンタルヘルス症状(心療内科的健康症状)は回復してくるが、複雑なメンタルヘルス症状(複雑な心療内科的健康症状)やメンタルヘルス疾患(心療内科的健康疾患)の背景があり復職可能(リワーク可能)とメンタルヘルス判断する時期(心療内科的健康判断する時期)の見極めは困難を極めます。就労を安全に継続できるメンタルヘルス症状の回復度(心療内科的健康症状の回復度)を復職準備性と呼んでいる(リワーク準備性と呼んでいる)が、会社の求めるメンタルヘルスレベル(心療内科的健康レベル)が近年では以前のメンタルヘルスレベル(以前の心療内科的健康レベル)より高くなっている可能性があり、経験のあるメンタルヘルス科医(心療内科医)によっても復職時期(リワーク時期)の見極めは容易ではないというメンタルヘルス認識(心療内科的健康認識)はメンタルヘルス科医にも理解(心療内科医にも理解)されてきています。このようなことからリワークプログラムの主要(復職支援プログラムの主要)なメンタルヘルス目的(心療内科的健康目的)は、復職準備性(リワーク準備性)をメンタルヘルス判断(心療内科的健康判断)することであるといえ、このメンタルヘルス面(心療内科的健康面)における点が会社の産業医や産業メンタルヘルス(産業心療内科的健康)スタッフの信用を勝ち得るところとなっています。
さらに日本における社会的背景である、働き方が大きく関係していることが指摘できます。過残業をはじめとするメンタルヘルス不調者(過残業をはじめとする心療内科的健康不調者)の自殺はその氷山の一角であり、職場のストレス要因は様々あることがメンタルヘルス面で指摘(心療内科的健康面で指摘)され、ストレスチェック制度へと結びつきました。職場結合性メンタルヘルス障害(職場結合性心療内科的健康障害)では、単にうつ病などメンタルヘルス不調だけ(心療内科的健康不調だけ)ではなく、双極性障害とりわけ双極Ⅱ型障害などメンタルヘルス障害の発症(心療内科的健康障害の発症)に関して時代性も関連したメンタルヘルス障害の発症メカニズム(心療内科的健康障害の発症メカニズム)があることが論じられています。
このようにいわゆるメランコリー親和型うつ病のような古典的なメンタルヘルス不調タイプ(心療内科的健康不調タイプ)のうつ病などメンタルヘルス不調(心療内科的健康不調)はリワークプログラムの利用者には極めて少なく(復職支援プログラムの利用者には極めて少なく)、多くはこれまで述べたメンタルヘルス障害(これまで述べた心療内科的健康障害)しかも非定型的なメンタルヘルス像(心療内科的健康像)を示すリワークプログラムの利用者が圧倒的に多く(復職支援プログラムの利用者が圧倒的に多く)、このメンタルヘルス面における点(心療内科的健康面における点)も時代のメンタルヘルス背景(時代の心療内科的健康背景)がこのリワークプログラムの必要度(復職支援プログラムの必要度)を上げていると感じられます。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援(リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
復職支援(リワーク)による長期就労は可能か?(その4)
千里中央(大阪府豊中市・北摂千里ニュータウン)、心療内科(メンタルヘルス科)・復職支援(リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)による長期就労は可能か?」の4回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワークプログラムの発展(復職支援プログラムの発展)の背景①〗
リワークプログラムに発展をもたらした(復職支援プログラムに発展をもたらした)もう一つ大きなメンタルヘルス要素(心療内科的健康要素)は、時代的な背景です。厚生労働省の『患者メンタルヘルス調査(心療内科的健康調査)』においてメンタルヘルス疾患(心療内科的健康疾患)をみると、2008(平成20)年にうつ病や躁うつ病などのメンタルヘルス障害(心療内科的健康障害)でメンタルヘルス科治療中(心療内科治療中)のメンタルヘルス不調者(心療内科的健康不調者)が100万人を超えました。ここで重要なことは、1999(平成11)年と比較してわずか9年後の2008(平成20)年に2倍以上に増えたという点です。このように10年以内にメンタルヘルス障害が2倍(10年以内に心療内科的健康障害が2倍)に増えるなかで、メンタルヘルス障害の表現型(心療内科的健康障害の表現型)が変わってきました。現代のメンタルヘルス障害(現代の心療内科的健康障害)のメンタルヘルス特徴(心療内科的健康特徴)は、①「他罰性」、②「強い不安」、③「過剰な元気さ」、に集約できると考えられます。
