骨そしょう症が進行すると、骨折の危険性が高まります。特に、せぼね(脊椎)や股関節(大腿骨頸部)は軽くしりもちをついたりしただけで骨折することもあり、入院や手術が必要になるのでご本人はもちろん、ご家族への負担もきわめて大きい社会的問題になっています。
WHOは世界各国の骨そしょう症に対応した「これからの10年に何%の確率で骨折が発生するのか?」を統計学的に計算する方法を以下のウェブサイトで公表しています。クリックするとジャンプします。
http://www.shef.ac.uk/FRAX/tool.aspx?country=3
ここでは以下の情報の入力が必要です。
・年齢 性別
・体重 身長
・自分と両親の骨折歴の有無
・喫煙の有無
・ステロイド使用の有無
・関節リウマチの有無
・Ⅰ型糖尿病、甲状腺機能障害などの骨そしょう症を悪化させる病気の有無
・アルコール摂取(ビールで1日グラス3杯以上)の有無
そして、最も重要なのが
・大腿骨頸部の骨密度の実測値(g/cm2) を入力します。
骨密度測定装置(デキサ法)のメーカーを選択することになっていますが、当院で検査を受けられた患者様は「GE社のLunar-Prodigy」ですので一番上の項目を選択してください。
この計算値が「15%以上」の場合は、現在の骨密度がYAM(若年成人平均値)70%以上であっても、すぐにお薬での治療を開始することが、平成23年での「骨そしょう症の予防と治療ガイドライン」で勧められています。
たばこやお酒が骨そしょう症を悪化させることは意外とご存じなかった方も多いのではないでしょうか?いずれにしても正確な早期診断による骨折予防が重要なことには変わりありません。
当院では引き続き、骨折予防に役立つ骨そしょう症対策を皆様とともに進めて参ります。