山中伸弥教授ノーベル賞おめでとうございます。

今日の朝刊第一面はうれしい明るいニュースでした。

iPS細胞は皮膚のみならず、心臓や神経、整形外科領域では再生不可能とされてきた関節軟骨の修復治療にも応用できる「魔法の細胞」です。今後はどのようにして安全にiPS細胞に「魔法」をかけることができるかが研究の注目点です。山中教授が記者会見で仰った「本当の社会貢献は臨床応用されてから。さらに研究を急がなければ。」は本当に頭の下がる立派なお言葉でした。

私も大学院時代に2年間臨床を離れて、大阪バイオサイエンス研究所OBIで自身の研究をさせていただいた経験があります。私を直接指導いただいた先生は東京医科歯科大学医学部を卒業し内科に入局した後に臨床から基礎研究に転身されていました。私は大学院卒業後臨床にもどり整形外科医として経験を積みましたが、リウマチの切り札的な治療となっている「生物学的製剤」はまさしく当時の自然科学界における免疫学研究の成果なのです。現在私たちは患者さんとともにその恩恵を受けています。

ノーベル賞を受賞した山中教授をはじめ、日本には優秀な基礎医学研究者がたくさんいます。彼らは病院や診療所ではなく大学や研究所で日夜努力しているのです。しかもその成果を商業的に独占しようとせず、他国の研究者が追従し利用できるように早くから内容を英文雑誌に公表することで全世界から深い尊敬を受けています。私は日本の基礎医学界を牽引する先生方に感謝しながら一人でも多くの病気に苦しむ患者さんを救える臨床家、医師としてこれからも努力を続けたいと強く思う今日の朝刊でした。