新型コロナ対策について

当クリニックでは、新型コロナウイルス感染症対策として、一般的に推奨されている換気やアルコール消毒以外にも、独自で下記のような対策をとっています。

①同伴者の入場制限
同伴者の入場制限に関してはご不便をおかけしております。付き添いが必要な小児、高齢者に限って同伴の方の入場を許可していますが、それ以外はご遠慮頂いております。男性不妊症外来でも、夫がよく分かっていないから、と奥様が強く同席を希望される場合があるのですが、お断りしております。子作りは夫婦の共同作業です。奥様からよく説明してあげて下さい。

②オゾン消毒
診察時間外に、院内をオゾンで消毒しています。朝一番には軽くオゾンの香りが残っている場合があります。
はたしてオゾンがコロナウイルスに対して効果があるのか?しっかりとした証拠はありませんが、特に人体に害もなく、手軽なので毎日行っています。

換気やアルコール消毒を行っている間、患者さんには入場して頂けません。これまでより様々な準備に時間がかかるようになっていますが、重症患者さんは引き続き優先的に診察するようにしています。そのため、予約時間通りに診察できないことがもあり、時にクレームを頂くこともありますが、その代わりあなたが重症の時には優先的に診察させて頂きますので、ご理解頂きたいと思います。

 


乏精子症には生活習慣の見直しを

当院では男性不妊症外来を行っており、精子が少ない、運動率が悪いといった患者さんが多数受診されておられます。
精子が少ない、濃度が薄いことを乏精子症、
精子の運動率が悪いことを精子無力症、と呼びます。
乏精子症、精子無力症の原因として、精索静脈瘤が有名ですが、今回はそれ以外の場合を考えてみたいと思います。

原因不明の乏精子症・精子無力症には、何か対策があるのでしょうか。
本当に原因は分からないのでしょうか。

実はその多くは、生活習慣に起因するのではないかと言われています。
一番有名なのは、喫煙です。
タバコは精子、精巣に悪影響を及ぼすワーストワンとされています。
乏精子症、精子無力症と診断された方には禁煙を強くお勧めします。

そのほか、健康に悪そうな生活習慣はすべて精子・精巣に悪いと考えられます。暴飲暴食、ストレス、慢性疲労、睡眠不足、運動不足、体重が急に増えた、過激なダイエット、他の病気にかかった、いろいろな原因で体重が急に減った、などです。
昨今、私が注目してるのは運動不足に対する運動療法です。

言うは易く行うは難し。コロナ禍中でなかなかスポーツジムに行けなくなったことを理由に運動をさぼって体重が増え気味の私が言うのもなんですが、軽い筋トレをお勧めしています。


クリニック英会話教室

当院には外国からの方も多く受診されます。その対応力を磨くため、院内で英会話教室を開講しています。
スタッフは院長も含めて全員参加、週一回のレッスンを受けています。
人数が多いので週三回に分かれていて、実力に合わせて初級クラスと上級クラスがあります。ちょっとした英会話学校みたいでしょう?
昨年よりコロナ対応のため、リモートレッスンになりました。

リモート英会話写真

数年前からずっとやっており、始めはおっかなびっくりだったスタッフ達もすっかり慣れてきて、外国からの患者さんに対しても全く動じなくなりました。大したものです。
最近では院長の私が一番上達していないのではないか、と思うようになりました。私の「新年の決意」は英会話の上達です。


自分で治す頻尿外来から、論文発表されました!

我々のクリニックから、新たな論文が2つ発表されましたのでご報告いたします。

Cognitive behavioral therapy for overactive bladder in women: study protocol for a randomized controlled trial
Satoshi Funada, Norio Watanabe, Takayuki Goto, Hiromitsu Negoro, Shusuke Akamatsu, Kentaro Ueno, Ryuji Uozumi, Kentaro Ichioka, Takehiko Segawa, Tatsuo Akechi, Toshiaki A Furukawa and Osamu Ogawa
BMC Urol 2020 Aug 20;20(1):129. doi: 10.1186/s12894-020-00697-0. [Online ahead of print]

Clinical Feasibility and Acceptability of Adding Cognitive Behavioral Therapy to Pharmacotherapy for Drug-Resistant Overactive Bladder in Women: A Single-Arm Pilot Study
Satoshi Funada, Norio Watanabe, Takayuki Goto, Hiromitsu Negoro, Shusuke Akamatsu, Ryuji Uozumi, Sanae Kishimoto, Kentaro Ichioka, Takehiko Segawa, Toshi A Furukawa and Osamu Ogawa
Lower Urinary Tract Symptoms. 2020 Jul 3. doi: 10.1111/luts.12333. [Online ahead of print.]

