月別アーカイブ: 2014年9月

どうでもいいことその11 耳を疑ったことpart4

6歳を目前に控えた年長の長男の自転車の特訓も大詰め。

私もだいぶこんがり焼けました。

家のすぐ近くの公園で練習しているのですが、家事の合間にちょこちょこ妻も顔を出します。

そのたびに、「うーんまだまだやな。」とか、「結局は体で覚えなあかんからなあ。」

などと割と辛口コメントを一つづつ残してはまた残りの家事を片づけに家に戻っていきます。

私も、「うんうんその通りやなあ。」と相槌を打っていたのですが、本当に、いや本当に突然に脳に電気が走ったような衝撃があって思い出したのですが。

 

妻、自転車乗れません。

あまりにもっともらしくアドバイスを残しては家に去って行くため、しばらく全く気づきませんでした。

その旨、指摘したところ、「ばれたか。」と一言。

中々やりおるわい。


免疫とアレルギーその5 離乳食の進め方

その5でお話ししたように、皮膚のトラブルを抱えていないお子さんに離乳食開始前のアレルギー検査をすることにはあまりメリットはありません。(このようなご相談があった場合、当院でも検査自体施行していません)

「先生、離乳食始める前にうちの子がアレルギーかどうかはっきりしてください!そうでないと恐くて何も食べさせられない。」

こう言いたくなるお母さんの気持ち、よく分かります。

しかし、アレルギー検査の結果は往々にしてとても曖昧で、白黒はっきりできるようなものではありません。

そして、思い出してください。

アレルギーは0か10かという考え方をすると迷路に迷い込んでしまうこと。

「もし卵アレルギーなら、卵の食品を一かけら食べるととんでもない症状が出るのでは?」

と思いがちですが、そんな10の子どもはほとんどいません。

もし食物アレルギーがあるとしてもほとんどの子は中くらい前後ですから、加工品を少量食べても大丈夫で、出るとしても症状はごくごく軽いものです。

逆に、一気に大量に体に入った場合のみ、強い症状が出る可能性があります。

しばしばありがちなのは、検査して先生に大丈夫と安易に言われた子が、景気よく摂取してどえらいことになるパターンです。

 

中にはお母さん方の勢いに押されてとりあえず検査をして、少しでも怪しければ完全除去を指示する先生方もおられ、過剰な除去が栄養不足につながっている例も散見します。

このように過剰な除去は栄養不足につながるだけでなく、避けすぎることでよりアレルギーが加速することも近年分かってきていますから、除去は慎重でなければなりません。

『初めて食べる食材はどんなものでもクリニックの空いている平日の昼間に少量から。問題なければ徐々に増やす。』

この約束を守っていれば、万が一症状が起こってもごく軽症ですし、いざとなればクリニックを受診できます。

食べて大丈夫ならその量、その形態は大丈夫、というこれ以上ない証明ですから、次回はまた少し増やしてもよいでしょう。

ただし、乳児期からステロイド軟膏が必要な程の明らかなアトピー性皮膚炎がある赤ちゃんは、ベースにいわゆるアレルギー体質が強く疑われる児であり、食べ物に対してもデリケートな反応をするリスクも高いと考えられますから、その場合は肌をコントロールした上で検査を行い、必要に応じて最小限の除去を検討しましょう。

また、卵や乳製品など主要な食材を食べて明らかなアレルギー症状が出た場合も、検査でどの程度の値かを確認するとともに、しばらく除去した後、症状が非常に強かったケースは病院の中で食べてみるという「チャレンジテスト」で離乳食を進めていくことになりますのでご相談ください。

アレルギー検査は、テレビ番組ではあたかも万能な検査のようにうたっていますが、実際はかなり適応は限定的で、必要のない場合に気軽にやると逆に過剰な除去、安易な大量摂取につながることもあるので注意が必要です。

食物アレルギーに限りませんが、「アレルギー検査に期待しすぎない」というのは大事なことと思います。


予防接種その5 インフルエンザワクチン

2020年10月1日からワクチン同士の間隔も従来のように生ワクチンなら4週間、不活化ワクチンなら1週間と空けなくてよくなりました。これにより、一般ワクチンとインフルエンザワクチンとのスケジュールの兼ね合いを調整する必要がなくなり、それぞれ無関係な独立した作業のように進めることが可能となりました。インフルエンザワクチンの予定は、他のワクチンのことは全く考慮せず進めて頂いて大丈夫です。例えば、昨日他院でMR・水痘・おたふくかぜ⇒本日当院でインフルエンザとか、今朝保健センターでBCG⇒午後当院でインフルエンザとか、本日当院でインフルエンザ⇒明日、他院でヒブ・肺炎球菌など。

 

暑くてうだるような毎日が続いています。

冬はまだ先ですが、秋のうちにインフルエンザワクチンで備えをしておきましょう。

インフルエンザは、数百種類あるかぜの中で唯一ワクチンと治療薬が存在するかぜです。

インフルエンザワクチンは麻疹・風疹や、髄膜炎など他のワクチンと違い、劇的に感染率を下げることはできませんが、感染した時の重症化を防ぐ(入院率・死亡率を下げる)ことができますので、特に保育園や幼稚園など集団生活に入っている子どもはぜひ接種しておきたいワクチンです。

製造過程で卵の成分を使用していますが、含まれるのはng(ナノグラム)レベルであり、理論上アレルギーを起こすほどの卵成分は含まれていません。

注:ng(ナノグラム)はmg(ミリグラム)の1000分1です。

基本的には卵アレルギーの方も問題なく接種が可能です。卵を食べたことのない子どもさんでも、アレルギーという観点においては卵をひと舐めするよりはるかに安全と考えて頂いて結構ですので、接種はできます。

生後6か月から接種が可能で、13歳以上は1回、13歳未満は3~4週程度あけて2回接種しましょう。この理想のタイミングより間隔が短かったり、長かったりしても大幅な効果の差はないのでご安心下さい。

集団全体の接種率向上を優先して前年に2回接種していれば今年は1回接種でもよいとしている諸外国もありますが、元々1回の接種で完全を目指せるワクチンではありませんので、13歳未満に関してはやはり2回接種を基本に考える方がよいと日本ではされています。

年末が近づくと、どこのクリニックでも予約が混み合います。

接種が完了してから少なくとも5か月は重症化を防ぐ効果が持続するというデータがありますので、接種を遅らせるメリットはあまりありません。

早めに接種をして、接種できずずじまいで一番インフルエンザが流行する1月~3月を迎えないようにしましょう(大体毎年12月にはそこそこインフルエンザが発生しています)。

当クリニックではインフルエンザワクチンの予約の方が非常に多いので、単独接種でしかお受けしておりませんが、特に1歳前後のお子さんで他のワクチンとの兼ね合いが忙しい方は他院で同時接種を行うことも有力な選択肢であることを知っておいてください。

ワクチンはどこで接種しても必ず効果は同じですから、スケジュールの合う日、予約の空いている病院で早めに接種しましょう。

当クリニックで接種される方はインターネットでご予約下さい(窓口や電話での受付はできません)。9月1日10時からネット予約開始で、接種自体は毎年10月中旬~12月中旬くらいの予定としております。65歳未満の親御さんも一緒に接種予約していただけます。

接種は木曜日、土曜日の14時〜17時(〜16時の日もあり)です。木曜日は私が全て担当しますが、土曜日は普段土曜日のワクチン枠で来ていただいている、大阪市立大学小児科の野村先生(小児科専門医の女医)が原則担当します。ただし予告なく院長に変更となることがありますことを予め御了承ください。