他罰性は現代風なうつ病であるディスチミア親和型うつ病や未熟型うつ病というような病型のメンタルヘルス特徴(病型の心療内科的健康特徴)ともされ、周囲の人への配慮がなく、つらいメンタルヘルス症状(心療内科的健康症状)の源を自分以外に求めるメンタルヘルス結果(心療内科的健康結果)として他罰的言動となります。メンタルヘルス背景(心療内科的健康背景)には自己へ向き合えない自己愛的で未熟な人格があり、現代型パーソナリティ障害との指摘もあります。家庭や学校における育ち方、育てられ方、少子化、逆境への経験不足などがあり、デイケアでのメンタルヘルス不調者間(心療内科的健康不調者間)での仲間体験が重要であるとも指摘されています。
「強い不安」に関しては、現代のメランコリー親和型ともいえる職場結合性うつ病などメンタルヘルス障害の中核的(心療内科的健康障害の中核的)な初期メンタルヘルス症状(初期心療内科的健康症状)が不安症状であり、漠然とした不安感であるが、身体的な緊張感を伴い、不安が強くなれば自律神経症状(発汗、動悸、息苦しさ、下痢、腹痛、吐き気や嘔吐、発熱など)が出現します。特に対人関係で不安が強くなると、会議や発表、上司の前で極度に緊張する、メンタルヘルス科主治医(心療内科主治医)やメンタルヘルス科外来(心療内科外来)を受診しても、検査上でも所見がなくストレス性とメンタルヘルス診断(心療内科的健康診断)されメンタルヘルス科専門病院(心療内科専門病院)に紹介されてきます。しかし、このような身体症状で始まっても、いずれは “抑うつ状態” を呈するようになります。
「過剰な元気さ」は、抑えられないテンションの高さであるが、一生続けば発揚気質の人と理解されます。しかし、このテンションが続かなければ、メンタルヘルスの波(心療内科的健康の波)を形成することとなり、メンタルヘルスが揚がっても(心療内科的健康が揚がっても)やがてメンタルヘルスが下がる(心療内科的健康が下がる)ことになります。メンタルヘルスが揚がるといっても、せいぜい110%(心療内科的健康が揚がるといっても、せいぜい110%)程度のメンタルヘルスレベル(心療内科的健康レベル)であるが、メンタルヘルスが下がる時は50%(心療内科的健康が下がる時は50%)以下となり “抑うつ状態” だけが目立つことになるので、反復性うつ病など本来とは違うメンタルヘルス障害(違う心療内科的健康障害)と誤ってメンタルヘルス診断(誤って心療内科的健康診断)されることが多いです。しかし、メンタルヘルス不調者本人(心療内科的健康不調者本人)にとってはメンタルヘルス状態(心療内科的健康状態)110%を100%と信じ、メンタルヘルス状態110%(心療内科的健康状態110%)をメンタルヘルス目標(心療内科的健康目標)とするので、時々テンションの高いメンタルヘルス時期(高い心療内科的健康時期)があるものの、低いメンタルヘルス時期(低い心療内科的健康時期)がすぐに来て、復職と休職(リワークと休職)を繰り返します。軽微双極性障害あるいは双極Ⅱ型障害という立派なメンタルヘルス障害(立派な心療内科的健康障害)であり、スペクトラムという連続性のメンタルヘルス疾患(連続性の心療内科的健康疾患)で捉えるという考え方もあります。抗うつ剤ではなく気分安定薬が必要であるが、メンタルヘルス効果(心療内科的健康効果)はなかなか得られず、薬物療法のみでのメンタルヘルスコントロール(心療内科的健康コントロール)はなかなか難しく、しばしば復職と休職を繰り返す(リワークと休職を繰り返す)ことになります。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援(リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
復職支援(リワーク)による長期就労は可能か?(その3)
