自分語りのようになってしまったけれど、私が伝えたいこと。
神様を信じる事は、自信や心の救いを与えてくれるかもしれない。
でも最後の最後、本当に人を救えるのは人であると私は思う。
震災直後にがれきに埋もれ、身動きの取れないまま火の手が迫る中、閉じ込められた命を外に引きずり出したのは近所の人たちのその両手であったということ。
自分たちも被災し、中には家族を失った中で活動して下さった消防隊や自衛隊、医療者などの方々が、たくさんの命を救い物資を届け、被災者を勇気づけたということ。
大自然には勝てないけれど、でも人間は負けないということ。
そしてもうひとつ、人は死ぬということ。
中学生になり布団で寝るようになった私が、小さい頃に使っていて屋根裏部屋に解体して置いてあったベッドをふと気まぐれに組み立てて寝るようになったのは震災のほんのしばらく前だったと記憶している。
私はあの大震災をほんの偶然の差から生き残り、そして小児科医として、これからの命を救う使命を負った。