「かぜ」を知ろうその5 咳止めテープ

「夜、咳がひどいので咳止めテープも一緒に出しておいてください。」

とよく言われますが、実は咳止めテープというものは存在しません。

テープに含まれるのは咳止めの成分ではなく、気管支拡張薬という成分です。

喘息がある子どもは、風邪をひくと気管支が狭くなってゼーゼーという息遣いの出る体質の持ち主であり、このテープを張ることで気管支が広がり、結果的に必要以上の無駄な咳が減ることになります。

ところが喘息のない子どもは風邪をひいていくら激しい咳をしていても気管支はMaxに拡張していますから、テープを貼っても効果はありませんので、大げさに言えば副作用だけもらうことになってしまいます。

夜に咳込んでいる我が子をみて心配しない親はいません。

内服薬も嫌がる場合には特に、そっとテープを貼ってあげると少しでもやってあげたという気持ちになるのもとてもよく理解できますが、効果もないのに使用することがないように私はいつも慎重に診察と処方を心がけています。






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