千里中央(大阪府豊中市・北摂千里ニュータウン)、心療内科(メンタルヘルス科)・復職支援(リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)による長期就労は可能か?」の3回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワークプログラム(復職支援プログラム)の深化ー心理療法の導入〗
これまで述べたようにリワークプログラムは集団を対象(復職支援プログラムは集団を対象)に行うので集団療法としてのメンタルヘルス(心療内科的健康)視点が基本的にあるのだが、メンタルヘルス科的な手法(心療内科的な手法)としてのSST(社会技能訓練)などはこれまでも多用されてきました。しかし、メンタルヘルス科リハビリテーション(心療内科リハビリテーション)の領域で心理療法をそのメンタルヘルス科治療(心療内科治療)としてのリワークプログラムに系統的に取り入れた(復職支援プログラムに系統的に取り入れた)のは、メンタルヘルス障害(心療内科的健康障害)などの「抑うつ状態」をメンタルヘルス科治療対象(心療内科治療対象)としたこのリワークプログラムがおそらく最初(復職支援プログラムがおそらく最初)です。
当初、リワークプログラムの一環(復職支援プログラムの一環)として復職後(リワーク後)に集団認知行動療法がクローズドグループで開始されました。当時のリワークプログラムの内容(復職支援プログラムの内容)はまだまだ手探り状態で、運動リワークプログラム(運動復職支援プログラム)として卓球、自作のテキストを用いてメンタルヘルス疾患の勉強(心療内科的健康疾患の勉強)をするメンタルヘルス疾患教育(心療内科的健康疾患教育)、休職のメンタルヘルス原因(心療内科的健康原因)を探る自己分析、オフィスワークなどが主なものであったことから、メンタルヘルス科専門病院(心療内科専門病院)で実施されていた集団認知行動療法のメンタルヘルス専門スタッフ(心療内科的健康専門スタッフ)を講師として招き、復職支援施設(リワーク施設)のメンタルヘルススタッフ(心療内科的健康スタッフ)も加わって復職後の再休職(リワーク後の再休職)に対する予防目的のリワークプログラム(予防目的の復職支援プログラム)として取り入れられました。
その後、全国のメンタルヘルス科医療機関(心療内科医療機関)が集まりうつ病患者などメンタルヘルス不調者(心療内科的健康不調者)を対象としたリワーク研究会(復職支援研究会)が発足したが、その頃より認知行動療法等の心理療法をリワークプログラムに導入(復職支援プログラムに導入)する復職支援施設が増えて(リワーク施設が増えて)きました。2008(平成20)年度より厚生科学研究でリワークプログラムの標準化をテーマ(復職支援プログラムの標準化をテーマ)としたメンタルヘルス調査研究(心療内科的健康調査研究)の結果、2010(平成22)年には「標準化リワークプログラム(標準化復職支援プログラム)」の一つのメンタルヘルスカテゴリー(心療内科的健康カテゴリー)に心理療法が位置づけられ、リワークプログラムを形成(復職支援プログラムを形成)する一つの重要なメンタルヘルス要素(心療内科的健康要素)となりました。現在では全国のメンタルヘルス科医療機関(全国の心療内科医療機関)で行われているリワークプログラムのうち、約20%(復職支援プログラムのうち、約20%)が心理リワークプログラム(心理復職支援プログラム)で構成されています。行われる心理療法は認知療法、認知行動療法、行動療法、対人関係療法、サイコドラマなど多彩です。
このように、メンタルヘルス疾患(心療内科的健康疾患)による休職中のメンタルヘルス不調者(休職中の心療内科的健康不調者)が復職や再休職(リワークや再休職)の予防という共通のメンタルヘルス目的(心療内科的健康目的)を持つ均一なメンタルヘルス集団(心療内科的健康集団)が構成できたことは、リワークプログラムの成立(復職支援プログラムの成立)には重要な点であるが、加えて心理療法的アプローチがリワークプログラムを通してなされ、再休職予防(復職支援プログラムを通してなされ、再休職予防)へのメンタルヘルス効果(心療内科的健康効果)が発揮されています。そもそも職場で働くということは対人関係が主要なメンタルヘルス要素(対人関係が主要な心療内科的健康要素)であり、集団療法と心理療法を取り入れたリワークプログラムの成り立ち(復職支援プログラムの成り立ち)は自然なものであったと考えられるが、うまく融合した形でリワークプログラム化(復職支援プログラム化)されていることが大事です。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援(リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
