月別アーカイブ: 2012年12月

予防接種その2 

我が家の次男も無事に生後2か月を超え、昨日、予防接種デビューしました。

私が自分の息子に行う予防接種のスケジュールは当然私が考える理想のものですが、みなさんの参考になればと思いここに記します。

まず、生後2か月を超えたら

(1)「ヒブ①、肺炎球菌①、(ロタリックス①、B型肝炎①)」。昨日うちの次男もこれを終えました。

ここから4週間以上あけて、かつ生後3か月を超えたら

(2)「ヒブ②、肺炎球菌②、四種混合①、(ロタリックス②、B型肝炎②)」。

さらに4週間以上あけて

(3)「ヒブ③、肺炎球菌③、四種混合②」。

その後3週間以上あけて

(4)「四種混合③」。

それから1週間以上あけて

(5)BCGの集団接種。

(6)最後にB型肝炎の3回目をお忘れなく。

 

注意点をいくつか

①ロタリックスは2回接種、ロタテックは3回接種で免疫の獲得には大きな差はありません。またtotalの値段もほぼ同じですので、ロタリックスでもロタテックでも大丈夫です。任意接種ですので、希望されない方は上記からロタワクチンを省いたスケジュールになります。

②ロタワクチンは1回目を生後15週までに開始することが推奨されており、当クリニックでもこの推奨に従っています。生後4か月以降からロタを希望されても接種できません。

③ロタワクチンはきわめて有効なワクチンですが、それでもヒブや肺炎球菌など致命的な髄膜炎を防ぐワクチンより優先するべきではないとの考えから当クリニックではロタワクチンの単独接種は行っていません。ロタワクチンを希望される方は必ずヒブ・肺炎球菌ワクチンなどとの同時接種になります。


予防接種その1

「予防接種の副作用が恐いので受けません」

「その予防接種は安全ですか?」

など、お母さんとしては当然とも言える不安や疑問、持たれたことはないですか?

「予防接種を受ける」、というのは「飛行機に乗る」というのに近いイメージ。

どんな飛行機かというと、戦争で弾が飛び交っている国(例えばシリア)から、争いの少ない国(例えば日本)に逃げ出す飛行機。

飛行機に乗ると、時には疲れて熱を出したりなんてことはありますが、「乗らなきゃよかった」なんて一生後悔するようなことはゼロではないにしても極めてまれ。

予防接種を受けないという選択は、「飛行機に乗るのが恐いから、がんばってシリアに残ります」、というのに近いのかもしれません。

(もちろん、様々な考え方があっていいし、お近くに非常にまれな飛行機事故に遭遇した人がいて、どうしても乗りたくないという人を無理やり飛行機に押し込むことはしてはいけないことでしょうから、十分に吟味した上での「受けない」には私は真摯に向き合います。もちろんみすみす接種しないという損な選択肢を選んで欲しくはないですから、全力で説得に当たりますが。)

予防接種は地域で接種率を上げていくことがとても重要です。

もう一方で、より安全な飛行機へと改良を同時並行で進めていくこともとても大事なことと思います。

どうかいつの日か、病院に来るのが予防接種を受けるためだけ、という時代が来ますように。


医者という仕事その1

研修医の時に先輩医師から言われた言葉があります。

「お金をもらって、ありがとうと言ってもらえる職業はそれほど多くない。」

とても考えさせられる言葉でした。

医者はとにかく体力勝負。

夜診、当直、休日出勤。

特に勤務医はほとんど座れないまま30時間以上連続勤務なんてこともざらにあります。

そんな時、患者さんからもらう「ありがとう」の言葉は、正直沁みます。

状態の悪かった子が、がんばって持ち直した時なんかだと、医者になって良かったなぁ、などとベタにじーんときてしまったりします。

もう一つ、同じ先輩からもらった言葉。

「医者が勉強しないのは犯罪と同じ。」

犯罪、という言葉がなんだかとてもショッキングで、研修医の時にこの言葉を聞いた時、全身がぞわっとしたのを覚えています。

開業してからもこの言葉は私の座右の銘として心に持ち続けたいと思っています。