冬の寒空 1月25日

ここ数日間は過激派組織イスラム国による日本人の拘束事件が大きく報道されています。最悪の事態さえもすでに起こっている状況です。御家族はいうまでもなく関係者、そして日本の国全体が心を痛めております。一個人としては一日も早い解決を望み、それに向けてただただ祈るばかりです。このような心情にある時、空を見上げてみると、そこにはどんよりとした冬の寒空が広がっていました。何とはなしに今の重い気持ちが空にも表れているように感じました(写真1)。

さて、今日は日曜日(1月25日)です。しかし休むというよりは普段積み残している、つまりサボっている雑事を片付けることに追われるのが現状です。休日とはrest(休むこと)より、recovery(取り戻すこと)ということなのです。さらに加えて明日からの診療に備え、少しでも医学知識の習得に努めることが休日のduty(義務)になっています。要するに休日といえども、なかなか休めないのです。もちろん休みなのに無理をすることは、長い目でみると本当に良くないことです。それ故、時間を定めて最小限の業務量に絞って精勤するようにしています。というわけで今日は自室を掃除し、またレビー小体型認知症について少し勉強しました。

認知症の人はどのくらい日本ではおられるのでしょう。65歳以上の人では462万人が認知症(人口比で15%の有病率)と推定されており、今後増加していくことが危惧されています(図1、2)。認知症には、知られているように大きく分けてアルツハイマー型(50%)、脳血管性(20%)、レビー小体型(20%)、その他ピック病型(10%)の4つがあります(図3)。これから分かるようにレビー小体型は20%と少なくはないのです。むしろ認知症の20%を占めており、けっして軽視できない認知症といえます。

最近でこそレビー小体型は知られていますが、以前は医療関係者でさえも馴染みがありませんでした。今回、国際ワークショップによってレビー小体型の対処法が示されました(図4)。これは一般診療所にとっても理解しやすい内容となっています。

国際ワークショップによれば、レビー小体型においては中心的特徴(必須症状)である認知機能低下は、アルツハイマー型と比べて記憶障害が目立ちにくいことが特徴です。反対に視覚認知障害と注意障害が目立ち易いことが特徴です。また自律神経障害があるため血圧の変動が大きく、夜間の頻尿、便秘、多汗と乏尿がみられたりします。

ところで10数年前の患者さんなのですが、「今から思えばレビー小体型認知症であったのでは?」と考えられる人が何人かおられます。残念ながら当時、ほとんど知られていなかった疾患であり、対処法も十分ではありませんでした。現在ではレビー小体型認知症に有効とされる薬剤もあります。

こんなことを学んだ休日でした。

写真1
写真1 どんよりとした冬空と摩耶の山々

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図1 認知症の有病率 毎日新聞2013年6月の記事

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図2 認知症の人は増加しつつある
第15回在宅医学会 in 愛媛にて発表した資料
http://www.slideshare.net/JunichiroToya/a3-20130330

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図3 認知症の種類
http://home.hiroshima-u.ac.jp/er/Etc_CH.html
提供 小坂憲司先生

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図4 認知症医療の新たなる地平から
エーザイ株式会社 発行より