復職支援(リワーク)による長期就労は可能か?(その2)
千里中央(大阪府豊中市・北摂千里ニュータウン)、心療内科(メンタルヘルス科)・復職支援(リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「復職支援(リワーク)による長期就労は可能か?」の2回目です。引き続き、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖リワークプログラム(復職支援プログラム)の黎明ー集団療法としての側面〗
リワークプログラムの先駆け(復職支援プログラムの先駆け)は1997(平成9)年より始められた職場復帰援助プログラム(リワーク援助プログラム)(RAP)であるが、当時は休職中のメンタルヘルス不調者(心療内科的健康不調者)を集め、リワークプログラムへ通所(復職支援プログラムへ通所)してオフィスワークなどの机上での作業や卓球などの運動を集団で行う集団療法の域を出るものではなかったです。それでもメンタルヘルス科診察室(心療内科診察室)内でのメンタルヘルス科診療(心療内科診療)で得られるメンタルヘルス情報(心療内科的健康情報)と比べると、集団の場でのメンタルヘルス(心療内科的健康)不調者の言動は多くの貴重なメンタルヘルス情報(貴重な心療内科的健康情報)が得られる点で大きなメンタルヘルス効果(心療内科的健康効果)がありました。
2005(平成17)年1月より診療報酬上でのメンタルヘルス科デイケア(心療内科デイケア)でリワークプログラムが始められた(復職支援プログラムが始められた)が、リワークプログラム中(復職支援プログラム中)に軽躁状態がかなり多い、あるいは、適応障害とはいうもののそのメンタルヘルス背景(心療内科的健康背景)に発達障害あるいはそのメンタルヘルス傾向(心療内科的健康傾向)が潜んでいることなどが見られたことから、集団の場から得られるメンタルヘルス情報(得られる心療内科的健康情報)からメンタルヘルス科診断(心療内科診断)が変更されることも珍しくないことがありました。したがって、リワークプログラムの役割(復職支援プログラムの役割)はメンタルヘルス科診断の場(心療内科診断の場)であると考え、薬物療法を見直す、あるいは、メンタルヘルス疾患(心療内科的健康疾患)やメンタルヘルス障害(心療内科的健康障害)に焦点を当てたリワークプログラムを開発(復職支援プログラムを開発)することにより、より深いレベルでのメンタルヘルス科診断(より深いレベルでの心療内科診断)に基づくメンタルヘルス科リハビリテーション(心療内科リハビリテーション)ができることとなりました。これらのことは集団療法としてのリワークプログラムの存在価値(復職支援プログラムの存在価値)が位置づけられたといえるでしょう。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援(リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
復職支援(リワーク)による長期就労は可能か?(その1)
千里中央(大阪府豊中市・北摂千里ニュータウン)、心療内科(メンタルヘルス科)・復職支援(リワークおよびリワークプログラム)協力医療機関「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回から「復職支援(リワーク)による長期就労は可能か?」というタイトルで、復職支援(リワーク)について詳しく触れたいと思います。