当院で行っている、自分で治す頻尿外来(過活動膀胱に対する認知行動療法)に関する研究です。
我々は過活動膀胱に対する新たな治療戦略として、認知行動療法を行っています。これに関して臨床研究も行っており、論文はその成果の一部になります。

「頻尿気味だけど、電車の中であったり、玄関先であったり、特定の状況でのみ尿意を強く感じることがある」
「仕事中であったり、遊びに熱中していると、尿意が気にならない」
「ひょっとして、頻尿って、気の持ちようなんじゃないの??」

という声を患者さんから頂きます。鋭い!その通りなんですね。
そういった場合や、薬物療法に満足できない方に対して、当院では認知行動療法による治療を行っております。論文ではその有効性について発表しています。

認知行動療法にご興味の方は、水曜日の午前、船田先生の外来を受診してください。


論文発表

我々のクリニックに関連して、新たな論文が発表されましたのでご報告いたします。

Three-dimensional simulation analysis of microdissection testicular sperm extraction for patients with non-obstructive azoospermia.
Kentaro Ichioka, Yoshiyuki Matsui, Naoki Terada, Hiromitsu Negoro, Takayuki Goto and Osamu Ogawa
Andrology 2020 8:1214-1221, 2020

久しぶりに市岡自身で論文を書きました。当院では「顕微鏡下精巣精子採取術」を積極的に行っていますが、どのように手術をするのが最も好ましいのか、科学的アプローチによって明らかにされることがありませんでした。今回、精巣の3Dモデルを用いて数学的に解析を行い、それによって導き出された最も良い方法を当院の10年間にて検証した結果をまとめたものです。ようやく陽の目を見た研究です。

かつて、手術の分野においては、白い巨塔の財前教授のような一部の「神の手」による手術がもっとも素晴らしいとされていて、その手術の要諦はセンスと経験といった漠然とした説明がなされていた時代がありました。今日、腹腔鏡手術やロボット手術が登場した手術分野では、かつての「神の手」による手術も言語化されて解説されるようになり、かつては難易度が高いと言われていた手術も、もはや一部の特権的医師だけのものではなくなり、一般化、標準化が進むことにより全体的な医療の発展につながった歴史があります。

我々の論文を契機に、「顕微鏡下精巣精子採取術」ももっとオープンになることを期待しています。他の雑誌の査読者に「microTESEは専門的技術こそが命なのであって、3Dモデルとか訳分からんことをゴチャゴチャ言われてもやね云々…(関西弁に翻訳)」と言われたことが非常に残念でした。あんたが公表しないからやろ!と言いたかったです。


論文発表

我々のクリニックに関連して、新たな論文が発表されましたのでご報告いたします。

Rapid semen identification from mixed body fluids using methylation-sensitive high-resolution melting analysis of the DACT1 gene
Shuntaro Fujimoto, Yuya Hamano, Kentaro Ichioka, Sho Manabe, Eriko Hirai, Osamu Ogawa and Keiji Tamaki
Legal Medicine 2020 Nov 4;48:101806. doi: 10.1016/j.legalmed.2020.101806. [Online ahead of print]

京都大学医学部法医学教室、玉木教授のグループとの共同研究です。よく犯罪の報道などで「体液」という表現を目にすることがあると思います。これは、証拠として採取された遺伝子がどんな体液由来であるかが分からなかったから、だそうです。体液と言っても内容は様々で「唾液」「尿」「精液」など様々ありますが、本研究にて新たに開発された手法によると、精液由来であるとすぐに判別ができるようになります。画期的ですね。
当院では他の研究機関との共同研究も積極的に行っています。患者さんにご協力をお願いすることがありますが、ご理解を頂きたいと思います。


学会報告

学会報告
我々のクリニックに関連して、新たな学会発表を行いましたのでご報告します。
2020年12月3日
男性不妊症例における47XXY低頻度モザイクには臨床的意義がある
第65回日本生殖医学会総会 WEB開催
市岡健太郎

これは、無精子症などの重症の男性不妊症の患者さんに時にみられる、クラインフェルター症候群という病気に関する研究です。このクラインフェルター症候群の一亜型に関する新しい知見を発表しました。今回の学会はWEB上で開催され、発表も事前に録画したものがオンデマンド形式で配信されます。録画の際に噛みまくり、何回も撮り直しをしました。自分の活舌の悪さを実感しました。