天高く馬肥ゆる秋 11月21日

秋は空気が澄みわたるため空が高く見えます。またおいしい食物が収穫され、これが食卓に並ぶと私達の食欲が増加します。そうして馬も肥ってくるというわけで、秋は本当に良い季節であります。

しかし秋は喘息の人にとっては辛い季節でもあるのです。昔、小学校の担任の先生が「食欲の秋、運動の秋、そして私にとっては喘息の秋」と嘆息していたことを覚えています。そうなのです。この季節になり朝夕が冷え、さらにまた台風などが来襲すると急に喘息患者さんが増加してくるのです。

もっとも近年では気管支喘息のガイドライン(写真1)が広く浸透したこともあり、喘息で亡くなられた人は年間2000人を切るようになっています(図1)。つまり昔とは異なり、喘息患者さんの経過は良好となっています。ところが、それでもコントロールが困難な少数の重症患者さんがおられ、治療については誰もが苦慮しているところです。

今回、昭和大学の呼吸器・アレルギー内科学部門の相良博典教授が講演されるのを拝聴する機会があり、この問題の解決が垣間見えたような気がしました。

同教授の話によると、やはり1~2割の喘息患者についてはコントロールが困難とのことです。そこで最近の第一線の臨床では難治性喘息をフェノタイプ、またエントタイプを用いて分析するようになってきました。少し難しい話なのですが患者さんをフェノタイプとして5種類に分類し、また分子レベルに基づいたエントタイプに分類します。そうしてそれぞれのタイプ別に、もっとも有効な治療を選択しようというものです。上手く説明が出来ないのがもどかしいのですが、これは画期的なアプローチであり感動を覚えました。

また喘息は多様性疾患であり、喘息が持つ次のような特徴が話されました。

まずタバコはステロイド治療に対する抵抗性を持っているので喫煙患者さんではステロイドが効きにくいこと、肥満は喘息の悪化因子であること、ウイルス感染なかでもライノウイルスが最も喘息の悪化因子であること等でした。特に、ライノウイルスについての話は面白く、このウイルスは好酸球の炎症を起こし、ステロイドの作用を阻害するということに興味が惹かれました。

このように新しい知識を習得し、帰宅して復習し、明日からの診療に役立てようと思いました。

会を終えて外に出ると世間はクリスマス気分が町には訪れていました。もうすぐ12月という空気を感じ取りました(写真2,3,4)。

写真1キャプチャ
写真1 喘息のガイドライン

写真2キャプチャ
図1 日本治験推進機構(JCPO)の
ホームページより引用させていただきました

 写真3キャプチャ
写真2 神戸大丸の西側の通り

 写真4キャプチャ
写真3 大阪スカイビルの広場で

 写真5キャプチャ
写真4 大阪スカイビル前のクリスマスツリー