リワークプログラム(復職支援プログラム)とは、メンタルヘルス疾患(心療内科的健康疾患)とりわけメンタルヘルス障害(心療内科的健康障害)によって休職しているメンタルヘルス不調者(心療内科的健康不調者)を対象とする復職プログラムで、メンタルヘルス科医療機関のデイケア(心療内科医療機関のデイケア)などで再休職の予防を最終目標とするメンタルヘルス科治療(再休職の予防を最終目標とする心療内科治療)のための職場復帰プログラムです。現在、日本全国で220ヵ所以上のメンタルヘルス科医療機関(220ヵ所以上の心療内科医療機関)でリワークプログラムが実施(復職支援プログラムが実施)されています。そのようなリワークプログラムの発展(復職支援プログラムの発展)の経緯を検討すると3つの大事な要素があると考えられます。それは、①集団療法であるという点、②心理療法がリワークプログラム化(復職支援プログラム化)されていること、③時代性という背景、です。つまり、リワークプログラムは単なる集団療法(復職支援プログラムは単なる集団療法)ではなく、集団療法と心理療法が一体として提供されていることが重要です。リワークプログラムを必要(復職支援プログラムを必要)とする背景として、メンタルヘルス障害圏(心療内科的健康障害圏)のメンタルヘルス疾患の非定型化(心療内科的健康疾患の非定型化)を基とした広がりや発達障害などを背景とするメンタルヘルス不調(心療内科的健康不調)による休職者が増加した社会的背景があったことも関係しています。また、リワークの分類(復職支援の分類)には、メンタルヘルス科医療機関(心療内科医療機関)で行われるメンタルヘルス科治療(心療内科治療)としての医療リワーク(医療復職支援)、メンタルヘルス(心療内科的健康)障害者職業センターで行われる職業リハビリテーションとしての職業リワーク(職業復職支援)、そして、職場やEAPで行われる復職可否(リワーク可否)の見極めを行う職場リワーク(職場復職支援)に分けられ、それぞれリワークの役割(復職支援の役割)が異なることが指摘されます。リワークプログラムの概要(復職支援プログラムの概要)では、リワークプログラムの治療構造(復職支援プログラムの治療構造)についても言及し、復職後(リワーク後)にはじめてスタート地点に立つという意味で、復職後のフォロー(リワーク後のフォロー)とメンタルヘルス科治療も重要(心療内科治療も重要)である点に触れます。また、次回以降では、リワークプログラムの概要(復職支援プログラムの概要)やリワークプログラム終了後(復職支援プログラム終了後)の就労継続性を指標としたアウトカムデータも示し、今後のリワークプログラムの課題(復職支援プログラムの課題)についても述べます。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)・職場復帰支援(リワーク支援およびリワーク支援プログラム)協力医療機関「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
リワーク(復職支援)プログラム(その56)
千里中央(大阪府 豊中市・北摂 千里ニュータウン)、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク(復職支援)プログラム」の56回目です。引き続き、リワークプログラム(復職支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖復職支援成功のカギ(リワーク成功のカギ)はあせらないこと〗(Ⅷ)
◎職場向け復職支援アドバイス(リワークアドバイス)②
~企業向けの職場復帰支援(リワーク支援)機関もある~
■復職支援のことを相談(リワークのことを相談)できる
⇒多くの企業で、メンタルヘルスの不調によって休職するメンタルヘルス不調者が増えています。メンタルヘルス不調者の増加にともない、企業の復職支援の体制(リワークの体制)づくりが求められています。
各都道府県に設置されている産業保健推進センターなどでは、企業を対象に、メンタルヘルス専門の復職支援スタッフ(リワークスタッフ)が復職支援の体制づくり(リワークの体制づくり)のための復職支援相談に、無料で応じて(リワーク相談に、無料で応じて)います。
企業は、復職支援の公的機関(リワークの公的機関)でのリワークプログラムを活用(復職支援プログラムを活用)して、復職支援に関する(リワークに関する)疑問やメンタルヘルス問題を解消しましょう。
『①産業保健推進センター:独立行政法人労働者健康福祉機構が、各都道府県に設置しています。産業医、産業看護師、衛生管理者などの産業保健スタッフが復職支援(産業保健スタッフがリワーク)すると同時に、企業に対して職場のメンタルヘルス管理の啓発をしています』
『②メンタルヘルス対策支援センター:2009(平成21)年から産業保健推進センター内に設置されはじめました。メンタルヘルス不調の予防から復職支援(予防からリワーク)まで、職場のメンタルヘルス対策について、企業の復職支援相談(企業のリワーク相談)に応じています』
