骨密度が正常でも骨折しやすい病気?

最近は骨密度の低い閉経後の女性だけでなく、糖尿病や慢性気管支炎など呼吸器障害を持つ患者さんが性別にかかわらず、脊椎や大腿骨(股関節周囲)の骨折を起こしやすいことが明らかになっています。骨密度が十分あっても骨折しやすい病気があります。これらの診断と治療に関する話題が学会でよく取り上げられています。

骨はよく鉄筋コンクリートに例えられます。鉄筋はコラーゲンなどのタンパク質で、セメントはカルシウムやマグネシウムなどのミネラル(骨塩)です。骨密度は「骨塩量」と言われるように後者のミネラル成分の量を測定しているのです。セメントが十分堅くても鉄筋構造が脆弱であれば建物は倒壊してしまいます。骨では前者のコラーゲン構造の強度を規定しているのが「架橋構造」と言われるコラーゲン繊維を束ねる仕組みです。糖尿病や慢性気管支炎の患者様はこの「架橋構造」が早期に変性してしまい骨強度が保てなくなることが最近の臨床研究からもわかってきました。その診断方法となる骨代謝マーカーは「骨粗しょう症」としては保険適応には残念ながらまだなっていません。しかし治療法としては既存の薬の中から選択することができます。

それぞれの患者様の病態に応じた骨折予防の薬剤選択が重要であることがおわかりいただけたでしょうか?これからも当院では専門医の立場として、骨粗しょう症・骨折予防の治療を積極的に進めて参ります。