免疫とアレルギーその5 離乳食の進め方

その5でお話ししたように、皮膚のトラブルを抱えていないお子さんに離乳食開始前のアレルギー検査をすることにはあまりメリットはありません。(このようなご相談があった場合、当院でも検査自体施行していません)

「先生、離乳食始める前にうちの子がアレルギーかどうかはっきりしてください!そうでないと恐くて何も食べさせられない。」

こう言いたくなるお母さんの気持ち、よく分かります。

しかし、アレルギー検査の結果は往々にしてとても曖昧で、白黒はっきりできるようなものではありません。

そして、思い出してください。

アレルギーは0か10かという考え方をすると迷路に迷い込んでしまうこと。

「もし卵アレルギーなら、卵の食品を一かけら食べるととんでもない症状が出るのでは?」

と思いがちですが、そんな10の子どもはほとんどいません。

もし食物アレルギーがあるとしてもほとんどの子は中くらい前後ですから、加工品を少量食べても大丈夫で、出るとしても症状はごくごく軽いものです。

逆に、一気に大量に体に入った場合のみ、強い症状が出る可能性があります。

しばしばありがちなのは、検査して先生に大丈夫と安易に言われた子が、景気よく摂取してどえらいことになるパターンです。

 

中にはお母さん方の勢いに押されてとりあえず検査をして、少しでも怪しければ完全除去を指示する先生方もおられ、過剰な除去が栄養不足につながっている例も散見します。

このように過剰な除去は栄養不足につながるだけでなく、避けすぎることでよりアレルギーが加速することも近年分かってきていますから、除去は慎重でなければなりません。

『初めて食べる食材はどんなものでもクリニックの空いている平日の昼間に少量から。問題なければ徐々に増やす。』

この約束を守っていれば、万が一症状が起こってもごく軽症ですし、いざとなればクリニックを受診できます。

食べて大丈夫ならその量、その形態は大丈夫、というこれ以上ない証明ですから、次回はまた少し増やしてもよいでしょう。

ただし、乳児期からステロイド軟膏が必要な程の明らかなアトピー性皮膚炎がある赤ちゃんは、ベースにいわゆるアレルギー体質が強く疑われる児であり、食べ物に対してもデリケートな反応をするリスクも高いと考えられますから、その場合は肌をコントロールした上で検査を行い、必要に応じて最小限の除去を検討しましょう。

また、卵や乳製品など主要な食材を食べて明らかなアレルギー症状が出た場合も、検査でどの程度の値かを確認するとともに、しばらく除去した後、症状が非常に強かったケースは病院の中で食べてみるという「チャレンジテスト」で離乳食を進めていくことになりますのでご相談ください。

アレルギー検査は、テレビ番組ではあたかも万能な検査のようにうたっていますが、実際はかなり適応は限定的で、必要のない場合に気軽にやると逆に過剰な除去、安易な大量摂取につながることもあるので注意が必要です。

食物アレルギーに限りませんが、「アレルギー検査に期待しすぎない」というのは大事なことと思います。

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