鼻水との戦い

小児科医は、いくら咳・鼻水がひどくて受診しても、胸の音がきれいで元気なら「とりあえず心配ない」、とお母さん達に言い放ちがちです。

実際に子育てをしてみれば、いくら心配なくてもこんなに毎晩せき込んで吐いているのに、どーしたらいいっちゅーねん!と自分で自分につっこみを入れたくなります。

うちの長男もすごく鼻水が多いタイプのこどもなのですが、今年幼稚園に行きだしてからはひたすら風邪の猛ラッシュに合っています。

夏休みまではずっと風邪をひいている有様でした。

風邪をひいても元気だけども鼻水がとにかくひどいひどい。夜になると、鼻水が垂れこむせいで、咳込んで嘔吐することも少なくありません。

朝起きてからもしばらく激しくごほごほ咳をして、朝食も戻したりするのですが、幼稚園出発ぐらいになるといつも元気になるので、熱が出た時以外は幼稚園は休まず行けていますが。

かわいそうなのもあるし、深夜にシーツ交換や着替えをするこちらの体力もどんどん削られて。うーん、つらい。

防水シートやバケツの準備なども進めましたが、あまりにも頻度が多いので、結局家庭用の小さい鼻水吸引器を買い、以後快適に風邪を乗り切れるようになってきました。(2万円~3万円台くらいでネットなどで購入できます。電池で動くものよりはコンセントを使用するものの方がパワーがあり、おお勧めです。)

それなりの値段なので悩みましたが、もっと早く買ってあげていればと今は思います。

乳児や小さい幼児の風邪は主に「鼻水との戦い」と私は考えています。

あとからあとから沸いてくるこの鼻水。

もちろん体の防御反応として必要だから出ているのですが、量が多いとそのせいでむしろ苦しむことになるのです。

最近小児科では、鼻水止めは敬遠される方向になっています。

鼻水止めは見た目の鼻水の量を減らして、奥へ押し込むようなイメージのお薬。

アレルギー性鼻炎や花粉症の水のような鼻水には大変に有効ですが、かぜの悪い鼻水は出さなきゃいけない、という考えからです。

また、熱性けいれんの率を少し上げるという報告が増えてきているのも大きな要因と思います。

鼻水に対してのお薬は去痰薬がメインとなります。

むしろ痰や鼻水を外に出しやすくしましょう、というお薬です。

痰のからんだ咳も、かぜのウイルスを含んだ鼻水が胸に入らないように押し戻す大事な防御反応ですが、粘っこい痰はこどもの咳では出し切れないため咳がひどくなる、という寸法です。

元気だけれど鼻水だけ長く続くという場合には、新たな風邪をどんどんもらっているだけ、ということも少なくないのですが、濃~い黄色や緑色の鼻水が10日~2週間以上続く場合には細菌性の蓄膿を続発していることがあり、抗生剤が必要になる一つの目安になります。

私は鼻水を重要視しているので、耳鼻科の先生同様、鼻水の吸引を積極的に行っています。

おうちではなかなかたくさんの吸引は難しいですが、特にお風呂の後、寝る前の吸引は少し取れるだけでも夜間を楽にしてあげるのに一役買うことでしょう。

また、こよりで鼻を刺激して、くしゃみで鼻水を出させるように指導する小児科の先生もおられます。

咳と同じくくしゃみも風邪のウイルスを外に出す防御反応ですが、咳よりも体力を使わず、しかもたくさん鼻水が出てくるのはみなさん体験されていることと思います。

ところで、小児科と耳鼻科はとても密接な関係があり、お互い連携を取っていかなければいけない科です。

鼻水が多い子は、どうしても中耳炎や蓄膿を起こす可能性が高くなります。

耳の診察は、小児科医であれば一通りできてしかるべきですが、やはり正直耳鼻科の先生には遠く及ばないのです。

程度の強い中耳炎や、ふつうの抗生剤治療で改善しない場合、鼓膜切開が必要な場合もありますので私は積極的に耳鼻科の先生に紹介をさせていただいています。

LINEで送る





DDまっぷ ドクターブログ 一覧