■社内の復職支援制度(リワーク制度)を見直すヒントに
⇒復職支援相談する際(リワーク相談する際)には、まず企業側が社内の復職支援制度(社内のリワーク制度)をセルフチェックします。休職しているメンタルヘルス不調者のメンタルヘルス状態を把握しているか、職場にメンタルヘルスの担当者がいるか、確認してから復職支援相談(確認してからリワーク相談)しましょう。
社内の復職支援制度を確認(社内のリワーク制度を確認)したうえで、各センターに、企業での望ましい復職支援の体制づくりへのとりくみ(リワークの体制づくりへのとりくみ)をたずね、復職支援制度の整備(リワーク制度の整備)をはじめます。
復職支援施設(リワーク施設)などメンタルヘルス科医療機関や職場復帰支援機関(リワーク支援機関)と連携をとることは、職場のメンタルヘルスの将来や復職支援の将来(リワークの将来)によい影響をもたらします。
『③そのほか:保健所や自治体でも、企業や地域を対象に、メンタルヘルス推進の啓発活動をおこなっています。また、民間EAPの復職支援(民間EAPのリワーク)が契約企業に対してリワークプログラムの提供(契約企業に対して復職支援プログラムの提供)をおこなっています』
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科(メンタルヘルス科)「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。
リワーク(復職支援)プログラム(その55)
千里中央(大阪府 豊中市・北摂 千里ニュータウン)、心療内科 精神科(メンタルヘルスケア科)「医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック」の杉浦です。
今回は「リワーク(復職支援)プログラム」の55回目です。引き続き、リワークプログラム(復職支援プログラム)について詳しく触れたいと思います。
【続き→】〖復職支援成功のカギ(リワーク成功のカギ)はあせらないこと〗(Ⅶ)
◎職場向け復職支援アドバイス(リワークアドバイス)①
~現場でメンタルヘルス問題や復職支援トラブル(リワークトラブル)が起こったら~
⇒リワークプログラム参加者(復職支援プログラム参加者)本人の復職支援をサポート(リワークをサポート)するいっぽうで、リワークプログラム参加者周囲(復職支援プログラム参加者周囲)の社員に復職支援のしわよせ(リワークのしわよせ)が発生してしまう場合があります。多くのメンタルヘルス問題や復職支援トラブルは、あまりにも扱いが不公平(リワークトラブルは、あまりにも扱いが不公平)だと同僚が感じたときに起こります。リワークプログラム参加者本人(復職支援プログラム参加者本人)の出勤時間を遅らせたり、リワークプログラム参加者本人自身(復職支援プログラム参加者本人自身)の仕事量を減らすなど、復職後(リワーク後)の軽減勤務の状態が長引くと、復職後の軽減勤務(リワーク後の軽減勤務)の影響で、復職支援での負担が増えた(リワークでの負担が増えた)同僚から「不公平だ」と不満の声があがりやすいです。メンタルヘルスへの理解や復職支援への理解(リワークへの理解)を求めることなく、復職支援での負担(リワークでの負担)をかけていると、同僚がストレスで爆発してしまいます。職場のメンタルヘルス問題や復職支援トラブルの背景(リワークトラブルの背景)に、メンタルヘルス疾患への理解の不足があると、よりいっそう大きなメンタルヘルス問題や復職支援トラブルが原因(リワークトラブルが原因)となります。職場側のメンタルヘルス問題への対応や復職支援トラブルへの対応(リワークトラブルへの対応)としては、復職後の慣らし勤務(リワーク後の慣らし勤務)や復職後の軽減勤務は一時的な措置(リワーク後の軽減勤務は一時的な措置)であることを周知します。次に、上司が妥当な業務指示をリワークプログラム参加者に出し(業務指示を復職支援プログラム参加者に出し)ます。業務指示以外のリワークプログラム参加者への「特別扱い」(復職支援プログラム参加者への「特別扱い」)はさけます。また、メンタルヘルス不調での休業・休職から復職(休職からリワーク)してきたリワークプログラムなどデイケア(復職支援プログラムなどデイケア)参加者本人が、ほかの社員の輪に入れず、メンタルヘルス状態が悪化することもあります。