少彦名神社、そして頸部超音波の講演会 7月6日

少しばかり縁があって大阪の道修町にある少彦名(すくなひこな)神社にお参りしてきました(写真1,2)。この神社のことは、これまであまりよく知りませんでした。祭神は、お二人の神様であります。お一人は少彦名命(すくなびこなのみこと)という日本の薬祖神、いまお一人は中国の神農氏という医薬・農業を司る神であります。少彦名命は日本神話での神様の1人であり、国造り、医薬などの神様といわれています。神農氏は、医史学上有名な神農本草経にも名前を残しているように薬を広めた皇帝であります。紀元前2740年ごろの伝説上の皇帝とされています。お二人の神様が祭神となった由来について神社内に解説文が掲示されていました(写真3)。それによると道修町の薬屋さんが京都五条天神から少彦名命を分霊し、以前から祭神としていた神農氏とともに合わせて奉ったのが始まりとのことです。これは18世紀後半のことでした。現在残っている文書から当時の道修町の薬屋さん達の敬神の念が深かったことが伺えます。現在でも道修町といえば製薬会社が多数あり、その近代的なビルの中に厳かにたたずむ神社には心打たれる空気が流れていました。

頸部超音波の検査といえば、甲状腺および頸動脈が主たるものといえるでしょう。この2つをテーマとした講演会に出席してきました。もちろん同分野における臨床も日進月歩であり、上手に情報を取り入れなければなりません。さもないと、すぐにとり残されてしまいます。講演を聴くと要領よく知識摂取ができるので本当に助かっております。

まず頸部超音波検査は標的臓器が浅いところにあるのでコツを掴み、慣れると観察し易いものだというお話に共感しました。ですから講演後、以前より心強い気持ちで超音波画像を観るようになりました。

甲状腺超音波検査についてです。超音波触診、血液検査、触診の3者で概ね診断が可能ということであります。つまりMRI、CTよりも有用というわけです。また超音波画像における腫瘍像は5つのカテゴリーに分けて観察するとよいこと、良性疾患ではドップラー血流がなく悪性ではドップラー血流があるので区別がつけられるということ、等々を学びました。

頚動脈超音波検査は、最近ではごく普通に実施されています。特に頸動脈内膜中膜肥厚(IMT intima-media thickness)という血管壁の厚さを測定することは重要です。それはIMTによって動脈硬化の評価をすることが出来るからです。つまりIMTの基準値は10mm以下とされているのですが、動脈硬化が進展すると増加してくるのです。またプラークという血管壁から隆起した病変を超音波画像として観察することが出来ます。プラークは血管を詰らせ、また剥離して脳血栓となり脳梗塞を引き起こすこともあります。ですから、その観察・確認は生活習慣病の人では重要なのです。

それにしても色々と頚部超音波について学びとることが出来ました。さすがにだいぶ疲れました。そこで都会のど真ん中にある緑のオアシスで休みました(写真4)。都心にこのような安息地があることに驚くとともに元気を取り戻すことが出来ました。

キャプチャ1
写真1 少彦名神社の社務所には、くすりの道修町資料館もあります

キャプチャ2
写真2 少彦名神社の参道

キャプチャ3
写真3 少彦名神社の略記

キャプチャ4
写真4 都会のど真ん中にあるオアシス