喘息とは その④

このように、喘息とは体の奥にずっと存在する体質ですので、それが外にはみ出してきて起こる一時的な発作を薬で抑えても、根本的に治る訳ではありません。

一旦喘息の体質がまた体の奥に戻り、一見何もない状態にはなりますが、また次のきっかけがあると体質がはみ出してきます。

小児の場合、この体質の多くは数か月、数年単位でましになり、またきっかけとなる風邪をひくこともどんどんと減るので、喘息症状が出ることは減っていくことが期待されます。

年齢が上がっていって、目に見える喘息症状が出なくなると寛解(かんかい)状態と言われ、風邪をひいたり運動をしても症状が出なくなり、卒業したねという言葉が送られます。

しかし一部の子どもは逆に成長とともにだんだんと喘息の体質がはっきりする、あるいは強くなる経過をたどり年々発作時の症状が強くなります。

特にベースにアトピー性皮膚炎をはじめとしたアレルギー体質の強い子にその傾向があります。

また、ご家族の喫煙も喘息の体質を強化していくことが明らかとなっています。

「ベランダで吸ってます。」と皆さん口を揃えておっしゃいますが、服にまとわりついたタバコの成分も十分に周囲の方の喘息を悪くすることが分かっていますから、喘息で苦しむお子さんのいる家庭では今すぐにでも禁煙するべきです。

もうひとつ、喘息の体質のある子どものほとんどがダニ・ハウスダストへのアレルギーを有しています。

修学旅行で行く歴史のある古い旅館でのまくら投げ(こんなのもう古い?)は、喘息の体質を外に引きずり出すきっかけとして力強いことを学校の先生はよくご存知です。

ご家庭でも梅雨シーズンは1週間に1回お布団に掃除機をあてることを心がけましょう。

ダニの死骸もアレルゲンとなりますので、干すだけではあまり効果的ではありませんので注意しましょう。






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