麻疹の予防接種 3月中に受けてください

いきなり歴史の話で恐縮です。何と鎌倉時代にはすでに麻疹が疫病として広く認知されていました。麻疹(はしか)という病名については稲や麦の穂先、これを芒(はしか)ということに由来するようです。つまり穂先・芒(はしか)で口の中を突くと刺し傷ができ、これが麻疹のときにみられるコプリック斑と似ているので「はしか」という病名がついたとのことです。

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http://kong11.blog106.fc2.com/blog-date-201201.html から引用


江戸時代の文久2年(1862年)には大流行し、約24万人が死亡したとのことです。第5代将軍である徳川綱吉は麻疹で死亡したとされています。麻疹は助からないこともあるので「命定め」といわれていました(今は死語となっています)。

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徳川綱吉


ほんの50年前の日本では毎年数千人の人が死亡していたという恐るべき感染症です。その脅威は何と言ってもその強い感染力にあり、(インフルエンザよりも数倍強い)また根本的な治療がないためです。昭和41年から麻疹の予防接種が開始され患者数は年々減少してきました。しかし、1988年のMMRワクチン(麻疹、風疹、おたふくの三種混合ワクチン)の副作用があったため受ける人が減少しました。この時受けなかった多数の人々が16歳以上になった2007年、成人はしか(16歳以上)が高校生や大学生を中心として大流行をしました。
そこで国は2008年から5年間にわたりⅠ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ期の予防接種を開始しました。


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http://www.nakahara-clinic.com/menu/hashika.html
岐阜市の中原クリニックのホームページから引用

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厚生省のポスター
 

これにより2008年に11015人にのぼった患者数は、2009年には741人と減少しました。それでも今年(平成24年)の1月から2月までで65人の人が麻疹を発症しています(このうち約半分の人が成人麻疹です)。麻疹は予防接種の効果が極めて高く、95%の人が接種を受けると麻疹の自然発生はなくなるといわれています。しかし、昨年12月における摂取率はⅠ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ期においてそれぞれ95.6%,92.2%,87.2%,78.8%でした。つまりⅢ,Ⅳ期で目標に達していません。先進諸国はすでに麻疹を追放しているのに日本は麻疹輸出国と言われています。


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当院で使用しているMRワクチンです

3月31日を過ぎると公費で麻疹予防接種を受けられない人(つまり自己負担がある)が出てきます。どうか急いで今月の31日までに接種を受けてください。