講演会 6月14日

このところよく講演会へ出かけています。毎日変わらずに日常診療をしていると、医師も人間ですから(患者さんには申し訳ありませんが)単調な診療になるおそれがあります、また、つい疲れて日常に埋没してしまい、新しい医学知識の習得にも疎遠になる危険性もあります。ですから、これを打開すべく常に新しい勉強という刺激を求め、時間があればあちこちで講演会に出て聴講し自己学習に努めています。もちろん最近ではコンピュータによる動画配信サービスもあり、自宅で好きな時間にみることもできます。しかし、やはり実際に会って直接、生の話を聴く方がずっとインパクトがあります。今日は医師会主催でおこなわれた講演会でテーマは「CKD(慢性腎臓病)」と「前立腺肥大」でありました(図1)。

まずCKDです。この疾患名は2004年頃から使われはじめた病名です。正確な定義は「①糸球体濾過量(GFR)が60ml/分1.73㎡未満であるか、②蛋白尿などの腎臓障害を示唆する所見がある、の片方または両方が3ヶ月以上続く状態」と定義されています(日本腎臓病学会)。CKDは全国で1300万人ぐらいの人がいると推測されていますが、その多さの割には重要性があまり広く知られていないようです。ところが国際的にみるとCKDを早期発見し、治療しようという方針が打ち出されているのです。CKDの人は末期では腎不全となります。しかし、それ以上に大きいリスクとして心血管疾患を発症する危険性が大きいということです。特に糖尿病の人ではCKDが悪化しやすいので、そのためには血圧を130/80未満にコントロールすること、その重要性が強調されました。

次に前立腺肥大です。男性の疾患ですが、50才前で発症がみられます。今回、あらためて前立腺の神経支配を復習した上で最近の新しい薬剤について知ることができました。その新しい薬のひとつに選択的ホスホジエステラーゼ(PDE)5阻害剤があり、薬理作用を詳しく知ることができました。PDE5阻害剤はなかなか興味深い作用機序をもっており、従来の前立腺肥大の薬と比較して魅力的な印象を受けました。ただ、発売が今年の4月であり、まだまだ一般医での処方は難しいでしょう。ニトログリセリンとの併用は禁忌であり、重大な心疾患を発症するともいわれています。ですから、初めは専門医での慎重な管理姿勢が必要かと思います。

さすがに土曜日昼下がりの勉強には少し疲れました。そこで終了後、近くの路上喫茶店で休憩をとることにしました。神戸らしいエキゾチックな風景をみて心が和みました(写真1,2)。

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図1 当日のプログラム

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写真1 エキゾチックな風景

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写真2 エキゾチックな風景