ABC朝日放送「おはよう朝日です」2017年1月18日放送に中里院長・理学療法士の沼澤が出演しました。

TV出演】 おはよう朝日 けさのクローズアップ
「ある日突然痛みが! “ぎっくり首” の原因と対策」

【要旨】
”ぎっくり首” とは「急性頚部痛症」。つまり、急激に頚椎、首の骨に痛みが走るもので、外から力が加わったわけでもないのに、ある日突然痛みが出る病気です。
「ぎっくり腰」はみなさんよく聞かれると思いますが、同じようなことが首にも起こります。元々骨格や筋肉のバランスが悪かったところに、些細なきっかけで起こることが多いようです。適切な処置をしないとなかなか痛みが取れないこともあります。その原因と対策について見ていきます。up298204

【ぎっくり腰から見る「ぎっくり首」とは?】
●ギックリ腰は「急性腰痛症」と呼ばれますが、腰椎、つまり腰の骨がずれたりして、腰の筋肉や関節に障害が出て、急激に痛みが発生します。重いものを持ったり、無理な姿勢で立ち上がったりすることが「引き金」にはなっているが「すべての原因」ではありません。
●もともと腰の骨や筋肉のバランスが悪くなっていて、コップから水があふれる寸前だったのが、ちょっとした衝撃で一気にあふれた状態という場合がほとんどです。
●つまり同じように首にもともと問題があり、それがある「きっかけ」で首の筋肉に激痛が走る、それが「ぎっくり首」と言われるものです。

【ぎっくり首の原因とは?】
●例えばスマホのゲームなどをうつむいた状態で長時間続けていると、首の筋肉に無理な負荷がかかり硬直しやすくなります。その後、上向き加減になった瞬間に筋肉が損傷することがあります。
●そもそも頭の重さは5キロ以上あるので、ちょっと傾けただけでも首にかかる負荷は2~3倍になります。
●「慢性的な肩こり」は、すでに筋肉バランスが崩れている可能性があり、ぎっくり首の前兆とも言えます。ストレートネックも同様で、こういう状態は自律神経のバランスも崩れやすく、頭痛・めまい・下痢・便秘などの、様々な弊害をもたらします。

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【ぎっくり首は首回りだけではなくその他の関節にも関係あり】
●様々な関節や筋肉の動きを知るうえで、「スタビリティ」と「モビリティ」というものがあります。「スタビリティ」というのは、本来あまり動かない部分で安定してほしい部位で、「モビリティ」というのは、本来動く部分で硬くなってほしくない部位のことで、身体の中ではそれらが交互に並んでいます。
●「脊椎」にもそれがあって、下から順に「腰椎」はスタビリティ、「胸椎」はモビリティ、そして「頚椎」は一部スタビリティ。つまり胸椎を動かさずに、本来スタビリティである首を動かして、無理なうつむき姿勢を長時間取ると、首の筋肉への負荷、首関節への負荷が大きくなり、ぎっくり首を起こしやすくなります。
●「スタビリティの部位」に「モビリティ」の動きを要求すると障害につながります。

※ぎっくり首を防ぐには胸椎を柔軟にしておく。あるいは連動する肩甲骨や肩関節を動かしてあげることで、首への負担は軽くなります。

【ぎっくり首になってしまった時の対処法】
●痛い部分が熱を持っていれば冷やす、そうでなければ温めるのが良いです。それと痛みがあるうちは安静にして無理に動かさないほうがいいです。
●数日で痛みは取れていくが、それでも痛みが引かない場合は、頚椎そのものに問題がある可能性があるので、整形外科医で診察を受けましょう。

【ぎっくり首にならないためには?】
●首から上の無理な姿勢でスマホを長時間操作したり「うつむき」の状態を減らすことです。
●パソコン作業もできるだけ目線の高さを見るように。原稿も画面の横に置くといいです。
●30分に1回くらいは上を向いて、首の筋肉を伸ばすのも効果的です。

【リンク:ABC朝日放送 おはよう朝日(1月18日けさのクローズアップコーナー)】






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