糖尿病 5月17日

病気になれば安静、食事療法、外科療法などが必要なことはもちろんですが、薬物療法は大きなウエイトを占めています。患者さんに使用される薬は副作用が少なく、しかも有効性が高い薬剤が望まれることは当然です。それ故、新しい薬を創る、つまり創薬ということは極めて大切なことです。今回、ある製薬会社の製造現場を見学する機会があり、出かけてきました。

工場は神戸沖のポートアイランド内にある新しくて極めて清潔な建物でした。最新の創薬過程に触れることが出来、感動を覚えました。このようにして斬新な気持ちに切り換えが出来たので、集中して糖尿病の勉強をしようと講演会に参加しました。ここにその一部をまとめてみました。

世界では糖尿病の患者さんが3億8,000万人(2013年)いるといわれています。日本では2型糖尿病(以下、糖尿病)が健康診断によって早期発見される機会が多くなっています。ところが糖尿病予備軍の数はわずかに減少しているのです。これは最近の啓蒙活動の成果もあって多くの人が糖尿病に関心をもつようになり、糖尿病が軽いうちに発見され治療されているということです。

一方、糖尿病として治療を受けている人は、反対に増加しています。つまり糖尿病が軽症のうちに発見され、治療を受ける人が多いということです。さらに糖尿病はある程度以上の重症度になってしまうと軽快しにくい疾患です。ですから糖尿病では(糖尿病に限りませんが)早期発見、早期治療がことさら大切です。

では日本人の糖尿病にはどのような特徴があるのでしょうか?それは、

①高齢者が多いこと
②肥満の人が多いこと
③インスリン抵抗性が少ないこと
④インスリン分泌能低下型が多い

の4点があげられます。

①②は簡単ですのでわかり易いことでしょう。
③④については少し専門的になりますので、少しお話しします。

まず③ですが肥満の人ではインスリンが持っている作用である「糖の消費がしにくくなること」が知られています。これがインスリン抵抗性ということなのであります。つまり肥満は糖尿病悪化の因子であり、糖尿病における最大の関心ごとは体重の増加に向けられています。幸い日本人は欧米人のような高度肥満が少ないのでインスリン抵抗性は少ないということになっています。

また④は食事によって糖が体内の血中にとり込まれた時にインスリンが膵臓から分泌されて糖をとり込むわけですが、この際分泌されるインスリン量が少ないということであります。日本人では食後のインスリン分泌が少ない人が多いわけです。

以上の③④のお話しから「糖尿病とはインスリン抵抗性の増大およびインスリン分泌能の低下」、これが病気の本体といえるでしょう。

ところで最近、インスリンとは関係なく、つまりインスリン非依存的に血糖降下作用をもたらす薬剤が注目されています。この薬剤は昔から存在自体は知られていました。リンゴの皮から分離されるフロリジンという物質です。これは大昔から実験などに使われていました。今日、研究が進むことによってフロリジンから糖尿病に有効な新薬が開発され、実地臨床に供されるようになりました。糖尿病の新しい薬剤として期待を集めています。

短期間に3人の糖尿病専門家の講演を拝聴してきました。少し気分転換ということで近くにあるお洒落なレストランに出かけました(写真1から5)。食後には素晴らしいバラを眺め(写真6から7)、体の活力をとりもどしました。

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写真1 前菜

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写真2 スープ

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写真3 メインディシュ

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写真4 パン

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写真5 デサート

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写真6 赤いバラ

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写真7 バラと時計台