リウマチに対するステロイドの効果的な使い方(後半)

前回は、リウマチに使う「ステロイド」は「副腎皮質ホルモン」を合成した薬であることや、「副腎皮質ホルモン」が体の中で、どのようなはたらきをしているのかお話ししました。今回の後半では、「ステロイド」の特徴的な長所についてお話しします。

「ステロイド」の作用は使う量によって全く異なります。がんや膠原病の急性増悪の時には、プレドニンで1日50mg以上の大量を全身投与(点滴や内服)しますが、この場合は「副腎皮質ホルモン」が細胞の増殖や免疫を抑制する効果を利用しています。長期に使用すると正常な細胞の発達や免疫を障害してしまうので、短期間に限られます。このような短期間に大量の「ステロイド」を全身投与する方法を「ステロイド・パルス療法」といい古くから広く実施されています。対して、リウマチの「ステロイド」全身投与はプレドニン10mg以下(通常は5mg以下)の少量内服です。この場合は「副腎皮質ホルモン」の炎症(腫れや痛み)を抑える効果を利用しています。「ステロイド」の効果は使用する量で作用が異なるのです。

また「ステロイド」を点滴や内服で「全身投与」する場合と、関節や腱に直接注射するようなピンポイントの「局所投与」する場合でも効果が異なります。関節リウマチの場合は、肩や肘、手首、膝、足首のような大きな関節が3つ以上同時に腫れて痛みがきつい場合は、内服している抗リウマチ薬が「力不足」の状態ですから、抗リウマチ薬を増量したり変更したりするのですが、その効果が現れるまで早くても2-3週間かかってしまいます。しかし大関節の障害が3カ所以上もあると、日常生活自体大変な苦痛を伴います。そのときに役立つのが「ステロイド」の「全身投与」です。「ステロイド」は10mg以下のプレドニンでも内服すると、その日から効果を自覚できますので、追加した抗リウマチ薬の効果が現れるまでのつなぎ役として最適なのです。

加えて、日頃は調子のよいリウマチ患者さんでも、たまに1カ所の関節が急に腫れて困ることがあります。特に膝や足首など体重のかかる関節が障害を受けると1カ所でも歩きにくくなり大変困ります。その場合は「ステロイド」を関節内に注射する「局所療法」が全身への副作用も少なく効果的です。

実際に使用する「ステロイド」には、その作用時間が短いものから長いものがあり、用途により使い分けています。このように「ステロイド」は漫然と長期間使用すると副作用が気になりますが、ピンポイントで使用するにはリウマチ治療には必要不可決な武器なのです。