月別アーカイブ: 2014年8月

当院が関節リウマチを対象とした「治験(ちけん)」に取り組むのには理由があります。

一般にはまだ馴染みのない「治験」ですが、リウマチ患者様にとっての利点とは何でしょうか?よく診察室でいただくご質問を紹介します。

Q1:「治験」は患者を使った新薬の開発実験ではないですか?
→A1:いいえ違います。当院で実施している「治験」はすべて新薬が発売される前の最終段階における確認試験です。さらに現在実施中の2つの治験薬は他の病気に対しては既に国内で認可され一般処方されているものや、構造や使用量が同じで関節リウマチに処方されているものです。

Q2:どんな「治験」も、既に一般処方されている薬ですか?
→A2:いいえ違います。「治験」の中には、同じ構造の薬が国内でまだ認可されていないものが多いのです。しかし当院では、数ある「治験」の中でも既に認可されている薬と同等の「治験薬」のみを選んで実施しています。

Q3:「治験」に参加しても、実際には「偽薬(プラセボ)」に当たってしまうこともあるのですか?
→A3:はいそうです。「治験薬」の効果を確認するためには、その比較になる「対照群」が必要だからです。しかし「偽薬(プラセボ)」ではなく「治験薬」と同等の効果がある「治療薬」が「対照群」となる「治験」もあります。すべての「治験」がそうではないのですが、当院では私が判断し、患者様に不利益の可能性がある「治験」は依頼があっても実施しておりません。

Q4:「治験」に参加するには費用がかかりますか?
→A4:いいえかかりません。処方される「治験薬」はもちろん無償で提供されます。また治験期間中の当院で実施する検査費用は、血液検査やレントゲン検査を含め原則すべて治験依頼者(製薬会社)が負担します。つまり治験期間中の医療費負担は参加前よりも少なくなります。

これらの「治験」に参加いただける方は、当院で「関節リウマチ」の診断を受け最低3ヶ月以上は通院されている患者様です。なぜなら治験参加前の治療内容や症状の経過、検査結果等を再確認する期間が必要なのです。
何かご質問がありましたら、どうぞ遠慮なく受診時に診察室でおたずねください。

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