2月23日 気分転換

まだ寒い日が続いており、時に寒風に小雨がぱらつく日もあります。ようやくインフルエンザの流行も勢いが衰えてきました。医療を提供する身としては逆にそろそろ疲れが貯まってくる時期であります。そこで思い切って遠方にドライブすることにしました。もっとも遠方といっても患者さんのことが気になるのでせいぜい1時間半くらいまでの所要時間で行くことのできる範囲であります。

今日は久し振りに(おそらく10年以上振り)明石大橋(写真1)を渡って淡路島に入り、さらに大鳴門橋(写真2)を初めて渡って鳴門まで往復してきました。あいにくの雨交じりで、しかも少し強風でした。それでも眼下に鳴門の渦潮を一瞬見ることが出来、それなりに結構な気分転換となりました。わずか1時間15分ほどで鳴門に着くことができました。少し神戸を離れるだけで食べるもの、例えばワカメ、ゆず茶、うどん等が大変美味でした。

オーシャンビューのレストランでゆっくりと座り、良い景色を眺めることができました(写真3、4)。しかし、やはり気になるのが本業のことです。カバンの中から端末タブレットを取り出し、色々な医学サイトを開いて閲覧しました。せっかく徳島の鳴門まで来たので動画サイトで徳島大学・大森教授の話を視聴しました。テーマは最近におけるうつ病の治療薬(抗うつ剤)に関するお話しで興味深いものがありました。

うつ病は、現在注目されています。それは患者さんが増加しているということ、また新しい薬物により寛解することが期待出来るからです。統計調査をみても、また個人的印象としてもうつ病(あるいはうつ状態)の人は増加しています。小規模医療機関としては軽症のうつ病の患者さんには対応しますが、それ以外の方は専門医へ御願いする必要があるでしょう。小規模診療所においては新薬によって、ある程度以上の対応が可能というわけです。

そこで抗うつ剤について今回学んだことの一部をお話します。

近年、従来からある三環系、四環系の抗うつ剤に加えて色々な薬剤が開発されています。なかでも良く使用されている新しい抗うつ剤には、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)」、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)、NaSSAノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ薬の3種類があります。これを分りやすくお示ししますと図1のように7種の抗うつ剤があります。前2者のSSRIとSNRIについてはだいぶ以前からよく処方されている薬剤ですが、最後のNaSSAは6年前から日本では使用されはじめました。これら7種の薬剤には、それぞれ特徴があります。その特徴を理解して患者さんに処方していく必要があります。

つまりこの患者さんにはどの抗うつ剤が最適かを十分に見極める必要があるのです。また治療効果を上げるためには第一選択の抗うつ剤を単剤で十分な用量かつ十分な期間にわたって投与することが大切です(これを単剤主義と呼称)。多剤を組み合わせて服用するよりも単剤が推奨されるというわけです。いずれにしても十分な問診、診察が必要となります。日本うつ病学会治療ガイドラインも手元におき臨床家として軽症うつ病患者に対応していくことが大切です。

意欲がなく、不眠があり、さらに以前は楽しかった趣味などが楽しめないという患者さんの訴えをよく聴きとり、身体疾患だけではなく常にメンタル面での配慮が必要と痛感しています。

今回うつ病の主に薬剤療法を少しだけ詳しく学び、大いに刺激が得られました。良い休日となりました。

キャプチャ1
写真1 淡路大橋 前方には淡路島が

キャプチャ2
写真2 大鳴門橋 初めて通行しました

キャプチャ3
写真3 オーシャンビューのレストラン
ルネッサンス リゾート ナルトの絵葉書から

キャプチャ4
写真4 鳴門の海 前方に淡路島が展望

キャプチャ5
図1 http://kusuri-jouhou.com/pharmacology/utu2.html より
引用させていただきました