解熱剤の上手な使い方その1

子どもは休みの日や夜に限ってよく熱を出すものです。

「解熱剤はできるだけ使ってはいけない!」という噂も聞いたことがあるし、何だか怖いもののように思っている親御さんもいるのではないかと思います。

このような誤解の一因として、おそらく一時期問題になった解熱剤とインフルエンザ脳症の話題があるようです。

実際、インフルエンザの時に、ロキソニンやアスピリンなど、現在大人でしか使わない解熱剤を使用した子どもで、インフルエンザ脳症の率が高いことが以前に判明したのです。

このことから解熱剤全般が悪いものとの誤解が生まれたのかもしれませんが、小児科で使うカロナールやアルピニー座薬、アンヒバ座薬などは、すべてアセトアミノフェンという同一の成分であり、安全に使えることが分かっています。

日本の小児科でアセトアミノフェン以外が解熱剤として出されることはまずありません。

病気の熱は、免疫の力を高めたり、風邪のウイルスを増殖しにくくしたりするプラスの効果もたくさんありますので、一律に下げる必要はありません。

発熱は敵と戦っているという、いいサインでもあるので、そのまま元気に戦いが続けられるのであれば、解熱剤を使う場面はないでしょう。

しかし、高い熱や、長引く熱の時には、戦いの途中に疲れてきて、ぐったりしたり、水分や睡眠が取りにくくなることもあります。

水分や睡眠が取れないと、治るものも治りませんし、不要であったかもしれない点滴をする羽目にもなってしまいます。

そんな時こそ解熱剤の出番。

簡単に言えば、戦いを2,3時間だけ一休みさせてくれるようなイメージのお薬です。

2,3時間後には必ず効果が切れますが、その隙に水分を取ったり、睡眠を取ったりできれば、上手な使い方ができた、と言えます。

例えば、お母さん方も足をけがして、痛くて家事ができない、なんて時に痛み止めを使って、その隙に洗い物や洗濯をしたり、ということがあると思いますが、解熱剤もこれと同様に考えると分かりやすいでしょう。

けがをしても、それほど痛くなければ痛み止めはいらないし、痛くて困るなら使えばいい。痛み止めを使ったからといって、けがの治りが早くなることはありません。

発熱があっても、本人がそれほど困っていなければ解熱剤はいらないし、しんどいなら使えばいい。解熱剤を使ったからといって、病気の治りが早くなることはありません。

ただし、こどもに家にある大人の解熱鎮痛剤は使わないように。

上記のアセトアミノフェンが安全に使える解熱剤です。

最後に、「何度になったら使ってもいいですか?」というご質問もよく受けます。

熱のない時に痛み止めとしても使うお薬ですので、低い熱の時に使っても問題はありません。

病院によっては38度以上とか、38.5度以上でなどと言われることが多いですが、あくまで一つの目安と考えてください。

お母さんが「触って熱がある」、というのと「しんどそう」という二つが揃っていれば使用して大丈夫です。

ただし、あまり熱がないのにしんどそう、という場合は病気自体が深刻な可能性がありますので、むしろ受診が必要です。

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