月別アーカイブ: 2013年8月

火曜サスペンス劇場 ~現場に残された鼻血~

「先生、昨日ね、火曜サスペンス劇場やったんですよ。」

まだ小児科医になって間もない頃、あるお母さんからこんな話がありました。

「え、昨日は水曜日やったんとちゃいましたか?」と返すと、

「ちゃいます、ちゃいます。この子よく鼻血出すんですけど、また夜寝ているうちに出てて。朝起きたらふとんが血まみれの殺人現場みたいでね。だから火曜サスペンス劇場。」

 

元気なおチビはよく鼻血を出します。

頻繁に鼻血が出る、というのは小さい子によくあり、15分くらいまでに止まる場合は全然心配はありません。

特に風邪を引いている時や鼻炎の子は鼻の粘膜も炎症を起こしているためよく鼻血が出ます。

一旦鼻血が止まってもかさぶたになっているだけなので、1回鼻血が出るとしばらくはよく出る期間が続くものです。

うちの長男も優雅に鼻をほじるようになってからというもの、よく夜に鼻血を出します。

暗闇の中で、「鼻水出た。」というのでこちらも半分寝ぼけながらティッシュを渡して、また眠りの世界へ。

朝起きると、チャチャチャチャ、チャチャチャチャ、チャーチャー♪♪

はい、火曜サスペンス劇場の出来上がりです。

鼻水ちゃうやん・・・。まぁ暗闇やと自分でもわからんよなぁ。


子育てその10 夏休み

年中さんの長男は幼稚園に通っているため、長い長い夏休みを満喫中。

春休みに続き、今回の休みもそれぞれの両親のところにお世話になっております。

長男が家にいる間はセミやバッタを捕まえに行ったり、プールに行ったり、一日一日を何とかこなしています。

小さい頃を思い出すと、小学校時代は永遠に続くかと思っていた1か月半の夏休みも、大学生になるころにはずいぶん短く感じて。

4歳の長男にとっての1年間は人生の1/4。

昨日33歳を迎えた私にとっては、1年間は人生の1/33。

同じ1か月もそりゃあ濃度が違うよね。

自分が世の中の主人公であると信じて疑わなかったあの頃。

いつの間にか、新しい主役である息子たちを迎えて、脇役へとシフトしている親としての自分。

さびしいようなうれしいような。

そんなことをふと思う夏の夜なのでした。


スポーツその6 ちゃんさんもうひとつ

ちゃんさんのことを書いていてもう一つ思い出したことがあります。

とても真面目で、練習にも真剣に取り組むちゃんさん。

ある日の練習で、どうも動きが悪い。

ダッシュにも勢いがない。

いつもできているプレーもできない。

折しも、私達が幹部学年になって、後輩達にもゲキを飛ばさねばと意気込んでいた頃であったため、厳しく叱責されることとなったちゃんさん。

練習終了後、後輩づてからちゃんさんが気胸で入院したとの報告。

なんと、片方の肺がぺっしゃんこの状態で、「何か苦しいな。」と思いつつ練習に参加していたことが後々発覚。

言い訳一つせずに練習に耐え、一人で病院へ行ったちゃんさんに脱帽でした。

ちなみに、すぐに見舞いに行った私達。

病室で「ちゃんさん」「ちゃんさん」と騒いでたから、帰った後、看護師さんに「何でちゃんさんなん?」って絶対尋ねられたやろうなぁ。

ちゃんさん、すまぬ。


スポーツその5 ちゃんさん

私は大学時代、バレーボール部で汗を流しました。

3回生の時に、新入生として入ってきた子が今回の主役で、私達先輩は彼のことを「細川ちゃん」と呼んでかわいがっておりました。

そんなかわいらしい新入生だった細川ちゃんもあっと言う間に後輩を迎えることとなりました。

そして数か月する頃、新たな新1回生達から「ちゃんさん」と呼ばれている細川ちゃん。

聞けば、もともとは私達の呼び方に敬称の「さん」を付けて「細川ちゃんさん」と呼ばれていたごく短い期間があったようですが、言いにくいので略して「ちゃんさん」となったとのこと。

そしてさらに月日は流れ、いつしか私達先輩にも「ちゃんさん」と呼ばれるようになったちゃんさん。

その下に入ってきた後輩達からすると、もう完全に理解不能です。

しかしあまりにも語感がよく、今やすっかり定着したちゃんさん。

今でもバレー部メンバーはみな仲が良く、1年に1回は集まろうとがんばっています。