子育てその13 理想と現実

日々の診療をやっていますと、「小児科の先生は子育てにおいて悩みがなくてうらやましい。」と錯覚しているお母さん方が結構いらっしゃるように感じます。

そんな、ま・さ・か。

 

なぜ朝のくそ忙しい時に限って新しいアホな遊びを思いつくのか。

なぜ楽しみにしている旅行の前夜に、狙ったように熱を出すのか。

なぜ絶対にダメと言ったことを自分の使命かのように何度もやろうとするのか。

 

自分が小児科医と親の両方の立場を同時に演じる時、「理想と現実」というものを強く感じます。

小児科医としては、「こうするのがbestですよ。」とえらそうに話しながら、「おいおいお前が言うなよ。」とつっこみを入れている親としての自分がいます。

子育て本には、「いらいらは禁物ですよ。」と書いてあるけれど、正直毎日めっちゃ腹立つ!

そんな自分は親として失格なのだろうか、と思うこともしばしばあります。

当たり前ですが、私も妻とともに毎日皆さんと同じように子育てに奮闘しています。

あくまで理想は理想。

長男が生後5か月になった時、離乳食の本を買いましたが、本通りにやってもあまりにも食べてくれないため、数か月後にはゴミ箱へサヨウナラしました。(体重の伸びや、母乳だけの児で問題になりやすい貧血は気にしていましたが。)

そんな長男も5歳になり、食費は今や家計を圧迫しつつあります。

悩みに答える役割の小児科医としてはもちろん理想を提示することは大事です。

一方でそこそこできていたら親としての役割は十分果たしている、と自信を持ちながら子育てをすることって結構大事と私は開き直っています。

例えば、「ファーストフードは子どもには毒。」というのは度が過ぎれば事実かもしれませんが、ひと月やふた月に1回あげたからって正直どーっちゅうことはありません。

横で常に気にしすぎている親が見張っている方が、子どもにとってはずっとマイナスなように思います。

病院や子育て本で見聞きする理想と、可能な範囲の現実とほどほどにバランスを取れればいいのだけれど。

「理想の子育ての話」がお母さん達を追い詰めることがないように、ひとつひとつ言葉を選んでお話しをしなければと今日も思うのであります。

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