同僚がメンタルヘルス疾患を誤解していたり、メンタルヘルス不調者を意識しすぎたりして、メンタルヘルス不調者の顔色をうかがってしまいます。メンタルヘルス不調者への対応としては、すでに復職(すでにリワーク)しているのだから、メンタルヘルス不調者に話しかけて大丈夫だが、メンタルヘルス不調者に対する業務はしっかりと伝えます。メンタルヘルス不調者への声のかけ方に悩むなら、まずはメンタルヘルス不調者にメンタルヘルス状態をたずねることからはじめます。最初のうちは、上司が1~2週間に1回、メンタルヘルス状態を聞くのがよいです。メンタルヘルス不調者本人は「大丈夫です」というが、メンタルヘルス不調者本人に以前と同じ仕事を任せると、メンタルヘルス不調者本人が残業したり、メンタルヘルス不調者本人が自宅に仕事を持ち帰ったりしてしまいます。かといって、復職後の軽作業(リワーク後の軽作業)では復職後の業務負担(リワーク後の業務負担)が小さすぎます。復職後の業務負担への対応(リワーク後の業務負担への対応)としては、ステップ・バイ・ステップが原則。復職後、少しずつ負荷を上げて(リワーク後、少しずつ負荷を上げて)いきます。大きなメンタルヘルス問題や復職支援トラブルに発展(リワークトラブルに発展)させないために、復職支援チーム(リワークチーム)でメンタルヘルス問題や復職支援トラブルを共有(リワークトラブルを共有)し、職場のメンタルヘルス問題や復職支援トラブルの解決策(リワークトラブルの解決策)を探っていきます。
■同僚にリワークプログラム参加者への不満(復職支援プログラム参加者への不満)がたまらないように配慮
⇒復職時(リワーク時)に職場でメンタルヘルス問題の原因や復職支援トラブルの原因(リワークトラブルの原因)となることのひとつが、復職後の負担増(リワーク後の負担増)です。リワークプログラム参加者ひとり(復職支援プログラム参加者ひとり)が復職時にできないぶんの業務(リワーク時にできないぶんの業務)を、ほかの社員が負担するため、職場でのメンタルヘルス問題の悪化や復職支援トラブルの種(リワークトラブルの種)となります。
もともと職場でのリワークプログラム参加者の人間関係(復職支援プログラム参加者の人間関係)が良好ではなく、リワークプログラム参加者の休職(復職支援プログラム参加者の休職)によって「迷惑をこうむった」というリワークプログラム参加者への不満が社員の間に残っている(復職支援プログラム参加者への不満が社員の間に残っている)場合には、職場でのメンタルヘルス問題の悪化や復職支援トラブルはより起こりやすく(リワークトラブルはより起こりやすく)なります。
こうした復職後の職場状況(リワーク後の職場状況)のなかで、メンタルヘルス問題の更なる悪化や復職支援トラブルを防ぐ(リワークトラブルを防ぐ)には、現場にリワークプログラム参加者への不満(現場に復職支援プログラム参加者への不満)がたまらないように、復職後の周囲の負担(リワーク後の周囲の負担)について、リワークプログラム参加者本人が理解(復職支援プログラム参加者本人が理解)することが大切です。職場に復職(職場にリワーク)したリワークプログラムなどデイケア参加者(復職支援プログラムなどデイケア参加者)本人と上司は、産業医や人事担当者などの復職支援スタッフ(リワークスタッフ)らと復職支援相談(リワーク相談)しながら、メンタルヘルス対策や復職支援対策(リワーク対策)を講じていきましょう。
●復職後の配慮(リワーク後の配慮)が望ましい職種もある
⇒教員や復職支援施設(リワーク施設)などのメンタルヘルス科医療機関の復職支援施設スタッフ(リワーク施設スタッフ)、新聞記者、苦情処理担当など、業務に対人関係が大きく関わり、メンタルヘルス不調者ひとりで責任をもたなければいけない職種は、ストレスを抱えやすく、復職後の業務負荷の調整(リワーク後の業務負荷の調整)が難しい面があります。
業務での対人関係によるストレスを抱えやすい職場のメンタルヘルス不調者は、復職時に担任教諭にならない(リワーク時に担任教諭にならない)、復職時に内勤に変わる(リワーク時に内勤に変わる)などの復職支援対応(リワーク対応)をしたほうがよい場合もあります。
以上、千里中央駅直結・千里ライフサイエンスセンタービル16階・豊中市、心療内科(メンタルヘルス科)「杉浦こころのクリニック」の杉浦でした。