解熱剤の上手な使い方その4

設定温度40度、実際温度40度の状態になると一旦落ち着くとは言え、体温40度の状態が続くとさすがに体もへばってきます。

しんどい時は一時的に実際温度を下げる事も上手な選択肢となります。

実際温度を下げる手段はクーリングと解熱剤の二通りです。

ここでクーリングを強力に行うことを想像してみましょう。

太い血管が通っている首筋やそけい部(両足の付け根、男の子ならばおちんちんの横あたり)を氷を使ってガンガン冷やすとどうなるでしょうか。

仮に実際温度が37度になったとしても、設定温度は依然40度のままですから、エアコンはフル稼働、40度に戻すために強烈な悪寒が襲ってきます。

先ほどお話ししたようにこの悪寒は大量のカロリーを消費するので、非常に有害と言えます。

 

次に、解熱剤はどのように作用するのでしょうか。

解熱剤は、実は実際温度には直接は関与せず、設定温度を一時的に下げる役割を担っています。

例えば設定温度を38度に変更するところまでが解熱剤の役割で、後は汗をかいて実際温度を38度に向かわせるのは体が勝手にやってくれる訳です。

そして数時間たって効果が切れると再び設定温度は40度に戻り、それに遅れることしばらくして体が実際温度を40度まで引き戻します。

解熱剤を使った後、よく体温を測ってあまり下がっていないことを心配される親御さんがおられますが、解熱剤でむしろ40度⇒平熱まで下がってしまった時は効果が切れた時に過剰なクーリングと同様、悪寒やしんどさが激しく襲ってきますのでむしろ使用量を減らすことを考慮するべきです。

解熱剤は熱がちょっと下がって少しの間、ちょっと楽というマイルドな量をわざと使用しているのです。






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