高血圧の講演会 3月9日

暦の上では弥生となり、日増しに暖かい日となってきました。「春眠、暁を覚えず」とはよくいったもので、たしかに気持ち良く「ウトウト」としそうになります。ただ花粉症の人はこれからしばらくの間、くしゃみ・鼻汁・鼻閉(いわゆる三大症状)に悩まされてしまう日々となるでしょう。花粉症の人達は日々における生活上の注意をよく守り、必要ならば薬物療法を受けて下さい。

さて先日、久し振りに講演会に出かけてきました。もっとも講演会に出かけるといっても2つの異なる状況があります。ひとつは聴衆(客席に座って聴く)となる状況、今一つは自分が演者(客席に向かって話す)となる状況です。今日は後者でした。いうまでもなく後者のほうが前者とは比較にならないぐらい精神的にも肉体的にも大変なストレスがかかります。というか前者は正直、お客様気分で時に居眠りさえも可能です(スミマセン)。これに対し後者では前以て準備をせねばならず、当日の緊張も生半可ではありません。

今回は高血圧というテーマをいただき、約60人の方々の前で講演する機会を与えられました。ただ高血圧について一般市民の方に40分間ばかりでお話をすることは大変難しい(というか不可能な)ことです。そんなこと分かり切っているのに引き受けてしまったのです。そうして引き受けた以上は、その責任を全うしなければなりません。そのため3,4カ月にわたり悪戦苦闘して準備することになりました。講演でいい加減なことは言いたくないことは勿論として(それは後で後悔しないためです)、聴いて下さった方々に感動をもって高血圧を理解していただきたいと思い準備しました。あれこれ勉強し、またスライドも創意工夫しました。これらの作業は自分自身のスキルアップにもなることは、いうまでもありません。

そうして迎えた当日、西宮市内の会場に向けて雨の降りしきる中、初めて通る道をカーナビ頼りに車のハンドルを握り、何とか無事に到着しました。会場に入ると幾ら演者の経験を積んでいても緊張すること、この上ありません。

その日の講演内容をごく一部だけ御紹介いたします。

今回は日本高血圧医学会が出している「高血圧治療ガイドライン2014」が大変参考となり、本当に助かりました(図1)。専門医の方々の叡智を集めた指標は一隅を照らす灯明でありました。

まず高血圧診断のための基準ですが、それは診察室では140/90以上、家庭では135/85以上というものです(図2)。この基準より血圧が高ければ高血圧と判定されていくわけです。すると高血圧の患者数は日本では4,300万人と推定されており、30歳以上では男性60%、女性45%が高血圧症といわれています。しかも数が多いだけでなく厚労省の調査では毎年増加しつつあるという事実です(図3)。このように誰でも罹ってしまう身近な疾患であることを皆さんに強調させていただきました。

次に自分で出来る日常生活習慣の改善についてお話しました。何といっても減塩(目標は6グラム/1日)、カロリー制限、体重の適正化(肥満の是正)が重要であります。特に日本人には食塩依存性の高血圧が多いのにもかかわらず、減塩に関心が少ないことを紹介しました。最近、日本人の食塩摂取量がだいぶ減ってきましたが、まだ10グラム/1日程度にとどまっている現状に注意を促しました。

最後に笑いは血圧を下げる力があること、それ故、毎日笑って暮らすことがよいこと、一日一回は大笑いすることをお勧めしました(図4)。当院でおこなった実験でも落語を聴くと血圧が下がることが示されています(図5)。

ということで最後はプロの落語家さんが演じる落語に大笑いしていただき、和やかな雰囲気で会をお開きとさせていただきました(図6)。

会の終了後、やはり自分自身の勉強とスキルアップになったことを感じたところです。

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図1 高血圧治療ガイドライン2014

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図2 高血圧診断のための基準

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図3 毎年増加しつつある高血圧

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図4 一日一回は大笑い 昇幹夫先生の創作

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図5 落語で笑うと血圧が下がる

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図6 当日のチラシから