近大マグロ 1月14日

少しばかり所用があって大阪の街に出掛けました。すると駅のターミナルで成人式に出席する数多くの新成人に出会いました。将来を担う若い人の晴着姿は美しく、また華やいだ風情でありました。総務省の統計によれば、今年の新成人は126万人(男65万人、女61万人)とのことです。今後の日本は、この人達に委ねられていくわけでエールを送りたい気持ちになりました。

さて本日、大阪に出てきた理由のひとつが「近大マグロを食べること」であります。近畿大学が2002年にクロマグロの完全養殖を初めて成功したことはよく知られています。近畿大学は建学の精神に「実学教育」をあげており、マグロ養殖もその精神の表れの様です。養殖に成功したおかげで和歌山県の海で育った養殖マグロを食べることが出来ます。そのマグロを提供しているお店が大阪・梅田に数年前から営業しています(東京・銀座にもあります)。私自身が多忙のため、また待ち時間が長いということ、そのためなかなかお店に来て食べる機会がありませんでした。今回、ようやく時間ができ、長い待ち行列を覚悟して臨みました(写真1)。30分くらいは待つ心積もりをし、あらかじめ医学書を読む準備をするという万全の体制で臨みました。最近では、このような待ち時間を利用して勉強するように心がけています。ただ、この条件下では難解な英文や専門書の読破は不可能であり、肩の凝らない医学雑誌が最適です。

というわけで今回、読んだ医学雑誌の記事はインフルエンザの最近の知見についてです。そのあらましは次の通りです。

現在、インフルエンザが猛威をふるいつつあります。たしかに当院でのインフルエンザ患者さんの数も急速に増加しています。国立感染研究所によりますと1月6日における兵庫県の定点医療機関1機関あたりの患者数は30.78と警告レベル(警告レベルとは30.0以上)に達しています。

次に幸い今年の流行株とワクチン製造株の抗原性は一致しているということです。つまり今年のワクチンは有効性が期待できるというわけです。たしかに当院のインフルエンザ患者さんでも、その多くはワクチン未接種者の方々であります。さらに注目すべき最近のデータとして「予防接種を受けた後、6ヶ月ぐらい抗体が感染防御水準を保っていること」が報告されています。つまり、受けて半年ぐらいはワクチンが有効ということなのです。やはり予防接種は受けるほうが良いことが示されています。最後に高血圧の方、呼吸器疾患などのある高齢者の方では、インフルエンザと肺炎球菌のワクチンを勧めるべきであることが示唆されています。

というわけで約30分間の待ち時間をインフルエンザの勉強について利用できました。待つということのストレスがほとんどなく、あっという間に時間が過ぎ去りました。つまり知識が頭に入った後、今度はマグロをお腹に入れ堪能したというわけです(写真2)。大変に美味しかったマグロですが、実はマグロにはコレステロールを下げる効果があるのです。マグロは DHA (Docosahexaenoic acid ドコサヘキサエン酸)という血圧を下げ、脂質異常症を改善する物質をもっともたくさん持っている魚なのです。DHAを効率よく採取するにはマグロの刺身が一番良いとされています。ですから適当な量のマグロの刺身を楽しんで食べ(食べ過ぎは駄目です)、コレステロールを改善しましょう。

キャプチャ
写真1  お店の前にできた長い待ち行列

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写真2 マグロは赤身で大変美味