予防接種の勉強 4月8日

3月は年度の終わり、いわゆる年度末ということで様々な書類作りをせねばならず、慌ただしい生活を毎年3月はおくることになります。加えて医療界では4月になると保険制度の改正があるため、これに備えて様々な準備をせねばなりません。それ故、あちこちの説明会に出席する日々となります。

そういうわけで気が付けば、いつしか春がきていました。近くの公園にある桜の幼木もけなげに小さな花をつけ、大きな木は素敵な花を開かせました(写真1、2)。しかし咲いたと思えばすぐに桜が散りはじめ、葉桜となっていく景色をみて感傷的な気分になりました。

4月も数日が過ぎ去り、ようやく落ち着いてきたので予防接種の勉強会、阪神子どもの予防接種勉強会(写真3)という講演会なのですが、これまでに4回開かれており、私自身は初めての参加でした。

今回の勉強会ではたいへん多くのことを学びました。日頃、疑問に感じていたことが講演を聴くことにより氷解するに至りました。特に国立三重病院・院長の庵原先生がお話された内容には興味深いものでありました。主に水痘、おたふくの予防接種について話されましたが、その一部だけを以下に紹介します。

水痘ワクチンが今年の秋から公費接種の対象となる予定もあり、本年はダイナミックな変動が予防接種の世界には起こるものと予想されます。予防接種には副反応の問題もあり、誰もが「良いのか、悪いのか」と気持ちが揺れ動きます。ここで大事なことは医療に携わる者は「科学的に分析して考えることが必要だ」ということです。この気持ちを踏まえ、これまでの研究をもとにした水痘、おたふくワクチンの有効な接種法が説明されました。

この接種法を簡単にいいますと「おたふくワクチンは1才児と年長児の2回の接種がよい」ということ、また「水痘ワクチンは1回目を1才の時、2回目をその1年後に接種すると有効でよい」ということでした。なお、水痘ワクチンは高橋理明・大阪大学名誉教授が開発作成されたワクチンで岡(株)として知られています。岡(株)というので岡さんという人が開発したワクチンかと思っていましたが、これはワクチンを作成するために水痘の水泡疹を提供した患者さんの名前でした。岡(株)の水痘ワクチンが現在、全世界で使用されています。その詳しい開発経緯は雑誌・小児科感染免疫のVol.19 No.4の433ページに掲載されています(写真4)。

これを読み、偉大な先輩医師の輝かしい業績に感動しました。いつも医学者は苦難努力をしているものだと改めて痛感し、後輩たる者も努力しなければならないと思いました。

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写真1 去年は花が咲きませんでしたが、今年はこの幼木も開花しました

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写真2 青空との対比が見事な桜の花

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写真3 勉強会のチラシ

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写真4 高橋先生の論文 小児科感染免疫のVol.19 No.4の433ページ