月別アーカイブ: 2016年7月

喘息とは その④

このように、喘息とは体の奥にずっと存在する体質ですので、それが外にはみ出してきて起こる一時的な発作を薬で抑えても、根本的に治る訳ではありません。

一旦喘息の体質がまた体の奥に戻り、一見何もない状態にはなりますが、また次のきっかけがあると体質がはみ出してきます。

小児の場合、この体質の多くは数か月、数年単位でましになり、またきっかけとなる風邪をひくこともどんどんと減るので、喘息症状が出ることは減っていくことが期待されます。

年齢が上がっていって、目に見える喘息症状が出なくなると寛解(かんかい)状態と言われ、風邪をひいたり運動をしても症状が出なくなり、卒業したねという言葉が送られます。

しかし一部の子どもは逆に成長とともにだんだんと喘息の体質がはっきりする、あるいは強くなる経過をたどり年々発作時の症状が強くなります。

特にベースにアトピー性皮膚炎をはじめとしたアレルギー体質の強い子にその傾向があります。

また、ご家族の喫煙も喘息の体質を強化していくことが明らかとなっています。

「ベランダで吸ってます。」と皆さん口を揃えておっしゃいますが、服にまとわりついたタバコの成分も十分に周囲の方の喘息を悪くすることが分かっていますから、喘息で苦しむお子さんのいる家庭では今すぐにでも禁煙するべきです。

もうひとつ、喘息の体質のある子どものほとんどがダニ・ハウスダストへのアレルギーを有しています。

修学旅行で行く歴史のある古い旅館でのまくら投げ(こんなのもう古い?)は、喘息の体質を外に引きずり出すきっかけとして力強いことを学校の先生はよくご存知です。

ご家庭でも梅雨シーズンは1週間に1回お布団に掃除機をあてることを心がけましょう。

ダニの死骸もアレルゲンとなりますので、干すだけではあまり効果的ではありませんので注意しましょう。

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喘息とは その③程度

体に潜んでいる喘息の体質は、人によって程度に差があります。

季節の変わり目や、ちょっと運動するだけですぐに体質がはみ出してくるような人は重症の喘息です。

日常的に気管支が狭くなる発作が起こりますので、前述の狭くなりにくくするお薬(オノン・キプレス・シングレア、さらには微量のステロイド吸入)を症状のない普段から毎日継続することで発作を予防することが有効です。

これらの薬剤は長期的に使用するものの中では相当に副作用が少ないものであり、喘息の人に取っては非常にありがたいのです。

喘息の体質の中間くらいの人は、風邪の際だけ体質がはみ出てくるので、風邪薬に気管支拡張薬や予防薬を併用してやり過ごすグループです。

さらに軽症の人は、風邪が長引いたり、こじれた時のみ軽くゼーゼーしていると病院で指摘されるレベルのグループです。

風邪の時はテープを貼りましょうね、などど言われて、貼ると夜の様子がだいぶ楽になるというのを親御さんも感じるかもしれません。

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喘息とは その②治療

さて、喘息の体質が顔を出してしまって呼吸が苦しくなったり、ゼーゼーしたり、咳がひどくなってしまった時はどのような治療がなされるでしょう?

空気の通り道である気管支が狭くなっているのがこれらの症状の大元ですから、「気管支拡張薬」を使うことが必要になります。

これは、その名の通り狭くなった気管支を広げるお薬です。

色々な性状がありますが、受診した際に症状があればまずされるのは即効性のある煙を吸う吸入のお薬です(=メプチン吸入など)。

さらに一旦帰宅後は飲み薬(=メプチンなど)、皮膚から吸収されるテープ(=ホクナリンテープなど)を併用して狭くなった気管支を広げる治療を続けます。

なぜなら多くの場合には喘息の体質を外に引きずりだすきっかけとなる風邪がしばらく居座るため、吸入で一旦よくなっても帰宅後すぐに気管支が狭くなってしまうためです。

このような狭くなった気管支を広げるお薬とともに、狭くなりにくくするのがオノン・キプレス・シングレアのような薬剤です。

両方を併用することで風邪が治るまでの間、できるだけ喘息が顔を出さないようにするのが喘息の治療になります。

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喘息とは その①症状

喘息は相当有名な疾患ではありますが、他のお母さんにしっかり説明できる方は中々いないと思います。

いつも通りこのブログでは難しい専門的なことはは置いといて、話をシンプルに進めたいと思います。

喘息とは、「ことあるごとに胸がゼーゼーしたり、呼吸が苦しくなりやすい体質」のことです。

口から吸った空気は気管⇒気管支⇒細気管支とだんだん細く枝分かれしていくストローのような通り道を通って、最終的にはごく小さい風船の集まりである肺へと到達します。

息を吸ったり吐いたりすることはこの風船を膨らませたり、縮ませたりすることの繰り返しの作業です。

喘息の体質のある人とは、色々なきっかけ(風邪をひいたり、激しい運動をしたりなど)からこの空気の通り道である気管支が一時的に狭くなってしまう人のことです。

①通り道が狭くなると呼吸がしづらくなるため、本人は息苦しさを感じます。

②また、聴診器を使うと調子のいい時には気管支をスー、スーと軽快に空気が通っていくのが聞こえますが、喘息が出ると狭いところを通る隙間風の要領でヒューヒュー、あるいはゼーゼーという音に変わります。

③風邪を契機とすることが多いので、通り道をふさぐ痰が発生しますが、気管支が狭窄するとこの痰を外に出す必要がより大きくなりますので、喘息のない人に比べて結果的に咳がひどくなります。

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