月別アーカイブ: 2018年7月

ピロリ菌治療後の人は、ABC検診を受けてはいけません!

森ノ宮胃腸内視鏡ふじたクリニック 院長の藤田です。

ちまたでは、ABC検診というのがよく行われています。導入する施設も増えています。
しかし、中には「ABC検診をしてはいけない」人が検査をされ、相談にこらえることがあります。そこで、今回はABC検診を受けてはいけない人の 解説をします。

■ABC検診とは

ABC検診とは別名「胃がんリスク分類」といって、胃がんにかかりやすいかを血液検査で調べることができるというものです。ピロリ菌感染を調べる抗体法と、胃炎の程度をしめすペプシノーゲン法とを組み合わせて、A/B/Cにランク分けします。

A群はピロリ菌抗体(-)ペプシノーゲン(-)で「ピロリ菌感染もなく、胃炎もない」という分類になります。C群はピロリ菌抗体(+)ペプシノーゲン(+)で「ピロリ菌感染して、胃炎も強い」という分類で、つまり胃がんのリスクが高いと考えられます。
Aが一番胃がんになりにくく 続いてB>Cの順になりにくいとされています。

■「ピロリ菌抗体」

ピロリ菌に感染すると、体内では抗体と言われる菌に特異的に反応する免疫物質ができます。ピロリ菌に感染した人はもちろん、ピロリ菌治療をした人でも抗体は残ります。しかし、その抗体の数値が低いと「抗体(-)」とされてしまうのです。

ピロリ菌に昔感染していた人は慢性胃炎が残り、胃がんリスクがあるのですが、ABC検診をうけると「A判定」とされることがあります。

■除菌後の人は、ABC検診を受けてはいけない!

もともとピロリ菌に感染していない人と、ピロリ菌治療をして除菌した人では、胃がんリスクが大きく異なります。しかし、ABC検診では、同じ「A判定」とされてしまうため安心してしまう人がいるのです。ちなみに除菌後の人は、E(Eradication:除菌)群とされ、ABC検診を受ける意味がないのです。

■そのほかにも、ABC検診を受けてはいけない人

●胃の手術をした
●胃酸を抑える薬を飲んでいる
●免疫抑制剤やステロイドを飲んでいる
●腎機能が低下している

以上の注意点を知ったうえで、ABC検診を受けるようにしましょうね。


胃がんになりにくい生活習慣とは?

森ノ宮胃腸内視鏡ふじたクリニック 院長の藤田です。

「胃がんのリスク検診(ABC検診)マニュアル」を読んでいて 非常に参考になるページがありましたので、一部を要約して解説します。

ズバリ テーマは「胃がんを遠ざける生活習慣」です。

ピロリ菌に感染していると胃がんになりやすいのは、このページを見ている方ならご存知だと思います。しかし、ピロリ菌に感染したからと言って全員が胃がんになるわけではありません。(10年で3%程度で胃がんが発症します)
そこで、少しでも胃がんになりにくくするための生活習慣のポイントをまとめます。

●タバコ
国際的にも 胃がんのリスクを「確実」に高めると判定されています。相対リスクは1.6倍程度を推計されています。

●塩分、塩蔵食品
塩分は胃がんリスクとなる「可能性が高い」と考えられています。タバコほどではないですが、やはり注意が必要です。特に男性で胃がんリスクが増加したとする報告があります。

●野菜
意外かもしれませんが?!、野菜や果物と、胃がん予防の関連はないか、あっても強くとされています。もちろん、だから野菜を取らなくてもいい、とはならないのですが。

●緑茶
緑茶にはカテキンという抗酸化物質があるのですが、胃がん予防効果は大きくはないと考えられています。女性では、緑茶の摂取量が多いほど予防効果があるという報告があります。
●コーヒーや飲酒
これも意外?!ほとんどの研究で関連が認められていません。

 

(少しでも胃がんになるリスクを減らすために)
■まとめ
野菜を多く摂って、塩分を控えること。そして禁煙すること。
そして何より大事なことは、ピロリ菌感染があれば除菌治療を行うことですね!

 


ペプシノーゲン法、って何?胃がんと関係あるの?

森ノ宮胃腸内視鏡ふじたクリニック 院長の藤田です。

今回は 最近検診でも測定されるようになってきたペプシノーゲンについて解説します。

 

■ペプシノーゲン(PG)とは

消化酵素ペプシンの不活性前駆物質で、胃内で分泌。その1%が血液中に流出する。
ペプシノーゲンⅠとペプシノーゲンⅡがあり、Ⅰは胃の中の胃底腺からのみ分泌され、Ⅱは胃底腺以外の胃粘膜(幽門腺や噴門腺など)からも分泌される。

炎症が強いとPGⅠ、Ⅱともに増加するが、特にⅡで上がる。
慢性胃炎(主にピロリ菌の影響)で胃の粘膜が萎縮されると、PG1、Ⅱともに減少するが、特にⅠが下がる。

■ペプシノーゲン法とは

胃粘膜が慢性胃炎で萎縮すると、それに比例してPGⅠとPGⅠ/Ⅱ比が下がることを原理としており、胃粘膜の萎縮の程度、胃がんのなりやすさのマーカーとなる。
PGⅠ≦70 かつ PGⅠ/Ⅱ≦3で「陽性」と診断する。(単位は省略)
ただし、あくまで「胃がんのリスク」であって、胃がんの診断では決してないことに注意!

一方、ピロリ菌除菌できると、PGⅠ↓Ⅱ↓↓となるため PGⅠ/Ⅱは↑になる。
除菌治療に失敗すると、そのような変化は認められないことから、除菌の成否や、胃炎の改善の指標にも用いられる。

 ■ペプシノーゲン法の注意点

①     ピロリ菌を除菌すると、炎症が軽くなるのでPGⅡが下がり、その結果PGⅠ/Ⅱが高くなるため、PG法「陰性」になってしまう。
②     ペプシノーゲン法陰性からでも胃がんの発生がある。(未分化がん)
③     胃薬(PPI プロトンポンプ阻害薬)を服用している場合や、腎機能が悪い人では数値が変わってしまうことがある。

今回はかなり難しい内容になってしまいました。ピロリ菌の専門家でないとなかなか分からない話だろうと思いますが、検診で受ける人は少しは知っておきたい情報です。

【森ノ宮胃腸内視鏡ふじたクリニック】大阪市内、JR森ノ宮駅直結 楽な胃カメラ、痛くない大腸カメラを行う内視鏡専門クリニックです。胃がんと大腸がんの撲滅に本気で取り組んでいるクリニックです。