花粉症に悩まされての講演会 3月23日

日ごとに春らしくなってきました。冬が過ぎ去り、森羅万象が生き生きとする季節がやってきたのです。心が浮き浮きとした気分になる暖かい日々でありますが、花粉症の方々にとってはクシャミ・鼻水・鼻閉に悩まされる季節でもあります。何を隠そう、この私自身がひどい花粉症なのであります。物心ついた頃から鼻水、くしゃみ、鼻閉に春先は悩まされてきました。30歳になった頃にこれらの鼻症状は風邪による症状ではなく、花粉症によるものだということが分かりました。つまり私が30歳頃になった頃に医学的な花粉症の概念が確立され、世の中に広く認知されたのであります。ようやく自分が花粉症だということが分かったのです。ですから花粉症とは、もう何十年もの付き合いです。新しい薬を試しながら鼻症状の軽減化に最近では成功しています。

ところが今年、鼻症状は軽いものの、目の症状がもの凄く酷くなりました。目の痒み・発赤などというレベルではなく、あまりに炎症が強いため開眼することも困難になってしまいました。どうにも仕方がないので眼科を受診し、何とか軽快することができました。その間、外出を控えることをも余儀なくされてしまいました。それならば居直って「いっそ花粉症の勉強をしよう」と、書斎で机に向かって過ごすこととしました。その成果を少しだけ紹介いたします。

花粉症は今や大変有名な病名ですが、その割には医学的な対応が医師によっても様々なようです。ようやく最近になって「2013年版鼻アレルギー診療ガイドライン」(写真1)が公刊されました。同書によって統一的な見解が少しずつ呈示されています。例えば鼻汁と鼻漏を水様性鼻漏として統一化し、前者は鼻内に存在するもの、後者は外に出る過剰状態と考えるようになっています。このように言葉一つについても、明確な考え方が提言されるようになりました。

また治療については病態を「くしゃみ・鼻閉型」および「鼻閉型または鼻閉を主とする充全型」の2つに分類し、それぞれの病態に有効な薬剤が示されています。なかなかクリアーカットな内容です。ですから、これを参照して適切な治療をすることが望ましいと考えられます。

最後に医療保険制度における花粉症についてです。同制度においては花粉症という病名は認められていない様子です。「花粉症ではなく、アレルギー性鼻炎という病名でないと駄目」という模様です。したがって花粉症という病名のもとで薬剤等を処方し、診療明細請求書(レセプト)で請求しても認められない可能性があります。つまり花粉症という病名では診療報酬を受け取ることが出来ない可能性があるというわけです。

このように花粉症には色々な含蓄があります。それはともかくとし、斯様に目が情けない状況にありますが、以前から依頼されていた講演会に講師として出かけてきました。

出張場所は三田市内であり、主催者は兵庫六甲JAさんでした(図1)。テーマは例によって「笑いと健康」です。つまり最もよく依頼されるテーマであり、いわば得意分野であります。ただ、いかに慣れているといっても講演の都度、リニューアルを心がけ、創意工夫を凝らします。そのため下準備に時間を割かねばなりません。また講演当日における精神的負担は、それなりに圧し掛かってきます。会場に到着し、関係者に迎えられますと試験会場に入る受験生の様な気分になります(いつまでたっても我ながら情けないのですが…)。因みに今回の主催者スタッフの方々も大変良い人ばかりでした。何時も関係者の配慮には心が癒される思いが致しております。

今回の参会者は、150名くらいの方々で女性がほとんどでした。約30分で笑いと健康について少々早口で説明させていただきました。話が面白くなく、皆様が退屈して寝てしまうと最悪です。そこで単にスライドを供覧するだけでなく、動画を組み入れて放映し、ジョークを飛ばし、レジメも利用し、果ては皆様に声をたてて無理やりにでも笑っていただく、というように様々なテクニックを駆使することになります。いつも講演では、まず結論を先に述べております。それは3つの結論です。

① 一笑一若、一怒一老
② 一日一回大笑い
③ 微笑み療法の励行

結論が十分に浸透するようにとワッペンを作成し、「一日何十回と目の前にして笑って下さい」と皆様に配布しました(図2、図3)。つまりワッペンを毎日何度も見て笑っていただき、ひいては健康になっていただくという趣向であります。

笑いのお話をさせていただくと、いつも多くの人が共感して下さるように感じています。笑いの渦に巻き込まれ、皆様とともに幸せを感じ取ることが出来ます。

というわけで今日来ていただいた方が笑いの意義を理解し、生活の中で笑いを生かして健康になること、これが実現出来ればと念じながら講演した次第です。

帰り道は少し雨模様でしたが、心の中は安堵感が漂いました。

キャプチャ1
写真1 鼻アレルギー診療ガイドライン2013年度版
- 通年制鼻炎と花粉症 -
大久保公裕 アレルギー62(11)の文献より引用

キャプチャ2
図1 当日のプログラム

キャプチャ3
図2 一笑一若、一怒一老

キャプチャ4
図3 一日一回大笑い