月別アーカイブ: 2016年5月

DHMO(dehydrogen monooxyde)

5月の第2週、週末にクリニックをお休みさせていただいて日本小児科学会に出席して参りました。

最新の知見、研究に触れ、また一層勉学に励む意欲が高まりました。

さて、最近注目の有毒物質であるDHMO(dehydrogen monoxyde)をご存知でしょうか。

一酸化二水素と訳されるこの物質の恐ろしいのは、知らぬ間に我々の日常に深く食い込んできているところです。

まだまだ解明されていないところもありますが、この物質の特徴としてはざっと以下の点が挙げられます。

・金属やアスファルトを浸食する、酸性雨の中の主成分である。

・生活習慣病を引き起こす食物の多くに含まれている。

・過剰に摂取することで血液の電解質のバランスを崩し、中毒症状を引き起こす可能性がある。

野放し状態であった物質のこのような毒性から、米国で法規制するべきかという議論にまで発展したのは当然の経過と言えるでしょう(日本ではまだ問題提起さえされていないのが現状です)。

一般市民のアンケートの結果では、50人中4人が「判断を保留」と回答したものの、実に45人が「法規制すべき」と回答しています。

 

 

 

 

「DHMO この物質は水である」と回答できたのはたったの1人でした。

 

これはいかに我々が科学などの権威やマスコミに誤った誘導をされるのかを示すために米国で実際にされた実験であります。

DHMO dehydrogen monooxyde 一酸化二水素とはH2O、言わずと知れた水であります。

もちろん冒頭の小児科学会ではDHMO=H2O=水の議題など挙がりませんでしたが、このブログを読んであたかも最新の学会でこの物質が取り上げられたかのように錯覚されませんでしたか?

 

ところで実は、医師であれば誰でも学会で発表をすることができます。

その内容がどれだけ荒唐無稽だとしても。

そしてあくの強いキャラクターの先生のむちゃくちゃな主張に限って強い発信力を持ってマスコミの流れに乗るというとんでもないことが日常的に起こっています。

真に質の高い研究、データというものは様々な角度からたくさんの分野の先生からの批判の目、再チェックに幾度も幾度もさらされ、その上で正当であるものだけがしっかりと教科書や歴史に刻まれ医学を動かしているのです。

そのような研究をされている先生方の奥ゆかしいこと、プレゼンテーションの控えめなこと。

これは医学だけでなく科学の世界全体に共通していることのようです。

えせ科学の発信力に負けないように、正しい科学を伝える術も学生教育に必要なことと私は思います。

 

 

 

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とびひ(伝染性膿痂疹)

夏になると増えてくる皮膚疾患として「とびひ(伝染性膿痂疹)」が有名です。

皮膚には普段から雑菌がたくさんはびこっていますが、皮膚の調子がいい間は特に問題になりません。

しかし、汗疹、湿疹、擦り傷、手足口病の発疹などひとたび皮膚にトラブルが発生するとバリアが崩れ、雑菌が悪さを始めます。

さらにがりがり掻いたり、衣服で擦れたりしているうちに傷口にその雑菌がすり込まれることでだんだんとびひへと進化を遂げていきます。

じゅくじゅくして膿みが出たり、びらんになってしまったらとびひのスタートです。

一か所で細菌が増殖するとそこから掻くことを介してどんどんと他の傷口へと細菌が運ばれていきます。

まさに火事が飛び火していくようにみるみる広がるためにこの病名がついています。

 

このように全ての皮膚トラブルはとびひに進化する卵となりうるため、正しいケアが大切です。

第一に皮膚トラブルがある時は「お風呂の考え方」でお話ししたように、湯船には入らずにシャワーや流水でまめに洗うことを心がけましょう(とびひになる前も、なってしまってからも)。

湯船に入って温まるとかゆくなって掻いてしまうこと、湯船には雑菌が浮かんでいることがその理由です。

傷口への消毒は、水で流すことと有効性が変わらないばかりか、皮膚自体への障害もかなり強いことから最近は勧めない先生が主流のようです(先生によっては洗いにくい所は消毒するよう指導されることもあるようですが)。

第二に皮膚トラブルは程度に応じてステロイドを積極的に使い、とびひに進化する前に早めにかゆみや病変を抑えましょう。

第三に症状の強い皮膚トラブルやとびひ病変はがりがり掻かないようにゆったりとしたガーゼでなど覆いましょう。

小さいガーゼで傷口の近くにテープを張るとその部位がかぶれて、新たなとびひの温床となります。

大きめのもので、病変から遠い位置にテープがあるのがよいでしょう。

 掻いて増悪しないためには爪を短く保つのもとても大切です。

 

治療としては、水でしっかり流すこと、抗生剤の軟膏や、症状の強い場合は抗生剤の内服です。

とびひに至ってからのステロイド軟こうに関しては賛否が分かれるところですが、ベースの皮膚トラブルの炎症やかゆみの強い場合には併用することもあります。

 

小さい子どもの場合、掻くと悪くなるのは分かっていても掻かせないようにするのは実際かなり難しいです(我が子での経験からも)。

とびひかな?と思ったらあまり様子を見ずに早めに皮膚科や小児科を受診しましょう。

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